BYODとは?Bring Your Own Device「私的デバイスの業務利用」についてわかりやすく簡単に解説
BYODとは
BYODは「Bring Your Own Device」の略で、「私物端末の業務利用」を意味します。社員が自身のスマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどを業務に利用することです。
具体的な利用形態
- スマートフォンでのメール確認やチャットツールでの連絡
- タブレットでの資料閲覧や会議でのプレゼンテーション
- ノートパソコンでの文書作成やデータ分析
- クラウドストレージを介したファイル共有
近年、働き方の多様化に伴い、BYODを導入する企業が増加しています。総務省の調査によると、テレワークの利用率は2025年7月時点で全国の就業者の14%に達しており、その中で私物端末を活用する働き方が注目されています。
BYODが注目される背景
コロナ禍をきっかけとした働き方の変化
- 2020年以降、テレワーク実施率が急増
- 週に1日以上テレワークを実施する人の割合がコロナ流行前と比べて大幅に増加
- オフィス出社から多様な働き方への転換が加速
コロナ禍をきっかけとして、多くの企業でテレワークが導入されました。国土交通省の「令和6年度テレワーク人口実態調査」によると、雇用型テレワーカーのうち週に1日以上テレワークを実施する人の割合は、コロナ禍をきっかけとして令和2年度から増加し、その後は減少傾向にあるものの、コロナ流行前と比べると高い水準を維持しています。
労働生産性向上への関心の高まり
- 日本生産性本部によると、2024年の日本の時間当たり労働生産性は60.1ドル(5,720円)
- OECD加盟38カ国中28位と、先進国の中で低い水準
- 時間当たり生産性を高める働き方として注目
日本生産性本部が公表した「労働生産性の国際比較2025」によると、日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟国の中で28位と、依然として低い水準にあります。この状況を受け、企業は生産性向上のための施策として、従業員が慣れた端末で作業できるBYODに注目しています。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
- クラウドサービスの普及により、場所や端末を選ばない業務が可能に
- Microsoft 365やGoogle Workspaceなどのクラウドアプリケーションの活用
- セキュリティ技術の進化で、私物端末でも安全な業務利用が実現
BYODのメリット
端末購入・維持コストの削減
- 企業側は従業員の端末を購入する必要がない
- 端末のリース費用や保守費用を削減可能
- 初期投資を抑えてテレワーク環境を整備できる
企業側にとって、端末購入・維持コストの削減は大きなメリットです。従業員1人あたりの端末購入費用を10万円と仮定すると、100人の企業で1,000万円の初期投資が不要になります。さらに、端末のリース費用や保守費用も削減できるため、長期的なコスト削減効果が期待できます。
社員が慣れた端末で作業できるため生産性が向上
- 普段使い慣れた端末なので操作に迷わない
- 自分好みの設定やアプリを活用できる
- 業務への集中力が高まり、作業効率が向上
従業員が普段使い慣れた端末を使用できるため、新しい端末の操作方法を覚える手間が省けます。自分好みのキーボード設定やアプリ構成で作業できるため、業務への集中力が高まり、作業効率が向上します。複数の調査で、慣れた端末を使用することで生産性が向上することが報告されています。
リモートワークやフレキシブルな勤務形態に対応しやすい
- 場所を選ばずに業務が可能
- 緊急時にも迅速に対応できる
- ワークライフバランスの実現に貢献
厚生労働省の調査では、有給休暇の取得率は年々向上し、過去最高を更新しています。このような働き方改革の推進に伴い、BYODはリモートワークやフレックスタイム制度との相性が良く、従業員のワークライフバランス実現に貢献します。
システムやアプリの導入スピードが早い
- 端末の調達や設定に時間がかからない
- 新規採用者にもすぐに業務を開始してもらえる
- 急な業務拡大やプロジェクトにも柔軟に対応
新規採用者や異動者に対しても、端末の調達や設定を待たずにすぐに業務を開始してもらえます。急な業務拡大やプロジェクトの立ち上げ時にも、柔軟に対応できるため、ビジネスチャンスを逃しません。
BYODのデメリット・課題
業務とプライベートのデータが混在するリスク
- 個人用の端末で業務データを扱うため、データ管理が複雑化
- プライベートでのアプリ利用と業務利用の境界があいまい
- 退職時のデータ引き継ぎが困難になる可能性
個人用の端末で業務データを扱うため、データ管理が複雑化するリスクがあります。プライベートでのアプリ利用と業務利用の境界があいまいになりやすく、退職時のデータ引き継ぎが困難になる可能性があります。コンテナ技術などを活用して、業務データと個人データを分離する対策が必要です。
セキュリティ対策の統一が難しい
- 従業員ごとに端末のOSやセキュリティソフトが異なる
- 企業が一元的にセキュリティ管理を行うのが困難
- 脆弱性への対応が遅れるリスク
従業員ごとに端末のOSバージョンやインストールされているセキュリティソフトが異なるため、企業が一元的にセキュリティ管理を行うのが困難です。脆弱性への対応が遅れるリスクがあり、情報漏えい事故につながる可能性があります。
紛失や盗難時の情報漏えいリスク
- 私物端末のため、企業の管理が行き届かない
- 公共の場所での利用時に盗難に遭う可能性
- 紛失時の連絡体制が整っていないケースも
私物端末のため、企業の管理が行き届かない場合があります。公共の場所での利用時に盗難に遭う可能性があり、紛失時の連絡体制が整っていないケースもあります。リモートロックやリモートワイプ機能の導入が推奨されます。
社員のITリテラシーに依存する面がある
- セキュリティ意識の低い従業員がリスクになる
- 適切なパスワード管理やアップデートの実施が必要
- 教育・研修の充実が不可欠
セキュリティ意識の低い従業員がリスクになる可能性があります。適切なパスワード管理やOSのアップデート実施など、基本的なITリテラシーが求められます。企業は従業員に対する教育・研修を充実させる必要があります。
サポート範囲が限定される可能性がある
- 多様な端末に対応する必要がある
- 技術サポートの工数が増加
- 対応可能なOSやアプリを制限するケースも
多様な端末に対応する必要があるため、技術サポートの工数が増加します。すべての端末に同等のサポートを提供するのが困難な場合、対応可能なOSやアプリを制限するケースもあります。サポートポリシーの明確化が重要です。
BYOD導入に必要な対策
モバイルデバイス管理(MDM)の導入
- 端末を一元的に管理・監視
- 遠隔で端末のロックやデータ消去が可能
- アプリの配布や設定の一元管理
モバイルデバイス管理(MDM)システムを導入することで、私物端末を一元的に管理・監視できます。万が一の紛失時にも、遠隔で端末のロックやデータ消去が可能になり、情報漏えいリスクを低減できます。また、業務に必要なアプリの配布や設定の一元管理も可能になります。
業務データと個人データの分離(コンテナ技術など)
- 業務用の領域を分離して管理
- プライベート領域にはアクセスしない
- 退職時も業務データのみを消去可能
コンテナ技術などを活用して、業務用の領域を分離して管理します。プライベート領域にはアクセスしないため、従業員のプライバシーを尊重しながら、業務データのセキュリティを確保できます。退職時も業務データのみを消去できるため、円滑なデータ引き継ぎが可能になります。
アクセス制御・認証管理の強化
- 多要素認証の導入
- 定期的なパスワードの変更
- 不審なアクセスの検知とブロック
多要素認証を導入することで、パスワード漏洩時でも不正アクセスを防止できます。定期的なパスワードの変更を義務付け、不審なアクセスを検知した場合は自動的にブロックする仕組みが推奨されます。これらの対策により、セキュリティを大幅に強化できます。
端末紛失時のリモートロック・ワイプ機能
- 遠隔で端末をロック
- 業務データのみを消去(ワイプ)
- 位置情報の追跡機能
万が一の端末紛失時に、遠隔で端末をロックしたり、業務データのみを消去(ワイプ)したりできる機能を導入します。位置情報の追跡機能を活用することで、端末の所在を特定できる可能性も高まります。これらの機能は、多くのMDMソリューションで標準的に提供されています。
利用ポリシー(BYODポリシー)の策定と周知
- 利用可能な端末の条件を明確化
- セキュリティ要件の定義
- 違反時の対応を規定
利用可能な端末のOSバージョンやセキュリティ要件を明確に定義します。違反時の対応や、紛失・盗難時の報告手順も規定します。策定したポリシーは、従業員に対して定期的に周知・研修を行うことが重要です。
クラウドソリューションとの連携
Microsoft 365、Google Workspace、クラウドCRM、ERPなどのクラウド型アプリケーションと連携することで、セキュリティ・利便性・拡張性のバランスが取れたITインフラを実現できます。
クラウドアプリケーションとの相性
- 場所や端末を選ばずにアクセス可能
- データがクラウド上に保存されるため、端末紛失時も安心
- 自動アップデートで常に最新機能を活用
クラウドアプリケーションは、場所や端末を選ばずにアクセスできるため、BYODとの相性が抜群です。データがクラウド上に保存されるため、端末を紛失してもデータは守られます。また、自動アップデートで常に最新機能を活用できるため、従業員は常に最適な環境で業務を行えます。
まとめ
BYOD はコスト削減と業務効率化に貢献する一方、セキュリティ対策が不可欠です。MDM の導入やポリシー策定など、適切な対策を講じることで、安全に活用できる仕組みです。
テレワークの普及に伴い、BYOD の重要性はさらに高まっています。企業は自社の状況に合わせて、メリットとデメリットを慎重に検討し、適切な対策を講じた上で導入を進めることが推奨されます。
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まとめ
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