なぜERP導入は失敗するのか?企業に共通する5つの課題と成功への道筋

はじめに:多額の投資を無駄にしないために、ERP導入前に知っておくべきこと

ERP導入を進めたものの、想定した効果が得られなかったり、導入後に現場で使われなくなったりするケースがあります。ERP導入を成功させるには、システムの機能だけでなく、自社の業務や組織の課題を整理した上で導入を進めることが重要です。本記事では、ERP導入で起こりやすい失敗と、その背景にある5つの課題を解説し、導入を成功に導くための実践的なアプローチを提示します。

企業競争力の強化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を目的として、多くの企業がERP(統合基幹業務システム)の導入を進めています。しかし、多額のコストと時間を投資したにもかかわらず、想定したROI(投資利益率)が得られず、結果的に導入が失敗に終わるケースが後を絶ちません。経済産業省が発表した「DXレポート」によれば、日本企業の多くは既存システムの維持・管理にIT予算の約80%を費やしており、この「技術的負債」を解消できなければ、2025年以降に最大で年間12兆円の経済的損失(2025年の崖)が生じると警告されています。この危機感からシステム刷新を急ぐ企業が増加していますが、焦燥感に基づく場当たり的な導入は、かえって新たな技術的負債を生み出す結果を招きます。

日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が実施した企業IT動向調査においても、IT利活用の失敗要因として「導入前の説明不足」や「教育不足」が上位に挙げられており、システムの機能要件だけでなく、組織的な受け入れ態勢の構築が成否を分けることが明確に示されています。ERPは単なるITツールではなく、企業のビジネスプロセスそのものを変革し、経営基盤を再構築するための強力なエンジンです。したがって、導入を成功させるには、システムの機能比較に終始するのではなく、自社の業務プロセスに潜む非効率性や、組織全体の課題を深く整理した上でプロジェクトを進めることが不可欠となります。本記事では、過去の失敗事例から見えてくる共通の課題を紐解き、グローバル展開を見据えたクラウドERPの選定から現場への定着化に至るまでの道筋を解説します。

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ERP導入で失敗する企業に共通する5つの課題

ERP導入に失敗する企業には、「導入の目的化」「属人的な業務の温存」「海外要件の欠如」「システム分断の放置」「定着化計画の不在」という5つの共通課題が存在します。はじめに、ERPの導入プロジェクトにおいて、結果的に失敗する企業に何が共通しているのか、導入前に知っておくべきことについて詳しく解説します。

導入すること自体が目的になっている

ERP導入で最も多い失敗の原因は、「ERPを導入すること」自体が目的化してしまうことです。「他社が導入しているから」「既存システムの保守期限が切れるから」といった理由でスタートすると、導入後に「何がどう良くなったのか」を評価できず、投資対効果を証明することが不可能になります。

本来、ERPは経営課題を解決するためのツールです。目的が曖昧なままプロジェクトが進むと、システム選定の確固たる基準が失われます。その結果、各部門から上がる「現状の入力画面を変えないでほしい」「今の複雑な業務フローをそのままシステム上で再現してほしい」といった要望を際限なくシステムに取り込んでしまうことになります。このような無計画なアドオン(追加開発)は、結果として開発コストの劇的な増大とプロジェクトの遅延を招き、将来的なシステムのバージョンアップをも困難にする技術的負債を蓄積させます。目的を定義せずに進められたプロジェクトは、例外なく予算超過と稼働遅延の罠に陥ります。

既存のExcel業務や属人化した業務を整理しないまま導入する

ERP導入において、現状の業務を整理・可視化せずに新しいシステムに移植しようとするのは非常に危険な失敗パターンです。長年培われてきた業務プロセスには、特定の担当者しか把握していない属人的な作業や、無数の複雑なExcelマクロを使った独自の処理が存在することが珍しくありません。

これらの属人的な業務プロセスを無批判に新しいERPへ持ち込もうとすると、複雑な現状業務に合わせてシステムを過剰にカスタマイズすることになります。これは、既存の非効率性を高額な最新システム上で単に再現するだけの行為に等しく、業務効率化の恩恵は一切得られません。真のデジタルトランスフォーメーションを実現するには、システム導入を契機として業務プロセスを標準化し、「Fit to Standard(標準機能への業務適合)」のアプローチを徹底する覚悟が必要です。現状のやり方に固執することは、クラウドERPが提供するベストプラクティスを放棄することを意味します。

海外拠点を含めた業務・システム要件を整理できていない

グローバル展開を進める企業において、本社単体の要件だけでERPを選定・導入してしまうと、後々大きな壁にぶつかります。海外の現地法人や製造拠点には、現地の商習慣、各国の異なる会計基準、複雑な税制といった独自の要件が存在するからです。

これらを考慮せずに日本国内特化型のシステム導入を進めると、結局は海外拠点にシステムを展開できず、現地のローカルシステム(小規模な会計ソフトやスプレッドシート)と手作業による二重入力が発生してしまいます。海外拠点の業績データが本社に届くまでに多大なタイムラグが生じ、為替換算の手作業によるエラーも誘発されます。結果として、グローバル全体でのガバナンス強化やリアルタイムな経営状況の把握、ひいては迅速な連結決算の実施という目的を達成できなくなります。

既存システムやデータが分断されたままになっている

ERP導入の理想は全業務を単一のシステムに統合することですが、現実のプロジェクトでは「業界特有の専門システムは残し、財務会計だけを新しいERPにする」「会計は既存のシステムを利用し、販売・在庫管理にNetSuiteを導入する」といったように、自社の強みを活かすために戦略的にシステムを分けるケースも少なくありません。しかし、ここで失敗の要因となるのは、システムを分けること自体ではなく「データ連携の仕組みが欠如し、分断が放置されたままになっている」ことです。

このようなサイロ化された状態を放置すると、システム間でデータの不整合が起きたり、データの受け渡しのためにCSVの手動エクスポート・インポートや二重入力が必要になったりします。これでは、受注から入金(Order-to-Cash)、調達から支払い(Procure-to-Pay)といった一連のビジネスプロセスが途絶えてしまい、データの一元管理による抜本的な業務効率化の実現は不可能です。複数のシステムを併用する場合は、API連携などを活用してデータがシームレスに流通する仕組みをあわせて構築しなければ、経営指標のリアルタイムな更新は望めず、データドリブン経営の基盤としての役割を果たすことはできません。

導入後の運用・定着まで見据えていない

システムが本番稼働した日をゴールと考えてしまうのも、よくある失敗です。ERP導入は、稼働してからが本当のスタートと言えます。JUASの調査データが示すように、利用ユーザーへの教育不足はシステム導入失敗の主要因として常に上位に位置しています。

新しいシステムに変わることは、現場のユーザーにとってこれまでの業務習慣を覆す大きな変化やストレスを伴います。導入後のマニュアル整備や継続的なトレーニングなど、定着に向けた計画が欠如していると、現場の抵抗にあってシステムの価値を引き出すことはできません。エラーの対処法がわからない、入力が面倒になったという不満が蓄積すると、ユーザーは次第にシステム外のExcelで業務を処理するようになり、ERPは単なるデータの保管庫へと形骸化してしまいます。こうした事態を防ぎ、現場が自律的にシステムを使いこなせる体制が不可欠であり、これが経営管理システムとしてのグローバルERPに熱視線が注がれる最大の理由です。


ERP導入を成功させるために導入前に整理したいこと

ERP導入を成功させるには、導入前に「解決すべき課題の定義」「現状プロセスの可視化」「中長期的なシステム要件の決定」「運用定着計画の策定」の4つを徹底的に整理することが不可欠です。次に、ERP導入プロジェクトを成功させるために、企業側として具体的にどのようなことを整理し、把握しておくべきかについて詳しく解説します。

ERP導入によって解決したい経営・業務課題を明確にする

まずは、「なぜERPを導入するのか」という目的を経営レベルで明確に定義します。「月次決算の早期化」や「在庫の適正化によるキャッシュフロー改善」など、具体的な経営課題と紐付けることが重要です。さらに、令和5年10月に施行されたインボイス制度や改正電子帳簿保存法といった法令規制への対応など、コンプライアンス上の課題解決も重要な目的となります。また、連結会計における投下資本利益率(ROIC)の可視化による資本効率の最適化といった高度な目標を設定することも有効です

この目的がプロジェクトのブレない軸となります。そして、後のシステム選定や追加開発の要否を判断する際の確固たる基準として機能します。現場から独自のカスタマイズ要望が上がった際にも、「その要件は決算早期化という全社目的に寄与するのか」という問いを立てることで、不要な開発を抑制し、標準機能の活用へと軌道修正を図ることが可能になります。

現在の業務プロセスとシステムの課題を整理する

現状の業務プロセスを棚卸しし、どこに無駄やボトルネックが生じているかを徹底的に可視化します。各部門が抱える課題を洗い出し、「システムで自動化すべき領域」と「業務プロセス自体を見直す領域」を整理します。長年放置されてきた形骸化した承認フローや、誰も活用していないレポート作成業務などを無批判にシステム化するのではなく、それらが「なぜ生まれたのか(過去のミスや特定の状況への対症療法など)」という根本的な原因まで遡り、業務の本質的な存在意義を見直すことが重要です。

現状のやり方に固執せず、業務改革を行う覚悟を持つことが成功の鍵です。標準機能に業務を合わせる意識を持つことが、導入をスムーズに進めるコツとなります。クラウドERPの標準プロセスは、世界中の企業のベストプラクティスが集約されたものであり、これに準拠することで業務水準そのものをグローバルスタンダードに引き上げることができます。

将来の事業拡大や海外展開まで見据えて要件を決める

システムの要件を定義する際は、現在の会社の状況だけでなく、数年後の事業計画を見据える必要があります。新規事業の立ち上げや海外市場への進出など、将来のビジネス環境の変化を予測しましょう。そのためには、柔軟に対応できる拡張性を持ったシステムかどうかを見極めるための要件を整理しておくことが大切です。ここで重要になるのが、「国産ERP」と「グローバルERP」の戦略的な使い分けです。

以下の表は、一般的な国産ERPと代表的なグローバルクラウドERP(例:Oracle NetSuite)の適性を比較したものです。

比較軸国産ERPの一般的な特徴グローバルERP(Oracle NetSuite)の特徴
最適な企業群売上のほぼ100%が国内であり、手形取引など日本独自の複雑な商習慣をシステム上で厳格に維持したい企業複数国に拠点を持ち、標準化されたグローバルプロセスを取り入れて急成長やM&A、迅速な海外展開を推進したい企業
グローバル対応(言語・通貨)多言語・多通貨対応は限定的、またはオプション開発が必要となることが多い27の言語、190種類の通貨(記帳・取引・ローカル)に標準対応。リアルタイムな為替換算機能を搭載
法・税制への対応インボイス制度や電子帳簿保存法など、国内の法改正への対応スピードが迅速世界220を超える国・地域の税務要件をサポート。各国の電子インボイス標準仕様(Peppol等)にも柔軟に対応
多法人・グループ管理拠点ごとに別々の環境を構築することが多く、連結時のデータ統合にバッチ処理等を要するOneWorldアーキテクチャにより、単一のデータモデル上で世界中の子会社をリアルタイムに統合管理可能
会計基準への対応日本の会計基準(J-GAAP)に最適化されている。多帳簿(マルチブック)会計機能を備え、親会社の基準と現地法人のローカルGAAPを同時に自動処理可能

国産ERPは日本の商習慣に極めて高い親和性を持ち、現場の使い勝手を最優先する国内専業企業に非常に向いています。しかし、目先の課題解決にとらわれず、中長期的な視点でグローバル市場への進出や事業の多角化を見据えるのであれば、高い拡張性と多言語・多通貨対応を標準で備えたグローバルERPを選定することが不可欠です。

導入後の運用・定着まで含めて導入計画を立てる

要件定義や開発のスケジュールだけでなく、包括的な導入計画を策定します。ユーザーへの教育期間や、稼働後のサポート体制の構築までを含めることが不可欠です。システムの本番移行直後は、ユーザーが新しい操作に戸惑い、業務効率が一時的に低下する期間(バスタブカーブ)が必ず発生します。この期間をいかに短く乗り切るかが定着化の鍵を握ります。

現場のキーパーソンをプロジェクトの初期段階から巻き込むことも忘れてはいけません。新しいシステムへの移行に対する理解と協力を得るためのコミュニケーション計画も重要になります。トップダウンでの押し付けではなく、システム導入が現場の入力作業をいかに削減し、データ活用の恩恵をもたらすかというビジョンを共有し、組織全体のデジタルリテラシーを底上げしていく取り組みが求められます。


ERP導入は「システム選び」だけでなく「経営基盤づくり」

ERP導入は単なるソフトウェアの選定ではなく、分断された業務プロセスを統合し、リアルタイムな情報共有によるデータドリブン経営を実現する強固な基盤の構築です。次に、ERP導入時のシステム選びの重要性とともに、経営基盤づくりを意識すべき理由について解説します。

ERP導入によって業務とデータをつなぐ

部門ごとに分断されていた業務プロセスをERPという共通のプラットフォーム上でつなぎ合わせます。これにより、組織内でデータが滑らかに流通するようになります。サイロ化された環境では不可能だった、全社を横断するダイナミックなビジネスプロセスの最適化が可能になります。

例えば、営業が受注を入力すれば、即座に在庫が引き当てられ、倉庫へ出荷指示が送られ、同時に会計システムに売上見込のデータが連携されます。この一連の流れにより、大幅な業務効率化とリードタイムの短縮が実現するのです。入力データが関連業務に自動で波及するため、人間による転記作業そのものが消滅し、ヒューマンエラーによるデータの不整合や修正作業に費やされていた膨大な工数が削減されます。

経営に必要な情報を一元化し、意思決定を支える

業務とデータがつながることで、経営層は常に最新の正しい情報(Single Source of Truth)にアクセスできるようになります。売上推移や部門別の利益率といった経営指標を、日次や週次のバッチ処理を待つことなく、リアルタイムに把握できます。経営陣のダッシュボードには、今この瞬間の企業の健康状態が正確に反映されます。

これにより、勘や経験に頼らない、データに基づいた迅速かつ正確な意思決定が可能になります。いわゆるデータドリブン経営の基盤が確立されることになります。さらに、信頼性の高い実績データとAIによる予測シミュレーションを組み合わせることで、市場の変化を先読みしたプロアクティブな投資判断を下すことが可能になります。経営管理の精度は格段に向上し、企業価値の最大化に直結します。

自社の課題に合わせた導入・定着支援が重要

どれほど優れた機能を持つERPパッケージを選んでも、自社の課題を正しく理解していなければ失敗に終わります。自社の状況に合わせた適切な導入アプローチをとることが不可欠です。企業の成熟度や業界固有の商習慣に応じて、段階的な導入(フェーズドアプローチ)を採用すべきか、全社一斉導入(ビッグバンアプローチ)を採用すべきかを見極める必要があります。

また、導入後の現場への定着化こそが投資対効果を決定づけます。組織の課題に深く寄り添い、共に汗をかいてくれる導入パートナーの存在が極めて重要になります。単にシステムを構築して納品するだけでなく、ユーザー企業がシステムを自律的に使いこなし、業務改善のサイクルを回せるようになるまで継続的に支援を提供するパートナーを選ぶことが、ERP導入を「成功した経営基盤づくり」へと昇華させます。変化し続ける国際的なビジネス環境において、柔軟かつ俊敏な事業拡大を力強く支えます。

【導入事例】経験駆動からデータ駆動へ!欧米で躍進するECブランドが「わずか8ヶ月」で実現したNetSuiteへの一元化ストーリー


Shearwater JapanのERP導入支援

Shearwater Japanは、企業ごとの課題に寄り添ったコンサルティングから、グローバル要件を満たすシステム構築、そして独自の定着化支援に至るまで、NetSuite導入を一貫してサポートする専門家集団です。最後に、弊社がどのような形でERPの導入を成功させ続けてきたのか、弊社を選ぶべき理由についてお話します。

企業ごとの業務課題を踏まえたERP導入

私たちは、単にシステムを構築するだけのベンダーではありません。導入前のコンサルティングフェーズに重きを置き、お客様の経営課題を深くヒアリングします。14年以上にわたりアジア市場で企業の財務自動化とワークフロー統合を支援してきた実績を活かし、複雑な既存業務を紐解き、標準機能に合わせるべき部分と独自に対応すべき部分を精査します。その上で、企業ごとの実情に沿った最適な導入アプローチをご提案します

Shearwater Japanの圧倒的な強みは、これまでの豊富な導入経験を通じて、各業界向けの独自のテンプレートやベストプラクティスを蓄積している点にあります。これにより、お客様の複雑な要件に対してもゼロから構築する手間を省き、高品質かつスピーディーな早期導入を可能にしています。また、業界特化型のベストプラクティスが事前構成された「SuiteSuccess」を活用したアプローチにも対応しており、必要に応じて導入直後から価値あるダッシュボードやKPIを引き出せる柔軟な手法をご提案します。

海外展開や多拠点経営を見据えたシステム構築

グローバル展開を進める企業様向けのERP導入において、多言語・多通貨対応の豊富な実績があります。日本国内だけでなく、シンガポール、中国、台湾、マレーシアに自社の海外拠点を保有するアジア最大級のクラウドコンサルタントチームであるShearwaterグループは、現地の商習慣を熟知した専門家による直接的なサポートを提供できます。   

各国の法制度や税制に配慮したシステム構築も得意としています。NetSuiteの「OneWorld」アーキテクチャを活用し、親会社と子会社の異なる会計基準を同時に満たすマルチブック(多帳簿)機能や、各国の電子インボイス標準要件(Peppolなど)に即座に対応する基盤を構築します。本社と海外拠点間のデータ連携をスムーズにし、グローバル全体の経営状況をリアルタイムに可視化します。多拠点経営を強力にサポートする基盤をご提供します。   

導入後の定着・活用まで伴走する支援体制

システムの稼働はゴールではなくスタート地点に過ぎません。現場のユーザーがシステムを使いこなし、実際に業務効率化の効果を実感できるまでサポートします。Shearwater Japanでは、導入したシステムが形骸化するのを防ぎ、真に組織へ浸透させるための独自の「NetSuite定着化支援サービス」を提供しています。   

きめ細やかなトレーニングや運用サポートを通じ、システム定着までお客様と伴走します。特定の担当者だけに知識が集中する「属人化」のリスクを徹底的に排除し、「チームとして組織的に使いこなせる状態」を構築するために、以下の3つの実践的なトレーニングレベルを用意しています。   

  1. 現場活用トレーニング: 日常業務を行う現場担当者を対象に、「保存検索(Saved Search)」を用いた複雑な条件抽出や、「SuiteAnalytics」によるドラッグ&ドロップでの高度なグラフ作成・KPIモニタリングの手法をノーコードで指導します。さらに、「計算式(Formula)」を用いて独自の警告表示やインセンティブの自動計算を実装するスキルを移転し、現場主導での業務効率化を実現します。   
  2. 管理者トレーニング: IT部門やキーパーソン向けに、セキュリティ管理や軽微なカスタマイズ、承認フローの設定などを自社内で完結できる体制構築を支援します。   
  3. NetSuite IT部門向け高度トレーニング: ベンダーへの依存度を下げ、NetSuiteのシステム構造に基づいた自律的な開発・改善サイクルを社内で確立するスキルを養います。   

これらのトレーニングは、お客様の実環境(サンドボックス等)を用いてリモートまたはオンサイトで実施され、実務に直結した学びを提供します。さらに、社内のITリソース不足に悩む企業に対しては、月次固定時間制での実務運用代行サービスも提供しており、チェンジマネジメントを含めた強力な支援体制を整えています。クラウドERPの真価を引き出し、持続的な成長を牽引する経営基盤を構築するなら、ぜひShearwater Japanにご相談ください。   


Oracle NetSuiteの導入は、Shearwater Japanにお任せください!

Shearwater Japan株式会社は、アジアNo.1の NetSuiteパートナーです。
2012年の設立以来、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国の各地域のクライアントと、Oracle NetSuite(https://www.netsuite.co.jp)、Workday Adaptive Planning(https://www.workday.com)、Workato(https://workato.jp)などの導入パートナー企業として、共に急成長を遂げてきました。
プロジェクト管理、コンサルティング、開発、他システムとの連携等を全てワンストップサービスで提供でき、自社海外拠点(中国、シンガポール、台湾、マレーシア)があるため海外展開先でも手厚いサポートに実績がございます。

1分30秒でわかる「NetSuite」

クラウドソリューションの導入にお悩みであれば、是非ともこの機会にご相談、お問い合わせください。

また 当社では 現在、一緒に働くスタッフを募集していますので、 Shearwater Japan で働きたいとお考えの方は是非とも採用・キャリアのページからご応募ください!

<参考情報FP&A PBR netsuite erp

1. NetsSuite導入インタビュー Tableau IFRS

2. NetSuiteと他社のERPの違いを解説

https://netsuite1.sw-lp.com/

DXを実現するクラウドソリューションについてはこちら

国産ERPと何が違う?海外拠点を持つ企業に「グローバルERP」が必要な本当の理由

はじめに:国産システムの延長では越えられない、海外拠点管理の壁

海外展開を進める企業において、「国内で使い慣れた国産ERPをそのまま海外拠点にも展開したい」、あるいは「現地の安価な会計ソフトでとりあえず済ませたい」と考えるケースは少なくありません。しかし、いざ運用を始めてみると、多通貨・多言語への対応や現地の法規制、複雑な連結決算の壁に直面し、結果として拠点ごとにシステムが分断(サイロ化)されてしまう企業が後を絶ちません。

特に、地政学リスクの顕在化や円安の定着、グローバルサプライチェーンの抜本的な再編が急務となる昨今、こうしたシステム環境の分断は単なる現場の業務非効率にとどまらず、コンプライアンス違反や重大な機会損失を引き起こす経営リスクへと発展しつつあります。

その解決策として、既存の国産システムやExcel管理からの脱却を図る先進企業から強力な支持を集めているのが「グローバルERP」を中心としたクラウド型の経営管理システムです。

本記事では、海外拠点を統括するシステム担当者や経営企画部門の方に向けて、一般的な国産ERPとグローバルERPの決定的な違いや、今グローバルERPが必要とされる「本当の理由」を網羅的に解説します。さらに、クラウドERPの世界的なデファクトスタンダードである「Oracle NetSuite」の優位性と、そのポテンシャルを極限まで引き出すShearwater Japanの伴走支援の価値について、具体的な導入事例や最新のトレンドを交えて深掘りします。

オンプレからクラウド移行への最適解〜IT・DX担当者が知るべきクラウドERP導入とERP移行の成功戦略〜



グローバルERPとは

はじめに、そもそも「グローバルERP」とは何か、国内市場に特化した一般的な国産ERPとの構造的な違い、多国籍企業に求められる機能要件、そして昨今の市場でこれほどまでにグローバルERPが注目される背景について、最新のデータと独自の視点から詳しく解説します。

一般的なERPとの違い

国内向けの一般的な国産ERPは、原則として単一国(日本)の商習慣、単一通貨(日本円)、単一言語(日本語)での利用を前提にアーキテクチャが設計されています。日本のきめ細やかな業務プロセスや独自の複雑な帳票要件、特有の商習慣(手形決済や複雑なリベート処理など)に深く適合できる強みを持つ一方で、海外拠点のデータを扱う際には、手作業での為替補正、別システムでのデータ変換、あるいは高額なアドオン開発による無理なシステム連携が必要になります。

一方でグローバルERPは、設計の初期段階から「複数国・複数法人・複数通貨を横断して一元管理すること」を前提としたデータモデルで構築されています。言語や通貨、各国の会計基準の違いを同一基盤上でシームレスに吸収できる点が最も決定的な違いです。以下の表は、一般的な国産ERPとグローバルERP(例:Oracle NetSuite)の特性を比較したものです。

比較項目一般的な国産ERPグローバルERP(例:Oracle NetSuite)
最適な企業群売上のほぼ100%が国内であり、日本独自の複雑な業務フローをシステム上で厳格に再現・維持したい企業。複数国に拠点を持ち、グローバル標準のプロセスを取り入れて急成長やM&A、迅速な海外展開を推進したい企業。
言語・通貨対応日本語・日本円中心。多言語化には多額の追加開発費や別パッケージの導入が必要となることが多い。190種類の通貨(記帳通貨、取引通貨、ローカル通貨)、27の言語に標準で対応。リアルタイムでの為替換算機能を標準搭載
対応国数・法制度日本国内の法制度には強いが、海外現地の税制や電子インボイスには別途ローカルシステムの導入が必要。220を超える国や地域のビジネス要件・税務要件をサポート。SuiteTax等のエンジンで各国の要件に柔軟に対応
アーキテクチャ拠点ごとに個別のインスタンス(環境)を立ち上げ、後からバッチ処理等で本社へデータを連携する仕組みが多い。単一のデータモデル(OneWorldアーキテクチャ)上で、親会社から子会社まで全レイヤーのデータをリアルタイムに統合
展開スピード新規海外拠点の設立時に、一から要件定義とインフラ構築を行うため、長期間(数年単位)を要することがある。クラウド基盤であるため、新たな子会社が設立されても標準設定の複製(ロールアウト)のみで迅速な展開が可能

国産ERPは「日本の商習慣を極める」という点においては非常に優れており、国内事業に特化した企業にとっては最良の選択肢となり得ます。しかし、国境を越えたスケーラビリティにおいてはアーキテクチャの限界が存在します。多国籍展開を目指す企業や、海外子会社を迅速に立ち上げる必要がある企業には、初めからボーダーレスな設計思想を持つグローバルERPが圧倒的に向いていると言えます。

グローバルERPに求められる機能

真の経営管理ERPとして機能するためには、単なる画面の翻訳機能にとどまらない、より高度で動的なグローバル対応要件が求められます。

第一に、現地スタッフが母国語で直感的に利用できる「多言語UI表示」と、取引発生時の為替レートで自動計算を行う「リアルタイム為替換算機能」が必須です。さらに、親会社の基準(例:J-GAAPやIFRS)と各国の現地基準(ローカルGAAP)を同時に満たすための「多帳簿(マルチブック)会計機能」が求められます。これにより、現地の税務申告と本社の連結決算という2つの異なる目的を、単一の取引データ入力から同時に自動処理することが可能になります。

第二に、各国の複雑な税制への対応力です。グローバルERPには、各国の最新の税率や電子インボイス制度に標準機能で適応できる柔軟性が欠かせません。例えば、グローバルでの電子インボイス標準仕様である「Peppol(ペポル)」や、各国のCTC(継続的取引管理)要件に対し、設定可能な税務エンジン(NetSuiteのSuiteTaxなど)や外部連携ソリューション(Avalaraなど)を介して即座に適応できるエコシステムが不可欠です。

最後に、不正防止や内部統制(コンプライアンス)を担保するための、極めて詳細なアクセス権限設定(ロールベースのアクセス制御)と、改ざん不可能な監査証跡機能です。これらが揃って初めて、本社から遠く離れた海外拠点においても、堅牢なガバナンス体制を維持することが可能になります。

グローバルERPが注目される背景

グローバルERPに対する投資熱が高まっている背景には、かつてないスピードで変化する国際経済環境と、企業に求められるレジリエンス(回復力)の重要性の高まりがあります。

日本貿易振興機構(ジェトロ)が発表した「2025年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」によると、回答企業の7割超(72.1%)が地政学リスクの高まりによる事業への影響、またはその懸念を強く認識しています。具体的には「米中関係・米中対立(68.3%)」や「米国の追加関税(51.5%)」が重大なリスクとして挙げられており、リスクヘッジのためにサプライチェーンを特定の国から分散・移管(中国からASEANやEU、米国へのシフト等)させる動きが加速しています。このようなサプライチェーンの動的かつ急速な再編において、各拠点ごとのサイロ化された個別システムでは、新たな拠点設立や統廃合にシステムが追従できず、情報共有に致命的なタイムラグが生じます。

参考:日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(2025年12月)

また、同調査では、海外ビジネスを担う人材について85.2%の企業が「不足している・確保できていない」と回答しています。慢性的なグローバルIT人材・管理人材の不足を補うためには、システムによる業務の徹底的な標準化と自動化が不可避です。変化の激しい国際市場を生き抜き、限られた人的リソースで最大限のパフォーマンスを発揮するためには、正確なデータを本国主導で即座に分析・アクションに繋げられる体制が不可欠であり、これが経営管理システムとしてのグローバルERPに熱視線が注がれる最大の理由です。


海外展開企業で実際によくある経営課題

弊社がNetsuiteの導入支援の中で海外の業務現場(営業、SCM、経理部門)の方々へヒアリングを行うと、システムが統合されていないことによる弊害は非常に生々しく、深刻な業務負荷を引き起こしていることが多々あります。次に、現場が直面している海外拠点管理のリアルな課題について、現場目線で詳しく解説していきます。

海外拠点ごとにデータが分散し、経営状況を把握しづらい

経済産業省の「海外事業活動基本調査」などからも読み取れるように、日本企業(特に中堅・中小企業)の海外現地法人の保有数は増加傾向にありますが、その管理手法は依然としてレガシーな状態に留まっているケースが散見されます。

最も典型的な課題は、海外拠点ごとにExcelファイルやスタンドアロンの安価な会計ソフトが乱立し、データが分散(サイロ化)している状態です。販売・在庫・会計システムが分断されているため、部門間でのデータの転記や二重入力・三重入力が常態化しています。月末になると、各拠点から送られてくるフォーマットの異なるExcelファイルを本社の担当者が「バケツリレー」のように手作業で集計・加工しており、結果として経営層が最新の業績を把握するまでに数週間のタイムラグが生じています。こうしたデータの断絶は、システム間の在庫数量のズレによる予期せぬ欠品や、過剰発注によるキャッシュフローの悪化など、経営の根幹を揺るがす事態を招きかねません。

課題領域レガシー環境・サイロ化環境における現状のリスク
データ連携Excelファイルのリレーによる集計遅延、ファイルの破損リスク、マクロへの過度な依存
業務プロセス部門間での二重入力・三重入力による工数増大、転記ミスによる在庫不整合と販売機会の喪失

多通貨・多言語・各国制度への対応が煩雑になる

海外展開では、現地の言語や通貨に応じた取引処理と為替リスク管理が常に発生します。これらを個別システムや手動で処理しようとすると、計算ミスや業務の属人化が避けられません。手作業による為替換算ミスは、財務諸表の信頼性を根底から揺るがすヒューマンエラーを引き起こします。

さらに、各国で頻繁に行われる法改正や税率変更へ個別に対応することは大きな運用負担となります。例えば、日本におけるインボイス制度や改正電子帳簿保存法への対応だけでなく、欧州のVAT(付加価値税)ルールの変更、マレーシアをはじめとする東南アジア各国で導入が進む独自のe-Invoicing(電子インボイス)要件など、現地法人は常にコンプライアンスの波にさらされています。制度改定のたびに各拠点のローカルシステムの改修が必要となり、維持コストが大幅に膨らむだけでなく、対応に追われる現地の経理担当者が疲弊してしまうという悪循環に陥ります

連結決算や経営管理に時間がかかる

各拠点のデータ集計ルールや勘定科目の体系が異なると、グループ全体の連結決算作業に多大な手間と時間が費やされます。日本の親会社と現地の経理スタッフとの連携が難しく、海外子会社の決算書に不備が発覚するたびにデータの収集や修正のやり取りが発生し、月次や四半期の決算確定が大幅に遅延します

さらに昨今、多国籍企業に甚大な影響を与えているのが「BEPS(税源浸食と利益移転)第2の柱(Pillar Two)」、いわゆるグローバル・ミニマム課税の導入です。売上7.5億ユーロ以上の多国籍企業に対し各国で最低15%の税負担を確保するこの制度は、極めて複雑な税務計算と短期間での多膨大なデータ集計を要求します。手作業やExcelベースの集計ではヒューマンエラーや申告遅延のリスクが高すぎ、ERPや連結会計システムの抜本的な仕様変更が急務となっています。決算処理や税務申告の遅れは、経営陣が最新の財務状況に基づいて意思決定を行う機会を奪い、事業の採算性評価や予算配分の判断が後手に回り、経営戦略の実行スピードを致命的に低下させます。

海外拠点ごとに異なる業務プロセスでガバナンスが効きにくい

拠点ごとに承認フローや購買プロセスがバラバラであると、本社の統制(ガバナンス)が現場まで行き届きません。特にJ-SOX(内部統制報告制度)対応において、「海外子会社を含めた統制が不十分である」「評価作業が属人化し、文書化されたルールと実際の業務フローが著しく乖離している」といった課題を抱える企業は少なくありません

現地任せの不透明な業務運用は、いわゆる「不正のトライアングル(機会・動機・正当化)」のうち、システム外での承認プロセスや属人化による「機会」を極大化させます。架空発注や在庫の滞留、不正な経費計上といったリスクを早期に検知できなくなり、グループ全体の内部統制における重大な脆弱性につながります。また、特定の担当者が退職すると業務が完全にストップする「キーマンリスク」を抱えることにもなります。コンプライアンス違反による企業価値の毀損を防ぐためにも、グローバルで標準化されたプロセスのシステム的な強制・徹底が強く求められます。


グローバルERPで実現できる経営基盤とは

上述した深刻な経営課題を打破するため、グローバルERP(特にクラウドネイティブなERP)を導入することで、具体的にどのような経営基盤が実現できるのか、どのような可能性を秘めているのかを詳しく解説します。

世界中の拠点データをリアルタイムで一元管理できる

グローバルERPを導入すると、国内外の全拠点における財務や販売、購買、在庫データが単一のクラウド基盤に統合されます。本社から世界中の拠点の最新データを即座に、かつドリルダウン(掘り下げ)して参照できるようになり、情報の透明性が飛躍的に高まります。

例えばOracle NetSuiteの「OneWorld」アーキテクチャでは、ダッシュボード上でグループ全体の売上高、利益率、在庫回転率などのKPIをリアルタイムに把握でき、状況に応じた迅速な指示出しが可能です。特定拠点での在庫不足に対して他国拠点から在庫を融通するといった、サイロ化された環境では不可能だったダイナミックな供給網の最適化が可能となり、拠点の垣根を越えた迅速なデータドリブン経営が実現します。

【動画】国境を超えるサイロ化Excel問題。脱却のためのERP最適解とは?(bizplayにて紹介いただいた映像です)

連結決算や経営管理を効率化できる

各拠点の取引データが入力された瞬間に、自動的に親会社の通貨へ統一フォーマットとして変換されるため、決算作業の負担が大幅に軽減されます。手作業での収集や照合が不要となり、グループ全体の決算早期化を容易に達成できます。

さらに最新のクラウドERPでは、決算業務を高度化するAI(人工知能)テクノロジーの実装が急速に進んでいます。Oracle NetSuiteは、2025年から2026年にかけて次世代基盤「NetSuite Next」を中心としたAI新機能(Text AssistやSuiteAnalyticsのAI拡張など)を過去にないペースで投入しています。これにより、異常値の自動検知や、膨大な財務データに基づく高度な予測シミュレーションが可能となり、経営管理システムの精度が格段に向上します。信頼性の高い数値とAIによるインサイトに基づくことで、経営陣は的確な投資判断をタイムリーに下せるようになります。

グローバルで統一した業務プロセスを構築できる

調達から受注、出荷、会計に至る一連の流れに「リーディング・プラクティス(業界をリードする3,000時間を超えるベストプラクティス)」の標準テンプレートを適用し、全社的な業務統一を実現します。業務の属人化が解消され、グループ全体で安定したオペレーション体制を維持できます。

システムによって承認フローが強制されるため、基準を満たさない取引や権限外の購買はシステム上で自動的にブロックされます。標準化された業務フローと、いつ・誰が・何を変更したかを記録する完全な監査証跡により、不正の防止や監査対応(J-SOX評価など)が極めてスムーズになり、ガバナンスが強化されます。統制の取れた基盤を築くことで、コンプライアンスリスクを最小限に抑えられます。

将来の事業拡大にも柔軟に対応できる

クラウド型のグローバルERPは優れたスケーラビリティ(拡張性)を備えており、新規拠点の開設や海外展開の加速にも迅速に適応します。標準化された設定を複製して展開できるため、オンプレミス型のように一からサーバーを構築するのに比べ、システム導入にかかる期間とコストを大幅に削減できます

また、M&Aによって新たな子会社がグループに加わった際も、スムーズな経営統合とシステム統合が可能です。近年では、親会社には既存の重厚なERP(例:SAP等)を残したまま、機動性が求められる海外子会社群にはクラウド型のグローバルERP(NetSuite等)を導入してデータを連携させる「2層ERP(2-Tier ERP)戦略」を採用する企業も増えています。これにより、変化し続ける国際的なビジネス環境において、柔軟かつ俊敏な事業拡大を力強く支えます。

【2層ERP事例/JVCケンウッド様】AI時代に勝つグローバル経営の条件:海外拠点の「見えない経営」からの脱却。


グローバルERP導入を成功させるポイント

次に、グローバルERP導入を検討した場合、成功させるためには何が必要か、最大限の効率化と投資対効果(ROI)を引き出すために必要な考え方について解説します。

自社のグローバル戦略に合ったERPを選定する

自社の拠点規模や事業特性、そして中長期的な成長ビジョンを考慮し、最適なシステム構成のERPを選定することが重要です。全拠点を単一基盤で統一するか、規模に応じて前述の2層構造(2-Tier)で連携させるかといった検討が求められます。

ここで強く推奨されるのが、SaaS(Software as a Service)型の「クラウドネイティブなグローバルERP」の選定です。インフラの自社管理が不要であり、法改正や税制変更に伴うバージョンアップがクラウド側で自動で行われるため、IT専任者が不足しがちな海外拠点でも負担なく運用できます。将来的な展開計画やIT予算と照らし合わせながら、自社の成長方針に最も適した仕組みを見極めます。戦略に合致した製品を選ぶことが、システム投資の効果を最大化させるための第一歩です。

海外拠点の業務要件を整理する

本社の業務プロセスや過剰な管理要求を無理に押し付けるだけでは、現地の文化や商習慣との乖離が生じてシステムが形骸化を招く恐れがあります。グループで絶対に統一すべき「標準機能(コア・ガバナンス)」と、現地特有の要件(ローカル税制など)として認める範囲を明確に切り分けることが肝要です。

現地の商習慣や法制度を丁寧にヒアリングし、パッケージの標準機能に業務を合わせる「Fit to Standard(標準への準拠)」のアプローチを基本としつつ、Fit & Gap分析を綿密に行う必要があります。現場の担当者と十分にすり合わせを行いながら、双方が納得できる業務フローを設計し、無駄なカスタマイズ開発を徹底的に排除することが成功の秘訣です。

導入後の定着・活用まで見据えて計画する

システムは本番稼働させて完了ではなく、現地の現場スタッフに正しく使い続けられ、データが蓄積されて初めて価値を発揮します。現地スタッフ向けの多言語マニュアルを整備し、実践的なトレーニング計画を策定することが不可欠です。

特に海外拠点では人材の流動性が高いため、特定の担当者だけがシステムを操作できる状態(属人化)は事業継続リスクに直結します。稼働初期の問い合わせ対応や運用サポート体制を事前に整えておくことで、混乱を未然に防ぎます。継続的な活用支援を行うことが、システムの形骸化を防ぎ導入成果を定着させる鍵となります。


Shearwater JapanがグローバルERP導入で提供できる価値

クラウド型グローバルERPのデファクトスタンダードである「Oracle NetSuite」を選定した場合、そのポテンシャルを極限まで引き出し、日本企業のグローバル戦略を技術・業務の両面から支える最適なパートナーが「Shearwater Japan(シァーウォーター・ジャパン)」です。最後に、弊社がグローバルERP導入の成功に向けて提供できる具体的な強みや、他社とは一線を画すサポート価値についてご紹介します。

海外展開企業に特化した導入コンサルティング

Shearwater Japanは、海外拠点を持つ日系企業の基幹システム構築において15年以上の豊富な実績を有し、アジア地域(日本、中国、シンガポール、タイ、ベトナム等)を中心にグループ全体で350件以上のクラウドERP導入を成功に導いてきたアジア最大級のDXコンサルタント会社です。Oracle社から「Partner of the Year」を受賞するなど、世界トップクラスの認定パートナーとして高い評価を得ています。

弊社の最大の強みは、日本語に加え、英語、中国語などの多言語・多通貨・海外案件に直接対応できるグローバルコンサルタントチームを擁している点です。日本本社の経営方針を深く理解したうえで、言語やタイムゾーン、文化の異なる海外拠点とのタフな調整をスムーズに進めるノウハウを蓄積しています。

例えば、世界展開を加速するファッション大手の株式会社アンドエスティHD様の東南アジア(タイ・バンコク)旗艦店立ち上げプロジェクトにおいては、従来1年以上かかっていたコアシステム構築を、現地のITベンダー(POS)とのシームレスな連携を含め、わずか3か月という圧倒的なスピードで稼働させることに成功しました。
また、急成長を遂げるクロスボーダーD2Cブランド「小鹿奔奔(Xiaolu Benben)」様においては、フロントエンドの数十ものECプラットフォームとバックエンドの業務データを統合し、わずか8ヶ月でERPの一元化を達成しました。多国籍な導入環境特有の課題を解消し、プロジェクトを計画通りに成功へと導きます。

画像:アンドエスティHD様香港旗艦店

【事例】株式会社アンドエスティHD様(導入時社名:アダストリア様)
【事例】小鹿奔奔(Xiaolu Benben)様

各国の商習慣・税制を踏まえたシステム設計

アジアや欧米をはじめとする主要各国の税制やインボイス制度(Peppol等)、電子帳簿などの法規制に精通しています。過度なカスタマイズを避けつつ、現地の法的要件を確実に満たすシステムアーキテクチャを設計します。

さらに弊社では、NetSuiteの標準機能を補完・拡張するエコシステムを豊富に持っています。他社にはない具体的なサービス内容として、以下のような強力なソリューションを提供しています。

拡張ソリューション・サービス提供価値と特徴
Oracle NetSuite Add-on高度な倉庫管理を実現する「YunKe Global WMS」や、各国の金融機関データとERPを統合し残高照合を自動化する「Bank With ERP」など、日本の商習慣や現地要件に合わせた独自のアドオンを提供。
@Tovas 連携(AI-OCR)取引先がFAX等のアナログ環境でも、AI-OCRで自動データ化しNetSuiteへ還流。自社の自動化を止めない「相手を選ばないDX」を実現
Kyriba 連携(資金管理)グローバルでの資金可視化とインハウスバンキングを実現。海外拠点の資金ブラックボックスを解消し、資本効率を最大化
Workday Adaptive PlanningNetSuiteの実績データに基づく高度な予算管理・複数シナリオ分析(EPM)を実現
Workato / Celigo (iPaaS)SalesforceやZendeskなどのCRMで作成された注文データを、リアルタイムでNetSuiteへ自動連携させる高度なワークフロー自動化を実現。

現地の商習慣とグローバル標準のバランスを適切に考慮し、効率的な業務プロセスの構築を支援します。法令違反リスクを徹底的に排除しながら、実用性と拡張性の高いシステム環境を提供します。

導入後の定着・活用まで伴走支援

システムの要件定義や構築作業にとどまらず、稼働後の運用サポートまで一貫して支援します。弊社が提供する「NetSuite定着化支援サービス(Adoption Support Service)」では、現地ユーザーへのきめ細やかなトレーニングを多言語で実施し、現場での早期定着を強力に後押しします

特定の担当者だけに知識が集中する「属人化」のリスクに配慮し、「使える人が1人いる」状態から「チームとして使いこなせる」状態を目指します。前述の小鹿奔奔様の事例では、弊社コンサルタントと現場のキーユーザーが二人三脚で密に連携しながらデータ標準化に取り組み、稼働後にはプロジェクトメンバー全員がNetSuiteの認定試験に合格するという劇的な組織変革をもたらしました。これにより、経験駆動の粗放な管理から、データ駆動型(データドリブン)の精緻な経営へと生まれ変わりました。

また、すでにNetSuiteをご利用中で、組織変更に伴う設定変更や権限管理など、社内ITリソースの不足にお悩みの企業様向けに、月次固定時間制で実務運用を代行する運用支援サービスも提供しています。1週間要していた組織変更対応がわずか2時間で完了するなど、多大な業務負担の軽減を実現しています。事業の拡大に伴う機能追加や拠点追加にも柔軟に対応し、長期的なパートナーとして寄り添います。導入したERPが真の経営管理基盤として機能し続けるよう、継続的な伴走支援を提供します。

【保守サポート事例】上場化粧品企業様

グローバル展開や経営管理システムの統合に関する課題をお持ちの企業様は、アジア最大級の知見を持つShearwater Japanのエキスパートまで、ぜひお気軽にご相談・デモをご依頼ください。貴社のグローバル成長戦略を、世界最高峰のテクノロジーと確かな実行力で実現へと導きます。


Oracle NetSuiteの導入は、Shearwater Japanにお任せください!

Shearwater Japan株式会社は、アジアNo.1の NetSuiteパートナーです。
2012年の設立以来、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国の各地域のクライアントと、Oracle NetSuite(https://www.netsuite.co.jp)、Workday Adaptive Planning(https://www.workday.com)、Workato(https://workato.jp)などの導入パートナー企業として、共に急成長を遂げてきました。
プロジェクト管理、コンサルティング、開発、他システムとの連携等を全てワンストップサービスで提供でき、自社海外拠点(中国、シンガポール、台湾、マレーシア)があるため海外展開先でも手厚いサポートに実績がございます。

1分30秒でわかる「NetSuite」

クラウドソリューションの導入にお悩みであれば、是非ともこの機会にご相談、お問い合わせください。

また 当社では 現在、一緒に働くスタッフを募集していますので、 Shearwater Japan で働きたいとお考えの方は是非とも採用・キャリアのページからご応募ください!

<参考情報FP&A PBR netsuite erp

1. NetsSuite導入インタビュー Tableau IFRS

2. NetSuiteと他社のERPの違いを解説

https://netsuite1.sw-lp.com/

DXを実現するクラウドソリューションについてはこちら

海外拠点管理を成功に導くクラウドERP導入のポイント|グローバルERP選定とオンプレ移行戦略

はじめに:システム担当者が直面する海外拠点管理の壁

昨今のビジネス環境において、海外展開を進める企業を中心に、企業活動の根幹となるデータ基盤「クラウドERP」の導入が急速に加速しています。特に、長年にわたり国内本社で稼働してきたレガシーシステムが老朽化を迎え、「オンプレ クラウド移行」が急務となる中、単なるITインフラの刷新にとどまらない戦略的なシステム投資が求められています。

システムを選定する際、システム担当者やIT部門のリーダーは、現在の国内業務の効率化のみを焦点に当てがちです。しかし、真に競争力のあるIT基盤を構築するためには、海外拠点の透過的な管理、グローバル・サプライチェーンの可視化、さらには将来のM&Aを含むグローバルな事業拡大までを見据えたアーキテクチャの検討が不可欠です。

本記事では、海外展開企業が直面しやすい「現場のリアルな課題」を深掘りしながら、クラウドERPを導入する際に押さえておきたい選定のポイントを解説します。また、数あるクラウドERPの中でなぜ「グローバルERP」が選ばれるのか、そしてそのデファクトスタンダードである「Oracle NetSuite」の導入において、数多くの実績を誇る私たちShearwater Japanがどのようにお客様のビジネスをご支援できるのかについて、最新の法規制やデジタルトランスフォーメーション(DX)のトレンドを交えながら詳しくご紹介します。

オンプレからクラウド移行への最適解〜IT・DX担当者が知るべきクラウドERP導入とERP移行の成功戦略〜


目次


海外展開企業でERP導入が求められる背景

日本国内の市場成熟と少子高齢化に伴い、企業規模を問わず海外進出は不可欠な成長エンジンとなっています。こうした事業環境の激変に伴い、海外展開企業においてクラウドERPの導入が急務とされている背景には、マクロ経済の動向とITガバナンスの要求が複雑に絡み合った複数の要因が存在します。

海外拠点の増加により管理が複雑化している

ビジネスのグローバル化に伴い、アジア圏を中心とした海外拠点が次々と増加し、多国籍企業におけるサプライチェーンはかつてないほど複雑化しています。経済産業省が長年実施してきた「海外事業活動基本調査」および「海外現地法人四半期調査」といった政府統計においても、日本企業の海外事業活動は動態的かつ多角的に拡大を続けてきました。特筆すべきは、経済産業省がこれらの海外向け調査を、国内向けの「経済産業省企業活動基本調査」へと統合する方針をとった点です。これは、国という枠組みを超えて「グローバル全体で一つの企業活動としてデータを一元把握する」という、現代の企業経営のあるべき姿を政府統計自体が反映した結果と言えます。

企業内部においても同様のパラダイムシフトが起きています。各海外拠点の状況を本社から正確に把握することが難しくなる中、これまでの古いオンプレミス型のシステムや拠点ごとに導入された局所的なシステムでは、複雑化する管理体制に対応しきれません。保守部品の枯渇や技術者の退職によるブラックボックス化のリスクも重なり、物理サーバーの制約を受けないクラウド環境への「オンプレ クラウド移行」が、事業継続計画(BCP)の観点からも急務となっているのです。

参考:海外事業活動基本調査

経営判断に必要なデータがリアルタイムで把握できない

海外法人からデータが上がってくるまでに、数週間から1ヶ月の遅れが生じるケースが少なくありません。現地の経理担当者がローカルの会計ソフトからデータを抽出し、Excelで加工し、それを本社にメールで送付して本社の担当者が連結システムに入力する、といったいわゆる「バケツリレー」方式のデータ連携が横行しているためです。

これでは変化の激しい市場環境において、迅速な対応をとることが不可能です。為替の急激な変動、突発的な地政学的リスクによるサプライチェーンの寸断、あるいは特定地域での急激な需要増減に対し、スピーディーで正確な経営判断を下すためには、拠点間のタイムラグをなくす仕組みが必要です。世界中の最新データを、経営層が日本のオフィスにいながらいつでも確認できる「リアルタイム経営」の環境が強く求められています。

グローバルで統一した業務・システム運用が求められている

拠点ごとに最適化されたバラバラのシステム(サイロ化されたシステム)を利用していると、グループ全体としてのガバナンスが全く効きません。特にシステム担当者が直視すべきは、2024年4月より適用が開始された「改訂J-SOX(内部統制報告制度)」への対応です。この改訂では、経営者による内部統制の無効化リスクへの対応や、クラウドサービスの利用・外部委託・リモートアクセス環境における新たなIT全般統制(ITGC)の厳格化が明確に要求されています

海外拠点で独自のシステムが稼働している場合、アクセス権限の管理やログの取得体制がブラックボックス化しやすく、監査法人の要求するコンプライアンス水準を満たすことが極めて困難になります。内部統制の観点からも、業務プロセスをグローバル標準に統一する必要があります。また、システムが分断されていると、拠点ごとにサーバーの保守費用やIT人材の育成コストが二重、三重に膨らみます。透明性の高い経営体制を構築し、効率的なリソース配置を実現することが、IT投資の正当化において重要なファクターとなります。

DX・AI活用を見据えたデータ基盤が必要になっている

将来的なAI(人工知能)の活用や、ビッグデータに基づく予測分析(Predictive Analytics)を推進するためには、質の高いデータが一元管理されていなければなりません。システムが拠点間や部門間で分断されている状態では、マスタデータの不一致、データの欠損、表記揺れが必然的に生じます。「Garbage in, Garbage out(無意味なデータからは無意味な結果しか得られない)」という格言が示す通り、AIに学習させるためのデータクレンジングだけで莫大な工数を浪費してしまいます。

そのため、全社の販売・購買・在庫・財務データを単一のデータベース(シングルインスタンス)に蓄積できる最新のデータ基盤を構築する企業が増えています。高度なテクノロジーの恩恵を最大限に受けるためには、AI-Readyな環境を前提としたこの基盤整備が不可欠です。


海外拠点管理でよくある課題

システム部門が海外の業務現場(営業、SCM、経理部門)へヒアリングを行うと、システムが統合されていないことによる弊害は非常に生々しく、深刻な業務負荷を引き起こしていることが浮き彫りになります。次に、現場が直面している海外拠点管理のリアルな課題について、現場目線で詳しく解説していきます。

海外拠点ごとにExcel管理となり、本社への報告作業が大きな負担に

現地スタッフにとって、本社指定の複雑なフォーマットに合わせてデータを加工するExcel作業は大きな負担です。現地の担当者は、本来の市場開拓や営業活動にリソースを集中したいにもかかわらず、月末月初になると本社への報告業務に追われ、数日間にわたって残業を強いられています。

一方の本社側も、世界中から五月雨式に提出されたデータのエラーチェック、為替換算、リンク切れの修正に膨大な時間を奪われます。その結果、本来行うべき戦略的なデータ分析業務や予実管理のインサイト抽出に手が回らないという悪循環に陥っているのです。これは単なる「手間の問題」ではなく、経営企画部門の高度化を阻害する構造的な欠陥と言えます。

販売・在庫・会計システムが分断され、転記や二重入力の嵐

現地の部門ごとに異なるシステム(例えば、営業はローカルのSFA、倉庫はレガシーな在庫管理、経理は現地の会計ソフト)を使っているため、手作業による転記が日常化しています。営業システムに入力した売上データをCSVで出力し、会計システムに再び手入力するような状況が至る所で発生しています。

こうした二重入力や三重入力は、現場の残業時間を増大させてしまいます。さらに、入力ミス(ヒューマンエラー)による深刻なトラブルを引き起こす温床にもなっています。例えば、システム間の在庫数量のズレによる予期せぬ欠品や、過剰発注によるキャッシュフローの悪化など、財務諸表の信頼性を根底から揺るがす事態を招きかねません。

課題領域レガシー環境・サイロ化環境における現状のリスク
データ連携Excelファイルのリレーによる集計遅延、ファイルの破損リスク、マクロへの過度な依存
業務プロセス部門間での二重入力・三重入力による工数増大、転記ミスによる在庫不整合と販売機会の喪失
ローカライズ手作業による為替換算ミス、現地税制の変更に追従できないコンプライアンス違反のリスク
ガバナンス属人化した業務による不正リスク(架空発注等)の増大、システム外での不透明な承認プロセス

多通貨・多言語・各国制度への対応で現地の経理担当が疲弊

海外拠点では、現地の言語や通貨だけでなく、複雑な税制や法規制への対応が求められます。日本の商習慣のみを前提とした国産の中小向けシステムを無理に海外へ導入した結果、多言語表示ができず、現地の経理担当者がシステムを使いこなせないケースが多発しています。

これにより、為替計算や現地特有の付加価値税(VAT/GST)の計算をすべてシステム外のExcel等で別管理で行うことになり、月末の業務が完全にパンクしてしまいます。さらに昨今では、経済協力開発機構(OECD)が主導する「グローバル・ミニマム課税(第2の柱:Pillar 2)」など、国際的な税務要件も極めて複雑化しています。こうした高度な要件に手作業で対応することは不可能に近く、現地スタッフがストレスなく操作でき、かつ現地の法要件を自動で満たせる専用のシステム環境が欠かせません。

独自の業務プロセスが属人化し、特定の担当者しか回せない

システムが全社で統一されていないため、拠点ごとに独自のローカルルールが形成されがちです。本社から見えないことを良いことに、システム外での口頭承認や、特定の担当者の頭の中にしか存在しない属人的な業務プロセスが横行してしまいます。

その結果、特定の担当者が退職すると業務が完全にストップするリスク(キーマンリスク)を抱えることになります。また、購買プロセスの不透明さは「不正のトライアングル(機会、動機、正当化)」のうち「機会」を極大化させ、不正リスクも高まり、内部統制を効かせることが極めて難しくなるのが実情です。


海外展開企業がクラウドERP選定で重視すべきポイント

上述した課題を根本的に解決し、企業の成長を牽引するIT基盤を構築するためには、システム担当者はどのような基準で製品を選定すべきでしょうか。次に、海外展開企業がクラウドERP選定で重視すべきポイントについて、詳しく解説していきます。

海外拠点を含めたデータの一元管理(サイロ化からの脱却)

各拠点で分断されていたデータを、単一のプラットフォームで統合管理(Single Source of Truth:信頼できる単一の情報源)できるかどうかが最重要です。営業が受注を入力した瞬間に在庫が引き当てられ、出荷と同時に売上原価と売掛金が自動で仕訳・記帳され、リアルタイムで各部門に共有される仕組みが必要となります。

これにより、現場の手作業による集計や二重入力を完全に撲滅できます。本社側も現地の状況をマクロのダッシュボードからミクロのトランザクション明細まで自在にドリルダウンしてモニタリングできるようになり、管理精度が飛躍的に向上します。

多通貨・多言語・各国の法制度への「標準対応」

現地のスタッフが使いやすい多言語対応や、為替差損益などを自動計算する多通貨対応が必須です。各国の会計基準や税制変更に対して、標準機能でどこまで対応しているかを見極めましょう。

ここでシステム担当者が陥りがちな罠が「日本的なFit-to-Gapアプローチ(自社業務にシステムを合わせる過度なカスタマイズ)」です。過度なカスタマイズは、導入費用を跳ね上げるだけでなく、クラウド最大のメリットである「将来のシームレスなバージョンアップ」を妨げる致命的な技術的負債となります。標準機能(ベストプラクティス)に業務を合わせる「Fit-to-Standard」を前提とし、充実したローカライゼーション機能を持つクラウドERPの選定が成功の鍵となります。

将来の事業拡大(M&Aなど)にも対応できる拡張性

将来的に新たな国へ進出したり、M&Aによってグループ会社が増えたりする可能性は十分にあります。事業規模の変化に対して、柔軟かつ迅速にシステムを拡張できるかが問われます。

柔軟性の高いクラウド型であれば、インフラ構築に無駄な時間をかけずに済みます。特に昨今トレンドとなっているのが「2-Tier ERP(2層ERP)モデル」です。これは、日本本社には既存の重厚長大なシステム(Tier 1)を残しつつ、海外拠点や買収した子会社にはアジリティの高いクラウドERP(Tier 2)を展開し、本社と連携させる手法です。これにより、スピーディーに新拠点へシステムを展開し、ビジネスチャンスを逃しません。

【資料DL】AI時代に勝つグローバル経営の条件:海外拠点の「見えない経営」からの脱却。

現場の反発を抑え、定着を見据えたチェンジマネジメント

いくら優れたシステムを導入しても、現地の現場が使ってくれなければ全く意味がありません。新しいシステムに対する現場の反発を和らげるため、業務プロセスの変更理由を丁寧に説明し、現地のキーパーソンを巻き込む「チェンジマネジメント」が極めて重要です。

現地の商習慣を理解し、現地の言語でトレーニングを提供できる支援体制が求められます。単にライセンスを販売して終わりではなく、導入後の運用と定着までをしっかりと見据えたパートナー選びが必要です。


グローバルERPが選ばれる理由

厳しい選定要件をクリアし、世界中のシステム担当者から「グローバルERP」が選ばれるのは必然と言えます。特に、世界220の国や地域で43,000社以上の導入実績を誇り、27言語・190通貨を標準サポートする「Oracle NetSuite」のようなクラウドERPは、他を寄せ付けない圧倒的な優位性を持っています。次にグローバルERPが選ばれる理由についてお話しします。

海外拠点を含めたリアルタイムな経営管理を実現できる

グローバルERPは、世界中のデータを単一のデータベース(シングルインスタンス)に集約するよう設計されています。例えば、タイの拠点がタイバーツで発注を行い、中国の拠点が人民元で売上を立てたとしても、異なる通貨で入力されたデータは本社の基軸通貨(日本円など)へ最新レートで自動的に換算されます

これにより、経営層は日本のオフィスにいながら、海外子会社の状況をリアルタイムで把握できます。最新の売上やキャッシュフロー、グローバル全体の在庫状況をダッシュボード上で確認し、迅速な意思決定が可能になります。

グローバルで統一した業務プロセス(ベストプラクティス)を構築できる

このシステムには、世界中の優良企業で培われた標準的な業務プロセスが組み込まれています。これに合わせて業務を見直すことで、拠点ごとの属人化を排除できます。

属人的だった現地の業務を、グローバル標準のプロセスへと引き上げることが可能です。システムによって強制的にワークフローが統制されるため、不正な発注や承認漏れを防ぐことができます。結果として、グループ全体での業務品質の均一化と、改訂J-SOX法にも耐えうる強固なガバナンス強化が実現します。

経営判断に必要なデータを一元化し、ビジネスチャンスを逃さない

販売から財務まであらゆるデータが統合されるため、多角的なデータ分析が可能になります。どの国のどの製品が利益を生んでいるのか、あるいはどの顧客セグメントの採算性が悪化しているのかといった、精緻な分析がデータの抽出・加工なしに瞬時に行えます。

分断されていたデータが繋がることで、グローバル全体での在庫の最適配置も実現します。さらに、AIを活用した需要予測や自動異常検知といった機能も、この統合されたデータ基盤があってこそ真価を発揮します。正確なデータに基づいた迅速なアクションが、市場での競争力に直結するのです。


Shearwater JapanがグローバルERP導入で選ばれる理由

「Oracle NetSuite」という最強のグローバルERPを選択したとしても、それを自社の業務に落とし込み、海外拠点に定着させるためには、高度な専門知識とグローバルな対応力を持つ導入パートナーが不可欠です。最後に、数あるベンダーの中でShearwater JapanがグローバルERP導入で選ばれる理由についてご紹介します。

海外展開企業に特化したERP導入支援

Shearwater Japanは、長年にわたりアジアを中心としたグローバル展開企業のDXを支援してきました。シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、韓国、そして日本に拠点を構え、これまでに350件以上ものクラウドERP導入を成功に導いた実績は、アジア地域におけるNetSuiteパートナーとして群を抜いています

日本本社と海外拠点の橋渡しとなり、多国籍プロジェクトをスムーズに推進します。世界トップクラスのクラウドソリューションを活用し、最適なシステム構築を提供しています。企業の成長ステージに合わせた、無駄のない導入プランが強みです。また、優秀な実績が認められ、「Oracle NetSuite Partner of the Year」を受賞するなど、オラクル社からも極めて高い評価と信頼を獲得しています

各国の商習慣・税制を踏まえたコンサルティング

アジア各地に拠点を構え、現地の複雑な法制度や商習慣を熟知したコンサルタントが伴走します。多言語対応チーム(日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語等)が、各国の要件を的確に満たすコンサルティングを行います

どこまでをグローバル標準とし、どこをローカル要件として残すかを見極めることが重要です。単なるシステム導入にとどまらない、業務起点の的確なアドバイスを提供します。さらにShearwater Japanは、昨今のSaaSトレンドを捉えた「統合DXエコシステム」の構築に圧倒的な強みを持っています

Shearwaterが提供する統合DXエコシステム(例)連携によるビジネス価値
Oracle NetSuite世界シェアNo.1のクラウドERP。財務・SCM・CRMの中核となる統合基盤。
@Tovas 連携(AI-OCR)取引先がFAX等のアナログ環境でも、AI-OCRで自動データ化しNetSuiteへ還流。自社の自動化を止めない「相手を選ばないDX」を実現
Kyriba 連携(資金管理)グローバルでの資金可視化とインハウスバンキングを実現。海外拠点の資金ブラックボックスを解消し、資本効率を最大化
Workday Adaptive PlanningNetSuiteの実績データに基づく高度な予算管理・複数シナリオ分析(EPM)を実現
Workato / Celigo (iPaaS)分断されたSaaS群をノーコードで連携し、NetSuiteを中心とした業務の完全自動化を推進

導入後の定着(チェンジマネジメント)・活用まで伴走支援

豊富なプロジェクト成功実績に基づく独自のノウハウで、稼働後も強力に伴走支援します。システム導入だけでなく、現場への定着化や活用までをワンストップでサポートします。

現地のユーザー教育や手厚いカスタマーサポートを通じて、現場で本当に使われるシステムを目指します。例えば、マニュアル作成ツール「Tango」を活用した現場向けの直感的な手順書の整備支援など、単なる技術サポートを超えた業務定着のノウハウを提供しています。お客様のグローバルビジネスの成長を、長期的な視点で支え続けます。

レガシーシステムからの脱却や、海外拠点のガバナンス強化をミッションとするシステム担当者様は、単一のソフトウェア導入を超えた「持続可能な統合DXプラットフォーム」を提案できるShearwater Japanへ、ぜひ一度ご相談ください。真のグローバルカンパニーへの飛躍は、最適なデータ基盤と最高のパートナー選びから始まります。


Oracle NetSuiteの導入は、Shearwater Japanにお任せください!

Shearwater Japan株式会社は、アジアNo.1の NetSuiteパートナーです。
2012年の設立以来、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国の各地域のクライアントと、Oracle NetSuite(https://www.netsuite.co.jp)、Workday Adaptive Planning(https://www.workday.com)、Workato(https://workato.jp)などの導入パートナー企業として、共に急成長を遂げてきました。
プロジェクト管理、コンサルティング、開発、他システムとの連携等を全てワンストップサービスで提供でき、自社海外拠点(中国、シンガポール、台湾、マレーシア)があるため海外展開先でも手厚いサポートに実績がございます。

1分30秒でわかる「NetSuite」

クラウドソリューションの導入にお悩みであれば、是非ともこの機会にご相談、お問い合わせください。

また 当社では 現在、一緒に働くスタッフを募集していますので、 Shearwater Japan で働きたいとお考えの方は是非とも採用・キャリアのページからご応募ください!

<参考情報FP&A PBR netsuite erp

1. NetsSuite導入インタビュー Tableau IFRS

2. NetSuiteと他社のERPの違いを解説

https://netsuite1.sw-lp.com/

DXを実現するクラウドソリューションについてはこちら

上野グループホールディングス様へのWorkday Adaptive Planningの採用ニュースを公開しました!

PR TIMES(ピーアールタイムズ)に、新たにご採用頂いた事例を公開しました↓


「上野グループホールディングス、管理会計システムにWorkday Adaptive Planningを採用。投資判断の迅速化と財務強化へ」

<よく頂くご質問と回答>

①Workday Planning Plannigは他の管理会計ツールと何が違うの?

標準機能で管理会計の実装を行うため、年2回のバージョンアップでAIなどの最新機能がすぐに反映され、世の中のニーズに機能実装がスピーディに適用できる点です。

これまで管理会計の実装の方法として多かったのは、基幹システムであるERPの管理会計モジュールでシステム化を試みるアプローチです。

ただ、このERPモジュールを使って実装するケースで失敗が多い点は、全ての要件をシステムに組み込もうとすると「アドオン」といわれる、プログラムを個別に追加開発する(≒コードを書く)手法が頻繁に行われていた事です。

<アドオン実装のデメリット>

・組織変更、データ出力の要件変更などが操作で簡単に行えない。結果、業務が属人化する

・運用に高度なITスキルが必要なため、外注費が高くなる

・外部委託すると、必要な情報を入手するまでに時間がかかる

・新しい機能をシステムに搭載するバージョンアップが、(個別に手を加えてるため)バグが発生するリスクがあるため、簡単に行えない

・結果、導入当初に高額な導入費を払い採用したが、全く利用されていない

上記のようなデメリットがIT先進国である欧米で頻繁に発生していたため、Adaptive Planningは創業当初から「アドオンを禁止」し、製品としての完成度を高める戦略を取りました。

結果として、最近のAIブームにも早期に製品として適用でき、Gartnerの2026年の評価でも「業界のリーダー製品」として最高評価を得ています。

(一方で、1社ごとに個別開発をするタイプのオンプレミス製品は、徐々にサポートを終了していってます↓設定内容の移行は簡単でないと想定されます)

②海外製品についてはよくわからないため、とりあえず安価なツールや、Excelのようなツールを採用する案はどう思いますか?

日本が置かれている状況に逆行していて、後々のコストを増やす選択だと考えています。

まず、日本のメガトレンドは少子化、人口減少による「マーケットの縮小」です。

この課題への対応策は、海外売上を増やす事です。

そこで、管理会計をシステム化する選定基準として、英語圏のメンバーが業績予測を報告する必要が出るため「英語に対応しているか」という点が大事になりますが。長年、FP&A(Financial Planning & Analysis)ツールの市場を調査しているGarnerのレポートで日本製のツールは一度も評価に入ったことがありません。

また、Gartnerは専門家によるメディアですが、利用ユーザによる口コミサイトである「g2 cloud」や「TrustRadius」にも、日本製ツールの口コミやレビュー情報はありません。

(そもそも、BtoBソフトウェアで世界シェアを日本製ツールが取れていない事はIT業界では有名な話です)

また、上野グループホールディングス様の事例でも記載しましたが。既存の管理会計Excelを継続するようなコンセプトのツールはPL(損益計算書)のフロー科目ばかりの対応で、BS(貸借対照表)のストック科目へ対応していないため、結局はCF管理まで出来ない、予算編成で部分的な利用に留まる、といった内容が弊社で一番多いご相談となります。

すかいらーく様など、上場企業であなたの近い業種の事例をダウンロードする>>

【2026年最新版】オンプレからクラウド移行への最適解〜IT・DX担当者が知るべきクラウドERP導入とERP移行の成功戦略〜

はじめに:なぜ今、オンプレミスからの脱却が急務なのか?

企業を取り巻くビジネス環境が急激な変化を遂げる中、基幹システムのあり方が企業の競争力を根本から左右する時代に突入しています。かつて「安定性」や「カスタマイズの自由度」を理由に主流とされてきたオンプレミス環境は、現在では技術的負債の温床となり、迅速な経営判断を阻害する最大の要因となっています。本記事では、日本全国のIT・DX推進担当者および情報システム部門のリーダーに向け、最新の市場データと法規制動向に基づき、オンプレ クラウド移行の必然性について解説します。

さらに、数あるソリューションの中でもERP移行の最適解として世界で43,000社以上が採用する「Oracle NetSuite」の優位性について、最新のAIトレンドやグローバル対応の観点からご紹介します。あわせて、クラウドERP導入を確実な成功と定着化に導くために、弊社Shearwater Japanがどのような強みを持ってお手伝いできるのかについても詳しく解説いたします。


目次


1. 限界を迎えるオンプレミス環境と「2025年の崖」の実態

日本企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の足枷となっている最大の要因は、老朽化しブラックボックス化したレガシーシステムです。この課題は、IT部門の運用負荷を増大させるだけでなく、企業全体の収益性を圧迫する深刻な経営リスクとなっています。オンプレミス環境からクラウドへの移行は、もはや単なるITインフラの刷新ではなく、企業の存続を賭けた経営課題として位置づけられています。

1-1. 経済産業省が警鐘を鳴らす最大12兆円の経済損失

経済産業省の「DXレポート」において指摘された「2025年の崖」は、2026年現在、もはや遠い未来の予測ではなく顕在化した危機となっています。同レポートでは、レガシーシステムを刷新せず放置した場合、日本全体で最大年間12兆円の経済損失が生じると推計されており、個々の企業レベルで見ても、IT予算の約80%が既存システムの維持運用に費やされるという硬直化したコスト構造が問題視されています。

この危機は、「技術面」「人材面」「経営面」の3つの側面から企業に深刻な影響を及ぼします。技術面では、システムの過度なカスタマイズによる複雑化・ブラックボックス化が進行し、保守コストの増大やセキュリティリスクを招いています。経済産業省の指針では、自社のシステムリスクを「保守費用の増加傾向」「特定担当者への人材依存」「機能変更の容易さ」「データ連携の自動化状況」「セキュリティパッチの適用状況」という5つの軸で評価し、高リスクなものから刷新を急ぐことが推奨されています。

人材面では、COBOLなどのレガシー言語を扱う技術者の退職に伴い、2025年時点で最大約43万人のIT人材が不足すると推計されています。さらに、2027年末に控える「SAP ECC 6.0」のサポート終了に向けて、移行プロジェクトが市場全体で集中し、コンサルタントやエンジニアの深刻な需給逼迫が発生しているのが実態です。経営面では、こうした維持費の高額化や慢性的な人材不足により、データを活用した新しいビジネスモデルの創出に投資できず、結果としてグローバル市場での競争力を失うことが最大の課題とされています。

参考:経済産業省2025年レポート

1-2. 最新統計データが示すクラウドERPシフトの加速

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表した「DX動向2024」によれば、DXに取り組んでいる日本企業は全体の73.7%に達し、前回の55.8%から着実な向上を見せています。さらに、DXの成果が出ていると回答した企業も64.3%に増加しているものの、米国の89.0%と比較すると依然として大きな後れを取っていることが明白です。特にレガシーシステムからの脱却という観点では、「ない」または「一部のみ」と回答した企業は58.0%に留まっており、多くの中堅・中小企業がオンプレミス環境からの脱却に苦慮しています。

しかし、ERP市場全体の投資動向は明確にクラウドERP導入へのシフトを示しています。株式会社ミック経済研究所の調査によると、2024年度の基幹業務(ERP)パッケージ市場は前年比115.4%の3,426.9億円に達し、2025年度には3,965.2億円、2026年度には4,757.4億円から4,844.1億円規模へと力強い拡大が見込まれています。また、株式会社アイ・ティ・アール(ITR)のレポートにおいても、サービス領域を含めた2024年度の日本ERP市場は前年度比18.0%増の2,558億円と推計されており、調査対象範囲の違い(ライセンスのみかサービスを含むか)はあるものの、市場全体の急成長という傾向は完全に一致しています。

調査機関調査対象2024年度実績 / 推計2025年度予測2026年度予測
ミック経済研究所基幹業務(ERP)パッケージ市場3,426.9億円 (前年比115.4%)3,965.2億円 (前年比115.7%)4,757.4億円〜4,844.1億円
ITR日本ERP市場 (サービス領域含む)2,558億円 (前年比18.0%増)前年比16.7%増

この成長を牽引しているのがクラウド移行です。日本市場におけるERPのクラウド利用比率(IaaS・PaaS・SaaSを含む)は、2024年時点の約65%から、2026年には7割超に達する見通しであり、AWSやAzure、Google Cloudなどのパブリッククラウドベンダーの国内売上が前年比30%以上で成長している事実もこれを裏付けています。企業は自社専用にシステムを作り込むスクラッチ開発から、業務プロセスを標準的なクラウドの仕様に合わせる「Fit to Standard」のアプローチへと舵を切っており、クラウドERP導入が経営改革の基盤として定着しつつあります。


2. 日本企業に迫る法令対応とレガシーERP改修コストのジレンマ

ERP移行を検討する上で、日本のIT・DX推進担当者が直面する最大の壁が、国内特有の複雑な税制や頻繁な法改正への対応です。オンプレミス環境を維持し続ける企業にとって、これらの法改正は都度発生する数千万円規模の追加開発コストと長期間のテスト工数を意味します。

2-1. 2026年10月に迫るインボイス制度控除率引き下げの影響

適格請求書等保存方式(インボイス制度)は、導入後も段階的な経過措置が設けられており、実務現場に継続的な負担を強いています。特に買い手側の処理において、免税事業者からの仕入れに対する経過措置(仕入税額相当額の一定割合を控除できる特例)は、数年単位で段階的に控除割合が引き下げられる設計となっています。

適用期間免税事業者からの仕入に対する控除割合制度対応上のシステム要件・影響
2023年10月1日〜2026年9月30日80%控除取引先マスターでの適格・免税の識別、仕訳時の特例計算機能の実装
2026年10月1日〜2028年9月30日70%控除(※令和8年度新設)税区分・計算ロジックの再設定、新旧税率の並行稼働テストの実施
2028年10月1日〜2030年9月30日50%控除税区分のさらなる変更と経過措置対応の継続
2030年10月1日〜2031年9月30日30%控除控除割合の変更に伴う各種設定変更
2031年10月1日以降控除不可経過措置の完全終了に伴うシステムのクレンジング

参考:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(国税庁)

2026年10月に控除割合が80%から70%へ切り替わるタイミングで、オンプレミスERPでは税区分の設定変更、計算プログラムのロジック改修、そして既存システム連携部分の回帰テストが不可欠となります。さらに、令和8年度税制改正により、1免税事業者あたり年間1億円超の仕入れには経過措置が適用されないという厳しい上限規制が新設(旧10億円から引き下げ)されました。この基準を超えた部分の課税仕入れには経過措置が適用できないため、仕入総額をリアルタイムで監視・判定する高度な機能要件が追加されています。これらの要件を旧態依然としたレガシーシステムに組み込むことは、アーキテクチャの複雑化を招き、システムのブラックボックス化をさらに進行させる結果となります。

2-2. 電子帳簿保存法と「制度対応の無限ループ」

インボイス制度と並行して情報システム部門を悩ませているのが、電子帳簿保存法への対応です。2024年1月に電子取引データの保存が完全義務化され、メールやクラウドサービスでやり取りした請求書PDFなどを印刷して紙で保存することは法律上認められなくなりました。システム要件としては、保存データが改ざん・削除されていない状態を保つ「真実性の確保」と、必要なときに誰でもすぐに内容を確認できる「可視性の確保」が厳格に求められます

現在も人手不足などを理由とした猶予措置は存在するものの、これはあくまで対応が間に合わなかった企業向けの救済措置であり、恒久的な免除ではありません。また、2026年以降のさらなる電子インボイス(JP PINT・Peppol)の普及や、全銀フォーマットの支払自動化など、経理・財務領域のデジタル化要件は増大の一途を辿っています。

法改正があるたびに、「自社固有の業務要件の洗い出し」「ベンダーへの独自プログラム開発依頼」「長期間のテスト検証」を繰り返すオンプレミス型のアプローチは、コスト面でも人的リソース面でも完全に破綻しています。制度対応をプロジェクトの「ゴール」とするのではなく、クラウドERPを導入し、ベンダー側が提供する標準機能やローカライズパッケージの自動アップデートによって法改正を自動的に「吸収」するアーキテクチャへのERP移行が急務です。


3. クラウドERP移行なら「Oracle NetSuite」を選ぶべき戦略的理由

数あるクラウドERPの中で、なぜ「Oracle NetSuite(以下、NetSuite)」が世界で43,000社以上、220を超える国や地域で導入され、市場を力強く牽引しているのでしょうか。それは、中堅・中小企業からグローバルエンタープライズまで対応する圧倒的なアーキテクチャの柔軟性と、年2回の自動アップデートを通じた最新テクノロジーの還元力にあります。

3-1. 日本の法規制を吸収する「Japan Localization SuiteApp」と無償アップデート

NetSuiteの最大の強みは、最初からクラウド専業として設計された真のマルチテナントSaaS型アーキテクチャである点にあります。従来のオンプレミスシステムのように高額な改修費用や老朽化に伴う入れ替えプロジェクトに追われることなく、ユーザーは追加コストなしで常に最新の機能やセキュリティパッチ、そして法対応機能を利用できます。

前述した日本の複雑な法規制に対しては、NetSuite上で日本の法制度や商習慣に適合させるための拡張機能群「Japan Localization SuiteApp(JLS)」が強力な解決策となります。このモジュールを適用することで、自社の登録番号をマスターに登録して帳票へ自動印字し、8%(軽減税率)と10%(標準税率)の区分表示や、1請求書あたり税率ごとに1回という厳格な端数処理ルールに標準機能として対応できます。免税事業者からの仕入れに対する経過措置の変更(2026年10月の70%控除への移行など)も、取引先マスターの区分フィールドと税区分の設定変更のみで自動的に判定・処理される仕組みが構築可能です

また、電子帳簿保存法に関しても、スキャンデータやPDFをトランザクションに直接紐づける添付機能や、システム内部での訂正削除履歴の保持、取引年月日や金額に基づく高度な検索機能が標準で備わっています。外部のタイムスタンプサービスやJLSの連携により、真実性と可視性の要件を完全に満たし、「優良な電子帳簿」の要件を満たすことで過少申告加算税が5%軽減される税制優遇の恩恵も受けやすくなります。これにより、企業は制度対応の無限ループから解放され、ITリソースをより戦略的な業務に振り向けることが可能となります。

3-2. 2層ERP(Two-Tier ERP)戦略とNetSuite OneWorldによるグローバルガバナンス

ビジネスのグローバル展開や積極的なM&Aを推進する日本企業にとって、単一の重厚長大なシステム(シングルインスタンス)を全子会社や海外拠点に強制導入することは、導入スピードの遅延とコストの肥大化を招きます。近年、これに対する最適なアーキテクチャとして「2層ERP(Two-Tier ERP)」戦略が急速に普及しています。本社ではOracle Fusion CloudやSAPなどのコアERP(層1)を用いて全社ガバナンスを効かせつつ、機動力が求められる海外子会社や事業部門にはクラウド型のNetSuite(層2)を導入し、両者をシームレスに連携させる運用モデルです

この2層ERP戦略の要となるのが、「NetSuite OneWorld」モジュールです。OneWorldは、複数の子会社、事業部門、法人を単一のソリューションで管理し、極めて高度なグローバル要件を標準でカバーします。

グローバル対応機能NetSuite OneWorldの提供価値
多通貨・多言語対応190種以上の通貨と最新の為替レートに自動対応。日本語、英語、中国語など27言語のインターフェースを提供し、現地の従業員が母国語で操作可能
マルチブック会計同一の取引データから、IFRS(国際財務報告基準)、US GAAP、日本基準(J-GAAP)、および進出国固有のローカル税法といった異なる会計基準の帳簿を同時並行で自動作成
リアルタイム連結決算各海外拠点で入力されたデータは、設定された為替レートで親会社の通貨に自動換算され、グループ全体の連結財務諸表に即時反映。月次締め処理を待たずに経営状況を可視化
グローバルコンプライアンスドイツの監査基準PS880やサーベンス・オクスリー(SOX)法に準拠。常時監査証跡、アクセスログ、自動化されたワークフローにより、強固なガバナンスを維持

株式会社クボタのアセアン水環境事業などの実例が示すように、海外事業での業務プロセスの非統一や内部統制の欠如といった課題に対し、複数国での同時並行導入によって短期間で業務標準化を実現できる俊敏性(アジリティ)こそが、NetSuite OneWorldの最大の強みです。

加えて、Shearwater Japanが全面的に導入を支援した株式会社JVCケンウッドの事例も、2層ERP戦略の代表的な成功例として注目されています。同社は海外売上比率が7割に迫る中、各海外拠点で分断されていたオペレーションを統一するため、本社には「Oracle Fusion Cloud ERP」、海外子会社7社には俊敏性に優れた「NetSuite」を展開しました。これにより、グローバル全体での受発注業務の標準化と、経営資源のリアルタイムな一元管理を実現しています(※本プロジェクトの裏側や具体的な導入メリットについては、Shearwater Japanが提供するホワイトペーパーにて詳しく解説されています)。

【資料DL】AI時代に勝つグローバル経営の条件:海外拠点の「見えない経営」からの脱却。

3-3. 2025年・2026年の最前線:AIを中核とした次世代基盤への進化

NetSuiteは現在、自らを「#1 AI Cloud ERP」と定義し、AIを単なるオプション機能から、業務全体を駆動する中核エンジンへと昇華させています。日本オラクルが開催した「SuiteConnect Tokyo 2025」や米国での「SuiteWorld 2025」、そしてその後の「SuiteConnect 2026」シリーズ(ニューヨーク、シカゴ、ロンドン、サンフランシスコ)を通じて、次世代基盤「NetSuite Next」や多数のエージェント型・生成型AI機能が連続して発表されました。

2025年〜2026年にかけて実装された主要なAIおよび次世代機能群は以下の通りです。

機能名領域・カテゴリ概要とビジネスへのインパクト
NetSuite Text Enhance生成AI(スイート全体)Oracle Cloud Infrastructure (OCI) 上の大規模言語モデルを活用。財務、人事、営業など全領域で、文脈に即したパーソナライズされたテキスト(商品説明、営業メール、社内メモ)を生成。高品質な日本語出力に完全対応している。
Ask Oracleインターフェース・分析自然言語による対話型アシスタント。「先月の売上を地域別に比較して」といった日常言語の指示に対し、複雑な保存検索(Saved Search)を組むことなく、グラフやデータを即座に抽出・提示する。
Intelligent Close Manager財務・経理(決算自動化)決算進捗を統合ダッシュボードで一元管理し、AIが勘定科目の異常値や消込の差異、スケジュールの遅延を自律的に検知可能。経理業務のボトルネックを排除する。
Developer AssistantIT開発・カスタマイズ現場のIT・DX担当者が自然言語で要件を入力するだけで、NetSuite独自のスクリプト言語(SuiteScript)のコードを自動生成する。社内開発の民主化とカスタマイズ負荷の劇的な低減を実現。
Redwood UIユーザーインターフェースOracleの新デザイン体系「Redwood」に基づく直感的でモダンな操作画面。システムの学習曲線を緩和し、現場ユーザーの定着率を飛躍的に高める。

特筆すべきは、これらのAIイノベーションの多くが、追加ライセンス費用なしで既存の契約内に組み込まれる方針で提供されている点です。例えば、「SuiteConnect Tokyo 2025」で紹介された株式会社チームスピリットの事例では、NetSuiteを中核に据えることで「手作業+Excel」からの脱却を果たし、属人的な経理プロセスを標準化するとともに、今後はAIエージェントと協働するエコシステムへと進化させる構想が語られています。

これらの最新動向は、単なる機能追加に留まらず、AIが組み込まれたERPが企業の業務プロセスそのものを再設計し、生産性を飛躍的に高めるパラダイムシフトが既に日本市場で始まっていることを示しています。


4. クラウドERP導入を成功に導くプロセスと陥りがちな罠

いかに最新のAI機能を備えた優れたクラウドERPであっても、導入のアプローチを誤れば「2025年の崖」を乗り越えることはできず、かえって現場に混乱を招く結果となります。オンプレ クラウド移行における重要成功要因(KSF)と、システム移行で回避すべき典型的な罠を整理します。

4-1. ビッグバンアプローチの排除と「ストラングラーパターン」の採用

レガシーシステムから新システムへ一斉に切り替える一括移行(ビッグバンアプローチ)は、要件定義の漏れやデータ移行の不整合により大規模な業務停止リスクを伴うため、現代のIT戦略においては強く非推奨とされています。代わりに採用すべきは、段階的な移行モデルである「ストラングラーパターン」です。また、経済産業省が示す「DXの現在地とレガシーシステム脱却に向けて」の指針にもある通り、まずは自社のシステム資産を棚卸しし、ブラックボックス化を解消する「システムの可視化」が不可欠です。

  1. Phase 1(可視化と計画・0〜6ヶ月):
    自社の全システムポートフォリオを棚卸しし、「戦略的価値」と保守コスト・人材依存度・セキュリティパッチ適用状況などの「技術的負債」の2軸で評価します。刷新の優先順位を客観的データに基づいて決定します。
  2. Phase 2(基盤構築と共存・6〜18ヶ月):
    統合的なデータ基盤を構築し、最もリスクの高い、あるいは業務改善効果の大きい領域(例えば財務会計やCRM領域)から先行してクラウドERPへ移行します。この期間は、API連携を活用してレガシーシステムとNetSuiteを安全に共存させるアーキテクチャを設計します。
  3. Phase 3(段階的刷新と高度化・18〜36ヶ月):
    残存するレガシーシステムを順次クラウドERPへと統合し、最終的には蓄積されたデータをNetSuite Analytics Warehouse (NSAW) などの高度なBIツールで分析し、新たなビジネスモデルの創出へと繋げます。

さらに、システムを自社の既存業務フローに無理に合わせようとする「独自開発要件の過剰な積み上げ」は、カスタマイズ過多によるバージョンアップ障害(ベンダーロックイン)を引き起こす最大の要因となります。プロジェクト推進者は、現行業務の踏襲にこだわることなく、自社の要件を「Oracle標準機能」「Japan Localization SuiteAppで吸収できる範囲」「どうしても必要な独自カスタマイズ」の3段階に厳格に切り分け、標準機能に業務を寄せる「Fit to Standard(標準化対応)」を徹底しなければなりません。

4-2. 自律的運用への転換と「属人化」の解消

ERP導入プロジェクトが真の成果を上げるのは、システムが稼働した「後」です。導入を目的化してしまい、稼働後に社内でシステムを使いこなせる人材が育たず、些細な設定変更や組織改編のたびに外部ベンダーに高額な費用を払って依存してしまう状態は、クラウド時代において最も避けるべきシナリオです。

経済産業省のレポートでも、IT人材需給ギャップを低減するためには、特定の時期に移行プロジェクトを集中させない「需要の平準化」とともに、ベンダーへの丸投げから脱却し自社でシステムをコントロールできる「内製化」の強化が求められています。「使える人が社内に1人しかいない」という属人化リスクを排除し、「チーム全体として使いこなせる状態」を構築することが、クラウドERP定着化の絶対条件です。そのためには、導入段階からIT・DX推進担当者やキーユーザーに対する体系的な教育投資を行い、自律的な運用体制へと転換を図る必要があります。


5. クラウドERP導入なら「Shearwater Japan」に相談すべき理由

NetSuiteという強力なクラウドプラットフォームを、企業独自の競争力に変えるためには、グローバルなビジネス要件への深い洞察と、クラウドネイティブな高度な技術力を併せ持つコンサルティングパートナーの存在が必要不可欠です。日本市場において、その要件を最高レベルで満たし、クラウドERP導入のパートナーとして最適なのが、我々「Shearwater Japan(シァーウォータージャパン)」です。

5-1. アジア・国内導入実績No.1と「Partner of the Year」の称号

弊社Shearwater Japanは、2012年からの豊富なクラウドコンサルティング経験を有し、日本国内のみならず、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、韓国、台湾、中国といったアジア全域に強固な顧客基盤を持つ、アジア最大級のOracle NetSuiteソリューションプロバイダーです。弊社は200件を超える財務計画・分析の導入成功実績を誇り、その卓越した導入品質と年間経常収益(ARR)の成長を高くご評価いただいております。

特筆すべきは、日本国内にとどまらず、アジア全域におけるクラウドERP展開の牽引役として、過去長年にわたり毎年のように数多くの名誉あるアワードを連続受賞させていただいている点です。こうしたアジア圏全体での実績の積み重ねが、直近のOracle NetSuite「Japan Solution Provider Partner of the Year 2025」の栄誉にも直結しており、多くのお客様やパートナー様から確固たる信頼をお寄せいただいております。

さらに、弊社が提供する導入メソドロジー「SuiteSuccess」は、25年以上にわたり蓄積された業界特化型のベストプラクティス、事前設定されたダッシュボードやKPIを活用する手法です。このアプローチにより、システム導入にかかる時間を劇的に短縮し、ITサービスのコストを40%から65%、事業継続コストを45%から65%削減することが実証されています。

5-2. ベンダー依存を脱却させる管理者トレーニングと、成長を支える運用保守サポート

他社ベンダーにはない弊社の際立った強みは、お客様を「ベンダー依存から自律的運用へと導く」定着化支援(トレーニングサービス)と、ビジネスの成長に伴走する手厚い運用保守サービスです。「システムを納品して終わり」ではなく、お客様のIT・DX推進担当者が自ら環境をコントロールできるようになるまで伴走いたします。

提供される主要トレーニング対象と獲得できるスキル・成果
SuiteAnalyticsトレーニング経営企画やデータアナリスト向け。ドラッグ&ドロップ操作による高度なピボットテーブル作成、部門を横断した複合的なグラフ(チャート)構築、ダッシュボードでのリアルタイム可視化スキルを習得していただきます。
Formula(計算式)トレーニング業務改善リーダー向け。「支払遅延時の自動警告」や「利益率に応じたインセンティブ自動計算」など、ノーコードで業務特有のルールや自動判定ロジックをシステムに組み込む手法を学んでいただきます。
管理者向けトレーニングIT部門向け。子会社追加時の初期セットアップ、承認フロー(ワークフロー)の自社設計、フォームや項目の追加など、組織変更や事業拡大に伴うシステム設定変更を社内で完結できる体制を構築します。

これらのトレーニングはGoogle Meetを用いたリモート実施や、お客様専用のSandbox(テスト環境)上でのハンズオン形式で提供されるため、実践的なスキルが確実に定着します。

さらに、ITリソースが不足している企業向けには、「運用支援・保守サービス」も充実しています。日常的なQ&Aに対応する専用ポータルに加え、情報システム部門様に代わってNetSuiteの運用や権限設定を行う「BPO(業務代行型運用支援)」や、年2回の自動アップデートの影響を事前に検証する「リリースプレビュー確認」など、多彩なカスタマーサクセスメニューをご用意しております。

実際、ある上場化粧品会社の事例では、元の導入ベンダーのサポートが弱く、組織変更に伴うシステム対応に1週間以上を要し大きな負担となっていました。しかし、弊社の運用支援・保守サービスに切り替えてシステムを最適化した結果、その作業がわずか2時間で完結するようになり、人為的なミスや設定漏れのリスクも激減したという大変嬉しいお声をいただいております。

運用だけでここまで改善!NetSuiteの保守サポート事例:組織変更作業を5分の1に圧縮

5-3. アジア展開を支える多言語対応と「統合DXプラットフォーム」の構築力

日本企業がASEANや中国市場へ進出し、2層ERP(NetSuite OneWorld)を展開する際、現地の商習慣、税制、そして言語の壁がプロジェクトの致命的なハードルとなります。弊社は、日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、インドネシア語などに精通した多言語ITコンサルタントチームをアジア各地に配置しており、極めて高品質なローカライゼーションサービスをワンストップで提供しています。これにより、日本の本社が求める厳格なガバナンス要件と、現地スタッフが求める母国語での手厚いサポートを完全に両立させることができます。

また、弊社が目指しているのは、単一のERPソフトウェアの導入に留まりません。お客様の「現在」を安定させ、将来の選択肢を広げるための「持続可能な統合DXプラットフォーム」の構築です。

  1. 中核基盤としてのOracle NetSuite:
    財務・会計、販売・購買・在庫などの基幹データを一元管理し、リアルタイムな経営の可視化を実現します。
  2. 未来を予測するWorkday Adaptive Planning
    NetSuiteの最新実績データと連動し、予算管理、フォーキャスト、複数シナリオ分析を高度化するEPM(企業パフォーマンス管理)を統合します。
  3. プロセスを自動化するiPaaS連携:
    世界的シェアを誇る「Workato」や「Celigo」といったiPaaSを活用し、既存のレガシーシステムや他のSaaS群とNetSuiteをAPIでシームレスに結合。手作業によるデータ連携を完全に排除します。

この3層のエコシステムを、お客様の要件に応じて最適にデザイン・実装できる総合力こそが、我々Shearwater Japanが多くのお客様から支持をいただいている理由です。


6. まとめ:データ駆動型経営への不可逆的なシフト

「2025年の崖」の顕在化、そしてインボイス制度の段階的控除率引き下げや電子帳簿保存法の完全義務化は、日本のIT・DX推進担当者に対し、既存システムのパッチワーク的な延命措置を直ちに放棄し、根本的なアーキテクチャの刷新へと踏み出すよう強く迫っています。オンプレミス環境に固執し続けることは、肥大化する維持コストに企業体力を奪われるだけでなく、最新の生成AIテクノロジーがもたらす圧倒的な生産性向上の恩恵を放棄することと同義です。

オンプレミス環境からのクラウド移行という経営課題に対する最適解は、「Oracle NetSuite」の採用に他なりません。日本の複雑な法改正を自動アップデートで吸収する「Japan Localization SuiteApp」、グローバル展開を加速させる2層ERPモデル「OneWorld」、そして2025年・2026年を通じて実装された「NetSuite Next」や「Text Enhance」等のAI機能群は、導入企業を真のデータ駆動型経営へと導く強力なエンジンとなります。

そして、この戦略的なクラウドERP導入プロジェクトのリスクを最小化し、投資対効果を最大化するためには、アジア最大級の実績と「Partner of the Year」の称号を持ち、自律的運用に向けた高度なトレーニングから、iPaaSやEPMを組み合わせた統合DXプラットフォームの構築までをワンストップで提供する「Shearwater Japan」をパートナーとして選定することが、最も論理的かつ確実なアプローチです。

ERP移行は、単なるシステムの入れ替えではなく、企業競争力の再定義です。自社の未来の成長基盤を確固たるものにし、「2025年の崖」や複雑なグローバル要件を乗り越えるため、まずは自社システムポートフォリオの棚卸しやクラウドERP導入の第一歩として、ぜひ我々Shearwater Japanにお気軽にご相談ください。


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Shearwater Japan株式会社は、アジアNo.1の NetSuiteパートナーです。
2012年の設立以来、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国の各地域のクライアントと、Oracle NetSuite(https://www.netsuite.co.jp)、Workday Adaptive Planning(https://www.workday.com)、Workato(https://workato.jp)などの導入パートナー企業として、共に急成長を遂げてきました。
プロジェクト管理、コンサルティング、開発、他システムとの連携等を全てワンストップサービスで提供でき、自社海外拠点(中国、シンガポール、台湾、マレーシア)があるため海外展開先でも手厚いサポートに実績がございます。

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1. NetsSuite導入インタビュー Tableau IFRS

2. NetSuiteと他社のERPの違いを解説

https://netsuite1.sw-lp.com/

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AI時代に勝つグローバル経営の条件:海外拠点の「見えない経営」からの脱却。「二層ERP」とAIが導く、リアルタイム·データ統合戦略とは

世界市場の競争が激化する中、海外拠点の財務・在庫状況をリアルタイムで把握することは、経営判断の根幹を成す急務です。しかし、多くの企業が海外拠点の状況が「見えない」まま経営を続けており、経営判断を遅らせ、機会損失のリスクを招くことになります。 本資料では、大規模な投資をせずに世界中の拠点の状況を瞬時に把握する「二層ERP」戦略の全体像と、JVCケンウッドの成功事例をご紹介します。

この資料でわかること

  • 海外拠点の経営データがリアルタイムに可視化できない「根本原因」と構造的な打開策
  • 本社システムを刷新せずに実現する「二層ERP」の全体像と、AIがもたらすデータ統合の未来
  • ベンダー依存を断ち切り”自走する組織”を実現するパートナー選びの要諦
  • JVCケンウッドが実証した、ローリスク・ハイスピード導入のロードマップ

【事例紹介】JVCケンウッドが挑んだ海外拠点のリアルタイム可視化と「ベンダー依存」からの脱却

導入先企業:株式会社JVCケンウッド
導入システム:Oracle NetSuite

直面していた主な課題

  • 親会社システムの限界:
    全社統一の仕組みが存在していたものの、各海外拠点のローカライズ要求に柔軟に対応できなかった。
  • データ不整合とスピード不足:
    国別アイテムマスターが保持できず、既存システムやExcel経由のデータ集計が中心となっていた。
  • 現地業務の複雑化と二重入力:
    海外現地で独自の仕組みが乱立し、それぞれのシステムへ手動でデータを再入力せざるを得ない非効率な状態だった。

対談者の声

Shearwater Japan 代表取締役社長 [バソ・バティスト]

システムオーナーシップを自社で持つこと。これがスピード感を持った経営には不可欠です。まずは一つの拠点で始めて成功体験を積み、次の拠点へ広げていくのがグローバル展開を現実的に進める方法です

日本オラクル株式会社 執行役員 [渋谷由貴 氏]

(Shearwater Japanは)お客さまのご要望をいい意味で聞き過ぎない。本質的に必要ないと判断したときはきちんとアドバイスをする。現場に寄り添いつつも、経営として守るべきポイントを標準として実装している。そこが信頼できる大きなポイントです。

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IPO・内部統制対応で必須の「経営管理高度化」とは?Excel管理の限界と基盤構築

はじめに:上場準備フェーズで直面する経営管理の壁

新規株式公開(IPO)を目指す企業にとって、事業規模の拡大やトップライン(売上高)の成長と並行して不可欠となるのが、内部統制の整備を強固に支える「経営管理基盤の抜本的な見直し」です。これまで事業成長や意思決定のスピードを最優先してきたスタートアップや新興企業においては、業績管理や予算編成をスプレッドシート(Excel)で行っているケースが極めて多い状況です。しかし、上場準備(N-3期〜N-1期)の本格的なフェーズに移行すると、従来の属人的かつ手作業に依存した運用では監査法人の要求水準を満たすことができず、様々な経営課題が表面化します。

本記事では、IPO準備企業が直面する経営管理の課題や、2024年4月に適用が開始された内部統制報告制度(J-SOX)の改訂ポイントを紐解きながら、上場審査に耐えうるシステムの要件を網羅的に整理します。その上で、具体的な解決策として、先進的なクラウドソリューションを活用した企業の持続的成長の実現方法について、経営層が把握すべき高度な視点から詳述します。



IPO準備企業が直面する経営管理の課題

IPO準備フェーズに入ると、企業は単なる利益追求の集団から、公共性の高い上場企業として社会的責任と透明性を果たす組織へと脱皮しなければなりません。このプロセスにおいて、経営管理体制には質的な転換が求められます。

IPO準備で求められる管理体制

未上場企業がIPOを目指す場合、証券取引所の規則に基づき、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に準ずる監査(準金商法監査)を受け、監査法人等から無限定適正意見を表明されることが必須となります。これは、会社法に基づく監査を超えて、投資家等に対して極めて有用かつ精緻な財務情報を提供するための土台となります

IPO準備に入ると、トップダウンによる直感的な意思決定を中心とした組織から、整備されたルールに基づく「適正で再現性のある管理体制」への転換が求められます。具体的には、将来の業績目標を設定するだけでなく、その根拠となる数値の正確性を担保した上で、予算と実績の差分(予実ギャップ)を素早く把握する仕組みが必要です。月次単位で予実ギャップの要因を正確に分析し、タイムリーに経営陣へ報告できる体制の構築が、上場に向けた必須条件となります。特定の担当者に頼らない組織的な運用プロセスを確立することで、事業規模が急拡大しても安定した経営判断を下すことが可能になります。

上場審査で重視されるポイント

証券会社や証券取引所による上場審査においては、企業から提出される開示情報や業績予想の信頼性が極めて厳しく検証されます。東京証券取引所の有価証券上場規程第231条等では、「事業計画の合理性」「内部管理体制の有効性」が審査の重要な柱として明記されており、企業グループ全体の事業計画がビジネスモデルやリスク要因を踏まえて適切に策定されているかが問われます。

特に、業績予想の信頼性は投資家保護の観点から最重要視されます。実績数値と予測データに大幅な乖離が生じた場合、その原因を論理的に説明し、即座に改善策を講じられる組織能力が必要です。上場企業には、当事業年度の個別売上高が前年度と比較して10%以上増減した場合や、経常利益・当期純利益が直近の予想値から30%以上増減した場合には、適時開示を行う義務が課せられています。決算数値や各種指標が改ざんや計算ミスなく算出されているかという「データ作成プロセスの正当性」も強く注視されるポイントであり、担当者の独断ではなく適切な権限に基づく承認フローを経てデータが作成されているかが、非常に重要な審査基準として扱われます。

内部統制整備の重要性

上場企業には財務報告の信頼性を確保するため、内部統制評価制度(J-SOX)への厳格な対応が法律によって強く義務付けられています。この内部統制は形式的な書類作成にとどまらず、不正やミスの防止と業務効率化を同時に実現するための重要な経営インフラとして機能します。会社法第362条においても、取締役会は内部統制システム(業務の適正を確保するための体制)の構築を決定する義務を負っており、経営陣の根幹的な職務とされています。

参考:財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(金融庁)

さらに、2008年の制度導入以来15年ぶりとなる大規模な基準改訂が行われ、2024年4月1日以後に開始する事業年度から新基準が適用されました。この改訂は、IPO準備企業にとって経営管理体制の見直しを迫る極めて重要な転換点となっています。

2024年J-SOX改訂の主要項目改訂内容と経営層へのインサイト求められる実務対応
報告の信頼性への拡大内部統制の目的が「財務報告の信頼性」から「報告の信頼性」へと拡大されました。ESGやサステナビリティなど非財務情報の重要性が高まったことが背景にあります。財務データだけでなく、非財務データを扱うシステム全般のデータ統合と統制が求められます。
不正リスクへの対応強化リスク評価において「不正リスク」を的確に考慮することが明文化されました。経営者自身による内部統制の無効化リスクも注視されます。システム上の職務分掌(SoD)の徹底、特権IDの厳密な管理、自動化された承認ワークフローの強制が必要不可欠となります。
評価範囲の質的判断従来の「売上高の3分の2」といった機械的な基準から脱却し、M&A直後の拠点や海外拠点など「質的重要性の高い拠点」を評価範囲に含めることが求められました。グループ全体のデータを可視化し、海外拠点を含めたリアルタイムな情報収集を可能にするグローバルERPの導入が急務となります。
IT統制とセキュリティクラウド利用の拡大やサイバーリスクの高まりを受け、外部委託先のIT統制や情報セキュリティの確保が強く要求されましたシステムベンダーのSOC1/SOC2レポートの取得確認や、強固なアクセス制御を持つエンタープライズクラウドへの移行が必須となります。

経営管理領域においても、誰が、いつ、どのような理由で数値を修正したのかを追跡できる透明性の高いガバナンス体制が求められます。強固な内部統制を早期に確立させることで、外部の投資家や監査法人からの信頼を獲得するための盤石な土台が完成します。


なぜExcel管理では限界が来るのか

創業期から成長期にかけて多くの企業が利用するExcelは、柔軟性と手軽さから重宝されます。しかし、経営管理の高度化やJ-SOX対応が求められるIPO準備フェーズにおいては、その利便性が逆に致命的な経営リスクへと変貌します。

属人化した業務プロセス

2025年の実態調査によると、予算管理や業績管理において主にExcelを使用している企業は全体の59%に上る一方で、その担当者の72%が「経営への悪影響」を強く懸念していることが判明しています。特に従業員数が100名を超える規模に成長した企業において、手作業による管理の限界に対する危機感が鮮明になっています。

多くの企業で活用されるExcelによる予算管理や将来予測は、特定の担当者の個人的なスキルに強く依存してしまう傾向があります。複雑な関数(VLOOKUPやINDEX/MATCH等)やVBAマクロで組まれたファイルは作成者以外に修正が難しく、運用全体のブラックボックス化を引き起こす原因となります。このような属人化した体制では、担当者の突然の退職や部署異動によって経営管理業務が完全に停滞するリスクを排除できません。組織が拡大しても業務手順を標準化して共有できない点は、上場を目指しガバナンスを強化する上で致命的な課題となります。

参考:【実態調査】Excel予算管理、担当者の72%が「経営への悪影響」を懸念。

データ整合性の問題

部署ごとに独自のExcelファイルで業績管理が行われると、手入力による転記ミスや最新版ファイルの誤上書きが頻発します。その結果として全社の集計結果に不整合が生じ、どのファイルに記載された数値が正しい(Single Source of Truth)のか判別不能な状態に陥ることが少なくありません。調査では、Excelで予算管理を行う担当者の76%が「データ収集」と「データ集計」に多大な苦労を強いられていると回答しており、「半年間入力ミスに気づかずに経営判断を下していた」という深刻な失敗事例すら報告されています

数値の不整合が発生するたびに過去のファイルを遡って修正作業を行うため、担当者の膨大な時間と労力が無駄に消費されます。データの正確性が確保できない不安定な環境では、経営陣が正しい現状把握を行うことすら極めて困難になり、上場審査における事業計画の合理性説明において致命的な欠陥を露呈することになります。

証跡管理・監査対応の負荷

J-SOX監査において最も重視される要件の一つが、IT全般統制(ITGC)の有効性評価です。ITGCは全システムに横断的に適用される統制であり、これが機能しなければ個別の業務処理統制(ITAC)の有効性も認められません。一般的なファイル管理では、ITGCが求める「誰がどの数値をいつ変更したのか」という詳細な変更履歴(証跡)をシステム的に残すことが構造上困難です。

IT全般統制(ITGC)の必須領域監査法人からの主な要求事項Excel管理におけるリスク
アクセス管理データへの不正アクセス防止、職務分掌(申請者と承認者の分離)、特権ID管理パスワード保護をかけても、ファイル共有後は誰が閲覧・編集したかの監査ログを担保できない。
プログラム変更管理システム設定やロジック(計算式)変更時の申請、テスト、承認、本番反映の記録セル内の計算式を誰でも自由に変更・破壊可能であり、意図的な不正改変や誤操作を防止・追跡する手段がない。
システム運用管理データの確実なバックアップと障害対応、バッチ処理等の監視個人のローカルPCやファイルサーバーに散在するため、データ消失リスクが高く、全社的なバックアップ統制が効かない。

監査法人から過去の数値変更に関する根拠や経緯を求められた際に、企業側は迅速かつ正確な証明を行うことができません。過去のメール履歴や複数のファイルを片っ端から探す対応を余儀なくされ、監査対応の現場に極めて重い業務負荷がのしかかります。このような確認作業の長期化は担当者の疲弊を招くだけでなく、内部統制の「開示すべき重要な不備」として指摘されるリスクを高め、上場準備スケジュール全体を遅延させる大きな要因となります。

参考:システム管理基準 追補版 (財務報告に係るIT統制ガイダンス)


IPO・内部統制対応で必要な経営管理基盤とは

前述のExcel管理の限界を打破し、IPO審査と内部統制要件をクリアするためには、クラウドベースの統合的な経営管理基盤(ERPおよびEPMソリューション)の導入が不可欠です。ここでは、経営管理高度化に求められる3つの重要な視点を解説します。

正確な経営データ管理

上場企業にふさわしい経営管理基盤を築くには、社内に分散する各種データ(財務、販売、購買、人事等)を一元的に集約できる共通データベースの構築が不可欠です。基幹システム(ERP)や営業・マーケティングツールとのデータ連携を自動化することで、手作業による転記作業に伴うヒューマンエラーを根本から完全に排除できます。

標準化されたデータ基盤が存在することで、全社で常に信頼できる単一のデータ源(Single Source of Truth)を参照した精度の高い意思決定が可能となります。データの正確性が担保されて初めて、高度な業績分析や将来予測のシミュレーションが経営戦略において意味を持つようになります。経営管理システム上に早期に実績が反映されることで、予算と実績が乖離した場合の原因究明プロセスが迅速化し、目標達成に向けた施策の軌道修正を即座に行うことが可能となります

権限管理とガバナンス強化

新時代の経営管理システムでは、利用者の役職や所属部署に応じた細粒度なアクセス権限および編集権限(ロールベース・アクセス・コントロール)の設定機能が必要不可欠です。権限を厳格に制御し、開発者と本番運用者、あるいは申請者と承認者をシステム上で分離(職務分掌:SoD)することで、重要データの不正閲覧や予期せぬ誤操作による数値破綻を未然に防ぐことができます。

加えて、データの変更操作がシステム内に自動で記録される「監査ログ機能」を備えることが、全社的なガバナンス強化の要となります。誰が、いつ、どの画面で、どのような値を変更したのかがシステムに不可逆的に記録されるため、明確な承認ワークフローと履歴保持の仕組みを導入することで、内部統制の求める厳しい要件を確実に充足させることができます。これにより、監査法人への証跡提出にかかる膨大な工数が劇的に削減されます。

グループ全体の可視化

事業の多角化やM&Aを通じた子会社化を積極的に推進する成長企業においては、個別の事業数値だけでなくグループ連結での経営状況を迅速に把握する必要があります。2024年のJ-SOX改訂において「質的重要性の高い拠点」として、企業結合直後の拠点や海外拠点が明示されたことにより、親会社だけでなく子会社の統制状況も厳しく問われるようになっています

拠点ごとにバラバラだったシステムや集計指標を統一し、リアルタイムで全体数値を集約する統合的なシステム環境の構築が強く求められます。経営陣がダッシュボードを通じてグループ全体の状況(多通貨・複数会計基準対応)を俯瞰できれば、問題が発生した事業部を即座に特定して対策を打つことができます。可視化されたデータに基づく各拠点間の迅速な連携が、組織全体の経営精度と対応スピードを大きく引き上げる結果をもたらします。


経営管理高度化が企業成長を支える

経営管理基盤の高度化は、IPOという一過性の審査を通過するためだけの「コスト」として捉えるべきではありません。それは、上場後の企業の持続的成長を中長期的に支え、企業価値(時価総額)を最大化するための不可欠な「投資」です。

IPO後にも求められる経営管理

新規上場企業においては、一定の条件を満たせば上場後3年間の内部統制監査が免除される特例措置が存在します。しかし、ここで免除されるのはあくまで監査法人による「監査証明」であり、経営者自身が内部統制を評価し「内部統制報告書」を提出する法的義務は継続する点に強く留意しなければなりません。

上場達成後は、投資家に対して四半期ごとの迅速かつ正確な業績開示と、精度の高い業績予想のアップデートが恒常的な義務として求められます。管理体制が脆弱なまま上場を果たし、頻繁な業績予想の下方修正や過年度決算の訂正を行う事態になれば、株式市場からの信頼失墜を招き、結果として企業価値を大きく損なう重大なリスクに直結してしまいます。IPO準備のN-3〜N-2段階で整え、運用実績を積んだ堅牢な管理基盤こそが、上場後の厳しい市場からの期待に応え続けるための強固な土台となるのです

迅速な意思決定と統制の両立

「ガバナンスや統制を強めると組織の意思決定スピードが低下する」という心配は、スタートアップ経営層からよく聞かれる懸念事項です。しかし、これはレガシーなシステムや手作業による確認プロセスを前提とした誤解であり、適切なクラウド基盤を導入することで完全に解消できます。

データの自動集計や不整合の修正といった付加価値を生まない単純作業から解放されることで、経営企画やCFO部門は、集計結果の分析や対策の検討といった本来の戦略的業務に時間を集中できるようになります。正確なデータが即座に手に入る環境が整えば、リスクを抑えながらもスピード感を持った大胆な経営判断が可能となります。統制の利いた組織体制と俊敏な意思決定(アジリティ)という相反する二つの要素を、高度な経営管理基盤が同時に実現させるのです。

持続的成長を支えるデータ活用

蓄積された高品質な経営データを多角的に分析することで、事業ごとの採算性や将来の収益性を正確にシミュレーションすることができます。複数の変数(為替レート、人件費、原材料費など)を変動させた感度分析(What-Ifシナリオ分析)を活用したリスクシナリオの検討は、不確実性の高い現代の市場環境を生き抜くための強力な武器となります。

適切なデータ活用に基づき、不採算事業へのリソース投下を早期に抑制し、次の成長分野へ迅速に経営リソースを再配分することで、企業は持続的な成長軌道を描き続けることができます。強固な管理体制から得られる深い洞察と示唆が、中長期的な企業価値の向上を力強く後押しする原動力となります。


Shearwater Japanによる経営管理基盤構築支援

IPO準備企業が直面するこれらの複雑な課題を解決し、堅牢かつ柔軟な経営管理基盤を構築するためには、高度な技術力と豊富な導入知見を有するプロフェッショナルなパートナーの存在が不可欠です。アジアを代表するDXコンサルティングファームである弊社Shearwater Japanは、その最適解を提供します。

IPO準備企業への支援実績

Shearwater Japanは、14年以上にわたり財務自動化やクラウドソリューション導入を支援してきた確かな実績を有しています。特に、世界中で43,000社以上が利用するクラウドERP「Oracle NetSuite」の5スターパートナーとして認定されており、日本国内およびアジア圏において導入実績No.1(グループ全体で300件以上)を誇ります。

IPO準備企業特有の課題や、監査法人が求める厳格なJ-SOX基準を熟知した専門チームが、各社のフェーズに合わせた最適な構築手法を提案します。日本、中国、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピンといったアジア10カ国以上に自社拠点を展開する豊富な支援ノウハウを活用することで、多言語・多通貨が絡むグローバル展開企業の内部統制構築をスムーズな解決へと導きます。自社の状況に合った現実的なゴールを共に設定し、最短ルートでの強固な経営管理体制確立を専門的見地から強力に後押しします。

経営データ統合と可視化

Shearwater Japanの最大の強みは、統合ERPである「Oracle NetSuite」と、直感的で高度な予算編成・業績管理(EPM)クラウドである「Workday Adaptive Planning」をシームレスに連携させたパッケージ提案力にあります

例えば、クラウドワークス社においては、Shearwater Japanの支援によりWorkday Adaptive Planningを導入し、既存のOracle NetSuiteとAPI開発なしで連携を完了させました。これにより、事業部側で独自にリアルタイムの業績ダッシュボードを作成・編集することが可能となり、本社の作業を待つことなく事業部内のPDCAサイクルのスピードを劇的に上げることに成功しています

株式会社クラウドワークス、予算管理クラウド「Workday Adaptive Planning」の採用を発表

さらに、昨今のシステムトレンドとして、AI(人工知能)技術のERP/EPMへの統合が急加速しています。2025〜2026年のNetSuiteのトレンドは「AIが付加機能から中核になった2年間」と定義されており、AIが業務プロセスそのものを駆動するエンジンへと進化しています。Shearwater Japanは、これらの最新テクノロジーを的確に実装し、エラーの自動検知や予測分析の高度化を通じて、手作業を完全に排除した次世代のデータドリブンな意思決定プラットフォームを提供します。

内部統制強化と運用定着

IPO準備企業にとって、「いつまでにシステムを稼働させ、監査対応に耐えうる運用実績(証跡)を作れるか」は上場スケジュールを左右します。Shearwater Japanは、単なるツールの導入作業にとどまらず、J-SOXなどの内部統制要件を満たす運用設計まで踏み込んだ総合的な伴走支援を提供します。

導入アプローチの比較従来のオンプレミスERP開発Shearwater JapanによるクラウドERP導入
導入期間要件定義から稼働まで1年〜数年が一般的業種別ベストプラクティス(SuiteSuccess)適用で最短100日〜
内部統制(J-SOX)対応自社で膨大なIT全般統制(ITGC)の検証と証跡設計が必要標準機能で操作ログを自動記録し、ベンダー提供のSOC1/SOC2レポート活用で監査対応を簡略化
システムの保守・拡張性バージョンアップのたびにプロジェクト化と追加費用が発生年2回の自動アップデートにより陳腐化を防ぎ、常に最新の機能とセキュリティを利用可能

現場の担当者が混乱なく新しいシステムを使いこなせるよう、丁寧なトレーニングと質の高い運用サポートを継続的に実施します。導入後も専任のカスタマーサクセスチームが伴走し、組織拡大に伴う運用改善のサポートを実施することで、現場と経営陣の双方が納得できるスムーズな運用を実現します。これにより、強固な管理体制の定着を確実に果たし、企業の持続的な成長を力強く支えます。


まとめ

IPO準備に向けた経営管理基盤の見直しは、単なる証券取引所の審査対策や古いツールの置き換えではありません。それは、企業が組織として不確実な市場環境を生き抜き、持続的に成長し続けるための最も重要な構造改革です。

2024年のJ-SOX基準改訂により、「報告の信頼性」や「不正リスクへの対応」に対する要求水準はかつてなく高まっており、個人の勘や手作業(Excel)に依存したフェーズからの脱却はもはや待ったなしの状況です。データに基づく組織的かつ透明性の高い経営体制へ移行し、強固なガバナンスと迅速な意思決定を両立させることが、上場とその先のビジネスの成功を決定づけます。

Excel管理の限界を感じて深刻な経営リスクを抱えている企業様や、IPO準備の限られたスケジュールの中で確実に内部統制を確立したいとお考えの企業様にとって、経営管理の高度化は最優先で取り組むべき課題です。信頼される上場企業への確実な進化に向けて、国内およびアジアで豊富な知見と実績を持つ私たちShearwater Japanにぜひ一度ご相談ください。貴社の管理体制見直しの新たな一歩を、専門チームが全力でサポートいたします。


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AI時代の「経営データ基盤」とは?基盤構築の重要性とデータドリブン経営

はじめに:AIの真価を引き出すのは「データ」である

AI時代における真の経営データ基盤とは、社内外に散在する情報を単に一箇所に集める物理的な貯蔵庫ではなく、AIが直接データを読み取り、学習し、高度な推論をリアルタイムに実行できるよう整備された「Single Source of Truth(信頼できる唯一の情報源)」を指します。

現在、日本国内のビジネス環境において、AI(人工知能)の導入やDX(デジタルトランスフォーメーション)は企業の存続を左右する最重要の経営アジェンダとして位置づけられています。総務省が公表した2026年版「情報通信白書」によれば、日本国内で生成AIを利用した経験のある個人の割合は58.8%に達し、前年の26.7%から2倍以上に急増しました。しかしながら、米国やドイツの75.6%、中国の93.6%という圧倒的な利用率と比較すると、依然としてグローバルな競争環境において後れを取っているのが実態です。

こうした背景の中、多くの企業が競争力を高めるために多大な投資を行い、AIツールを導入しています。しかし、経営層や現場からは「期待した投資対効果(ROI)が得られない」「日々の業務効率化や高度な経営判断にAIをうまく活かせていない」という声が絶えません。この乖離を生む根本的な原因は、AIアルゴリズムそのものの性能不足ではなく、AIに供給される「データ」の質と構造が致命的に不足している点にあります。

AIは無から有を生み出す魔法のツールではありません。「Garbage In, Garbage Out(無価値なデータからは無価値な結果しか生まれない)」という厳格な原則に従うシステムであり、AIがその真価を発揮するためには、分析や学習の対象となるデータが全社横断で正しく整備され、常に最新かつ高品質な状態で連携されている必要があります。

本記事では、「AI データ基盤」「データドリブン経営」の最適解に向けて、なぜ強固な経営データ基盤が不可欠なのか、企業が陥りがちなデータの罠とは何か、そして具体的にどのようなアーキテクチャを構築し、AIを経営の自律的なエンジンとして駆動させるべきなのかを、2026年の最新動向を踏まえて解説します。

円安・為替変動時代に求められるグローバル経営とは



なぜAI活用が進まない企業が多いのか

結論から言えば、AI活用が進まない企業の大部分は、「AIモデル」への過剰な投資に対し、AIを駆動させるための「データ基盤」への投資と整備を軽視しているためです。ここでは、その深層にある理由と現実の課題を解き明かします。

AI導入ブームと現実のギャップ

多くの企業が最先端のAI技術を導入しようと意気込み、多大な資金と時間を投資してプロジェクトを立ち上げています。しかし、実際に業務の効率化や新たな価値創造に結びつき、全社レベルでの利益貢献に達しているケースは驚くほど少ないのが現実です。

野村総合研究所の調査(2025年)によると、国内大企業の57.7%がすでに生成AI(Generative AI)を導入しており、AI活用は「検討事項」ではなく「経営の前提条件」となっています。しかし、同年のMcKinseyの調査では、AIの活用が全社レベルでEBIT(利払い・税引き前利益)に5%以上貢献している企業はわずか6%にとどまるという残酷な現実が示されています

調査機関(2025年実施)AI導入とビジネス成果に関する重要指標
野村総合研究所国内大企業の57.7%が生成AIを導入済み
McKinseyAIが全社EBITに5%以上貢献している企業はわずか6%
S&P Global企業の42%がAIプロジェクトの大半を中止(前年17%から急増)
BCG約60%の企業がAI投資から実質的な価値を生み出せていない

この巨大なギャップの背景には、高度なアルゴリズムさえ導入すれば、魔法のように自動で自社の複雑な課題が解決するという過度な期待が存在しています。現実のAIは自律的に意志を持って考えるわけではなく、提供されたデータからパターンを学習して判断を下す仕組みであることを経営層は深く認識しなければなりません。AIプロジェクトの約半数が中止に追い込まれているという事実は、基盤となるデータ環境が整っていない状態で高度な技術を適用しようとした結果、AIが「幻覚(ハルシネーション)」を起こしたり、実用に耐えない分析結果を出力したりすることに起因しています。

▶参考URL:
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/files/000054794.pdf / https://www.mckinsey.com/capabilities/quantumblack/our-insights/the-state-of-ai

AI導入より先に必要なもの

AIの性能を最大限に引き出すためには、分析や学習の素材となる高品質なデータを大量に蓄積している必要があります。どれほど優れた数億円規模のAIシステムを導入したとしても、入力する情報が不適切、不完全、あるいは陳腐化していれば、期待するような高精度な予測や分析の結果を得ることはできません。

したがって、最先端のツールやAIエージェントを買い求める前に、自社内にどのような情報が存在し、それらがどのような形式で保管されているかを整理することが先決です。現在、日本企業における生成AIの活用方針策定状況を見ると、大企業では約56%が方針を定めているものの、中小企業では約34%にとどまっており、データ活用に向けた土台作りに大きな規模間格差が生じています

社内のデータ蓄積状況を正確に把握し、システムやAIがAPIなどを通じて容易に読み込める状態に整えることこそが、すべてのAIプロジェクトの出発点となります。AIアルゴリズムはビジネスを推進するエンジンであり、データはそのエンジンを動かす燃料です。精製されていない粗悪な燃料を注げば、いかに最新鋭のエンジンであってもエンストを起こすのは必然と言えます。

データが整備されていない企業の共通課題

デジタル化の遅れに悩む企業では、蓄積された情報の多くが不正確であったり、必要な項目が欠落していたりする傾向が見られます。このような環境下では、データサイエンティストや分析担当者が業務時間の大部分を情報のクレンジング(欠損値の補完や表記揺れの修正)やフォーマットの統一作業に費やすことになり、本来の付加価値を生む分析業務に集中できません。

ある2026年の調査によれば、マーケティングや経営企画の担当者が、データの抽出・加工・レポート作成のためだけに月間20時間以上を費やしていると回答した企業が全体の50.2%にのぼることが明らかになっています。これは、経営の根幹を担う人材の貴重なリソースが、単なる「データの準備作業」によって毎月数日分も浪費されていることを意味します。

参考:データ統合に関する意識調査(2026年)

また、古い形式のファイル、システムから出力された非構造化データ、あるいは手書きの書類がそのまま残されているケースも多く、システムへの取り込み自体が大きな障壁となっています。このように情報の土台が不安定で、かつ手作業によるデータ加工に依存している状態では、激変する市場環境に対して迅速な意思決定を支援するための環境を構築することは極めて困難であり、AI導入以前の深刻な経営課題として直視する必要があります。


AI活用を阻む経営データの問題

データの整備不足がAI導入の障壁となることを理解した上で、具体的に企業内部でどのようなデータ問題が起きているのかを深掘りします。次に、AI活用を阻む決定的な要因である、経営データが抱える構造的な問題について詳しく解説していきます。

部門ごとにデータが分断されている

日本の多くの組織において、営業部門はSFA/CRM、製造部門は生産管理システム、財務部門は独立した会計ソフトといったように、各組織がそれぞれ個別のシステムを導入して業務を行っています。その結果、本来つながっているべき顧客情報、在庫情報、売上情報が各部署の中に閉じ込められてしまい、経営陣が組織全体の状況を俯瞰して把握することができません。

このようなシステムやデータの孤立状態は「データのサイロ化」と呼ばれ、全社的な業務改善や新たなAI戦略立案を大きく阻害する要因となっています。メルカートが2026年に実施した調査では、事業会社の経営層の58.0%が「自社のデータ分断(サイロ化)が、AIの学習・活用を阻害し、競合他社との経営能力の差を広げる決定的な要因になる」と強い危機感を示しています

それにもかかわらず、「すでにデータ統合済み」と回答した企業は24.2%にとどまり、約3社に1社は「課題ではあるが優先順位は低い」と消極的な姿勢を見せています。部門をまたいだ連携が不十分であるため、重要な意思決定に必要な情報を即座に集約して分析に回すことが不可能になり、結果としてAIが局所的な業務(単一システム内のデータ処理)にしか適用できず、全社的なROIの創出に至らないという悪循環を生んでいます。

データ定義が統一されていない

システムのサイロ化に付随して必ず発生するのが、データ定義(セマンティクス)の不一致という深刻な問題です。たとえ同じ「売上」や「顧客」という言葉を使っていても、部門やシステムによってその定義が異なっていることがよくあります。

例えば、営業部門では「受注・契約成立時点」を売上と見なし、物流部門では「出荷時点」、財務部門では「入金完了時点」を売上として集計しているケースが挙げられます。また、「アクティブ顧客」の定義が、マーケティング部門では「直近3ヶ月にメールを開封したユーザー」であるのに対し、営業部門では「直近1年以内に購買履歴があるユーザー」となっていることも少なくありません。

このように数値の基準やマスターデータの定義が統一されていない状態では、算出されたデータを単純に合算して比較することができません。人間であれば文脈から違いを読み取れるかもしれませんが、AIは与えられたデータをそのまま学習します。定義が異なるデータを混在させてAIに学習させると、予測モデルに深刻なノイズを引き起こし、致命的な経営判断の誤りを誘発します。システム間で情報を統合する際に、定義のズレを手作業で修正する手間が発生し、これが分析のスピードとAIの機械学習プロセスを著しく低下させています。

Excel管理がブラックボックス化している

多くの企業でいまだに業務の主役となっている表計算ソフト(特にExcel)は、手軽で便利な反面、深刻な情報の不透明化と属人化を招きます。ある調査では、バックオフィス業務において「請求書の発行・入金管理」の34%、「資金繰り管理」の27%で依然としてExcelが中心的に使用されていることが示されています。また、Excelでの集計作業やレポーティングにかける時間は平均で月26.5時間に達し、月40時間以上を費やす担当者も16.9%にのぼるなど、現場の大きな負担となっています

各担当者が独自のルールで複雑な数式やマクロを組み込んだファイルを作成するため、第三者にはその計算過程が全く見えなくなります。これが「ブラックボックス化」と呼ばれる現象です。さらに、ローカル環境や部門内の共有フォルダで複数のバージョンが乱立し、「どれが最新で正確なデータなのか」を誰も確信できない状態に陥ります。

担当者の異動や退職に伴ってファイルの修正や更新ができなくなる事態は、多くの職場において日常的に発生している課題です。このように個人のスキルに依存したブラックボックス化が進むと、企業として蓄積・共有すべきデータ資産が永遠に失われてしまいます。生成AIや予測AIを導入しようとしても、参照すべき元データが個人のPC内に眠る暗号化されたようなマクロ付きファイルであっては、AIがアクセスし学習することは物理的に不可能です。


AI時代に求められる経営データ基盤とは

前述したサイロ化、定義の不一致、ブラックボックス化という三重苦を克服し、AIを最大限に活用するためには、根本的なアーキテクチャの刷新が必要です。次に、AI時代に求められる経営データ基盤とは何か、具体的な要件について詳しく解説していきます。

AI活用の前提となるデータ整備

AIに正しい予測や高精度な意思決定を期待するならば、まずは入力データの精度と一貫性を保証しなければなりません。誤った情報、表記揺れ、重複したデータが混入している状態では、算出される結果の信頼性も大きく損なわれてしまいます。

分析に必要な情報が漏れなく、かつ常に最新の状態で維持されているようなクリーンな環境を整えることが最優先です。これには、マスターデータ管理(MDM)の徹底が含まれます。顧客ID、商品コード、取引先情報などの全社共通の「マスターデータ」を厳密に定義し、すべてのシステムがその単一のマスターを参照する構造を作ることが不可欠です。

こうした高品質な情報ソースが常時供給されて初めて、テクノロジーはビジネスにおいて真の価値を発揮します。2026年現在のAI技術、特にLLM(大規模言語モデル)を活用したAIエージェントは、社内の構造化データと非構造化データを掛け合わせて高度な洞察を提示する能力を持っていますが、それも元となるデータがクリーンに整理されていることが絶対条件となります。

データ連携とデータ品質管理

データ基盤の構築において次に重要なのは、データの通り道を整備することです。社内に点在する様々なシステムから情報を自動的に集約し、一元管理するための強固な連携パイプラインの構築が必要です。現在では、APIを活用したエンタープライズiPaaS(Integration Platform as a Service)などの連携ツールを用いることで、ノーコード・ローコードでシステム間をシームレスに結合することが標準的なアプローチとなっています。

さらに、集約された情報が常に一定の基準を満たしているかを監視する仕組み、すなわち「データガバナンス」を整備しなければなりません。データが入力される段階でのバリデーション(入力規則の徹底)や、情報の鮮度を保ちながら不具合を自動的に検知するプロセスを導入することで、手作業による確認の手間を大幅に削減できます。

このデータパイプラインと品質管理プロセスの確立こそが、組織全体で情報を信頼して活用するための揺るぎない基盤となります。AIが自律的にデータを取得しに行く際にも、この品質管理が担保されていれば、経営陣はAIが弾き出した分析結果を疑うことなく次なる戦略に組み込むことができます。

経営データの統合管理

最終的に目指すべきは、財務、人事、営業、サプライチェーンなどの多様な業務領域における情報を、一つの統合されたプラットフォーム上に集約する状態の実現です。これにより、経営陣は組織のあらゆる側面の現状を、一つのインターフェースから包括的に見渡すことが可能になります。

情報が一元化されていれば、ある部門の変動が他の部門に与える影響を動的にシミュレーションすることも容易になります。例えば、「特定地域でのマーケティングキャンペーンが当たり、受注が急増した場合、在庫の引き当てはいつ逼迫し、それに伴う追加の発注資金はいつ必要になるのか」といった部門横断的な問いに対し、基盤上のAIが一瞬で答えを導き出すことができます。

統合管理されたプラットフォームは、単なる過去の実績を集計するツールにとどまらず、企業の現在地を正確に示し、未来の方向性を指し示すための羅針盤の役割を果たします。これこそが、AI時代を勝ち抜くための経営データ基盤の完成形です。


データドリブン経営を実現するために

データ基盤が整備された後、それをどのように経営の現場に活かすのか。単にデータをダッシュボードで可視化するだけではなく、企業文化と意思決定のプロセスそのものを変革する必要があります。次に、データドリブン経営を実現するために、具体的にどのようなことを把握し、実践しておくべきか、詳しく解説します。

経営判断のスピード向上

今日の激変するビジネス環境を生き抜くためには、市場の変化を瞬時に察知し、適切な対策を講じる敏捷性(アジリティ)が求められます。必要な情報を即座に抽出して可視化できる環境があれば、勘や経験だけに頼らない、データという客観的証拠に基づいた迅速な決断が可能です。

これまでの日本企業では、月末の締め作業が完了し、各部署からExcelの報告書が上がってきてから経営会議用の資料を作成するため、経営陣が現状を把握するまでに2週間から1ヶ月のタイムラグが発生していました。データ収集や集計に何週間も費やすような古いプロセスから脱却し、リアルタイムでの現状把握を目指さなければなりません。

最新のデータ基盤とAIを組み合わせることで、意思決定のサイクル(OODAループ:観察、情勢判断、意思決定、行動)を劇的に高速化させることができます。このスピードの差こそが、予測不可能な事象が頻発する現代の激しい競争を勝ち抜くための最大の武器となります。

将来予測への活用

データドリブン経営の真骨頂は、過去の振り返りから、未来の予見、そして最適な行動の提示へと段階を引き上げることにあります。高度な予測モデルを、統合・整備された基盤上で稼働させることで、将来の需要予測や売上シミュレーションの精度が飛躍的に高まります。

過去のトレンドや季節要因だけでなく、外部環境の変化を織り込んだ高度なシミュレーションが自動で実行されます。AIは人間が見落としがちな微細な相関関係を発見し、複数のシナリオ(楽観シナリオ、悲観シナリオなど)に基づく着地見込みを瞬時に算出します。

これにより、過剰在庫や欠品のリスクを最小限に抑えたり、新規投資の最適なタイミングを見極めたりすることが可能になります。不確実性の高い現代において、確かな予測情報に基づいて先手を打つ経営は、極めて強力な競争優位性をもたらします。

部門横断での意思決定

データドリブン経営は、一部の経営幹部やデータサイエンティストだけのものではありません。共通の統合データベースを参照しながら議論を行うことで、部門間の利害対立や部分最適を乗り越えた最適な合意形成が可能になります。

例えば、営業部門と製造部門が会議を行う際、それぞれが自分たちに都合の良い別のデータを持ち寄って議論をしていては、水掛け論に終始してしまいます。しかし、統一された同じ数値データを見ながら議論すれば、主観的な主張ではなく、客観的な事実に基づいて会話を進められるため、不要な衝突や誤解を避けることができます。

組織全体が同じ数値と目標を共有することで、全部門が足並みを揃えて共通の経営戦略の実現に向けて突き進むことができます。この横断的な協調体制の確立が、企業の総合力を極限まで高め、持続可能な成長へと導きます。


Shearwater Japanが支援する経営データ基盤構築

ここまで解説してきた通り、AIの真価を発揮させるためには、強固なシステム連携、データの一元管理、そして高度な予測・分析基盤の構築が不可欠です。最後に、アジアを代表するDXコンサルティングファームとして14年以上の実績と200件を超えるシステム導入を成功に導いてきたShearwater Japanが支援する、最先端の経営データ基盤構築について詳しく解説していきます。

AIを活用した経営へのシフトを本気で目指すのであれば、単なるツールの切り売りではなく、アーキテクチャ全体を俯瞰して設計できるShearwater Japanへの相談が最も確実なアプローチとなります。

システム間データ連携

真のデータ統合を実現するためには、既存の様々なシステムをシームレスに結合する強固なパイプラインが必要です。Shearwater Japanは、エンタープライズ向けiPaaSの注目ソリューションである「Celigo(セリゴ)」を中核に据え、多種多様なERPやCRM、ECサイトなどをシームレスに結合する高度な統合ソリューションを提供しています。

Celigoは、2025年のGartner iPaaS部門において2年連続で「Visionary」に選出された、次世代のインテグレーションプラットフォームです。CRM(Salesforceなど)、ERP(NetSuiteなど)、EC(Shopifyなど)といった分断されたシステムをAPIレベルで柔軟に接続し、手作業によるデータ転記を95%自動解決する強力な機能を持っています。

Shearwaterエンジニアが語る「Celigo」の魅力【社員インタビュー】

もちろん、Shearwater Japanでは「Workato」による全社規模の複雑なワークフロー自動化や、「BlackLine」を用いた決算業務プロセスの高度な清流化も引き続き提供しており、お客様のニーズに応じた最適な連携アーキテクチャの設計が可能です。こうした高度な技術と豊富な実績に基づき、手動での転記作業や二重入力を撲滅し、組織全体のオペレーションをスマートに変革することで、AIが常にクリーンなデータを参照できる土台を作り上げます。

AI活用を見据えたデータ整備

AIを直接業務に組み込むためには、強力なコアとなる統合データベースが不可欠です。Shearwater Japanは、世界で43,000社以上の導入実績を誇るクラウドERP「Oracle NetSuite(オラクル・ネットスイート)」の5つ星認定ソリューションパートナーとして、将来の先進テクノロジー導入ロードマップを見据えたデータ整備を強力に支援します。

NetSuiteは単なる過去の記録としての蓄積にとどまらず、2025年から2026年にかけて「NetSuite Next」をはじめとする強力なAI機能を標準実装しており、以下のような革新的なトレンドを業務に直接取り込むことが可能です。

  • Ask Oracle(自然言語アシスタント):
    「今四半期で未収金残高の多い顧客トップ5を教えて」など、日常的な自然言語で質問するだけで、NetSuite内のデータをAIが瞬時に集計し、直接回答を返します。
  • NetSuite Bill Capture(AI OCR):
    ベンダーからの請求書を読み込み、AIベースの光学式文字認識(OCR)によって情報を自動抽出し、発注書(PO)との照合までを自律的に行います。
  • Text Enhance(生成AIテキスト強化):
    Oracle Cloud Infrastructure (OCI)の生成AIを活用し、商品の説明文の生成、文章の文法修正、そして22言語への自動翻訳をシステム内で完結させます。
  • NetSuite AI Connector Service (MCP対応)
    2026年の最重要トレンドである「Model Context Protocol (MCP)」に準拠し、企業が独自に契約している外部のLLM(ClaudeやChatGPTなど)を、NetSuiteのセキュアなデータ環境に直接接続させる「Bring Your Own AI(自社AIの持ち込み)」を可能にします。これにより、権限管理を維持したまま、外部の高性能AIエージェントに自社の経営データを横断的に分析させることが可能になります。

参考記事:“NetSuite Next” とは?次世代 ERP がもたらす革新
参考記事:NetSuiteとAIを連携する方法

Shearwater Japanは、データモデリングの段階からプロフェッショナルが介在し、データの重複排除や定義の厳密化を徹底的にサポートします。これにより、お客様が将来的に高度な予測システムを導入する際のスムーズな移行と早期の成果創出を約束します。

経営ダッシュボード構築

統合されたデータを「経営の意思決定」へと昇華させるため、Shearwater JapanはFP&A(Financial Planning & Analysis)クラウドの最高峰である「Workday Adaptive Planning」の導入を支援し、経営層から現場のリーダーまでが直感的に状況を把握できるダッシュボードを構築します。

Workday Adaptive Planningは、予算編成、予測、シナリオ分析を直感的なUIで実行できるプラットフォームであり、最新のアップデートにより以下のような強力なAI機能が搭載されています。

  • 予実管理AI(Chat AI機能):
    予実差異が発生した理由をAIが自動で分析し、差異理由のコメントやグラフをスピーディに生成します。
  • Googleスプレッドシート連携:
    使い慣れたスプレッドシート上でChat AIを運用し、プロンプトを入力するだけで、参照データと共にレポートを即座に出力します。
  • 高精度なAIシミュレーション:
    各事業部からの主観的な見通しよりも精度の高い売上予測をAIが自動提示し、予測のブレを最小限に抑えます。

複雑な集計処理をバックグラウンドで行い、直感的で分かりやすいグラフやチャートに即座に変換します。日々の変化がビジュアルで捉えられるため、異常値の早期発見や新たなビジネスチャンスの察知が非常に容易になります。洗練されたUI設計により、専門知識のないユーザーでも直感的に使いこなせる強力な意思決定支援ツールを提供します。


まとめ

AI時代における競争力の源泉は、LLMなどの先端技術そのものを単独で導入することにあるのではありません。それらのAI技術に「自社の真実のデータ」を供給し、文脈を持った戦略的インサイトを引き出すための「強固な経営データ基盤」の有無にこそあります。

部門間に散らばる情報をCeligoやWorkatoなどのiPaaSで集約し、NetSuiteのようなモダンなクラウドERPでデータの品質を管理して一元化する。そして、Workday Adaptive PlanningのAI予測を用いて未来のシナリオを統合的に可視化・活用できる体制を整えること。これこそが、AIに翻弄されるのではなく、AIを意のままに操る「データドリブン経営」への第一歩です。

Shearwater Japanは、現状の課題分析からシステムの構築、そしてNetSuite AI Connectorなどを駆使した将来的なAI活用に至るまで、お客様の変革への道のりをトータルで伴走するプロフェッショナルパートナーです。自社のデータ基盤に限界を感じ、真のAI活用による経営革新を目指すのであれば、ぜひ一度Shearwater Japanにご相談ください。適切なロードマップを描き、価値ある資産を最大化するための基盤づくりを共に進めていきましょう。


Oracle NetSuiteの導入は、Shearwater Japanにお任せください!

Shearwater Japan株式会社は、アジアNo.1の NetSuiteパートナーです。
2012年の設立以来、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国の各地域のクライアントと、Oracle NetSuite(https://www.netsuite.co.jp)、Workday Adaptive Planning(https://www.workday.com)、Workato(https://workato.jp)などの導入パートナー企業として、共に急成長を遂げてきました。
プロジェクト管理、コンサルティング、開発、他システムとの連携等を全てワンストップサービスで提供でき、自社海外拠点(中国、シンガポール、台湾、マレーシア)があるため海外展開先でも手厚いサポートに実績がございます。

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また 当社では 現在、一緒に働くスタッフを募集していますので、 Shearwater Japan で働きたいとお考えの方は是非とも採用・キャリアのページからご応募ください!

<参考情報FP&A PBR netsuite erp

1. NetsSuite導入インタビュー Tableau IFRS

2. NetSuiteと他社のERPの違いを解説

https://netsuite1.sw-lp.com/

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円安・為替変動時代に求められるグローバル経営とは

はじめに:不確実な為替環境を勝ち抜く「データドリブンなグローバル経営」

今日のグローバル経済において、急激かつ予測不可能な為替相場の変動は、単なる一時的な外部要因という枠を超え、企業経営の根幹を揺るがす喫緊の構造的課題として浮上しています。かつて日本企業が「円安=輸出競争力の強化=業績向上」という単純な図式のもと、円安の恩恵を無条件で享受できた時代は完全に終焉を迎えました。現在は、地政学的リスクの顕在化、インフレーションの進行、そしてサプライチェーンの複雑化が絡み合い、経営層による戦略的かつ精緻なリスクマネジメントが不可欠なパラダイムへと移行しています。

不確実性が常態化する為替環境下において、いかにして強固な経営基盤を構築し、持続的な成長を実現すべきでしょうか。その要諦は「データの可視化と統合」にあります。本記事では、円安が企業経営に与える本質的な影響を最新の市場データから紐解くとともに、データに基づいた迅速な意思決定を支える次世代の経営管理のあり方について、グローバル企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を牽引する私たちShearwater Japanの視点から包括的に解説します。



なぜ今、経営者が為替変動を無視できなくなったのか

近年、為替相場は過去の歴史的なトレンドラインを大きく逸脱する変動幅を記録しており、経営層がこれを「現場の自助努力で吸収可能なコスト変動」として看過することは不可能となっています。2020年代半ばにかけて進行した円安は、日本経済の構造的な変化を伴うものであり、企業が前提とする事業計画やグローバル戦略そのものの抜本的な見直しを迫っています。

円安が企業経営へ与える影響

かつての円安局面は、輸出主導型の国内製造業にとって業績を押し上げる追い風として広く歓迎されてきました。しかし現在、円安は経営の不確実性を極度に高める重大なリスク要因へと変貌を遂げています。もはや為替変動を単なる営業外損益の変動要因と見なすことはできず、持続可能なビジネスモデルを構築する上で最も重視すべき経営トップのアジェンダとなっています。

帝国データバンクが2026年に実施した調査によれば、2026年度の企業の想定為替レートは平均で1ドル=147円87銭とされ、前年から8円あまり円安方向に修正されています。この数値は、企業側が現在の円安水準を一時的なノイズではなく、中長期的なトレンドとして経営計画に織り込み始めていることを明確に示しています。

調査項目データ詳細企業経営への示唆
想定為替レート2026年度平均:1ドル=147円87銭(前年比約8円の円安修正)企業が円安の長期化を前提とした事業計画への転換を余儀なくされています
業種間の想定差農・林・水産(156円60銭)と建設(144円台)で最大12円56銭の開き原材料の輸入依存度や価格転嫁のしやすさが、為替に対する感応度の差として直結しています
円安倒産件数2025年度累計:69件(過去10年で2番目の高水準)コスト増を価格転嫁できない内需型企業の限界が露呈し、事業継続の断念が相次いでいます

日本国内の製造拠点が縮小し、サプライチェーンのグローバル化が不可逆的に進行した現在、円安は海外子会社が稼ぎ出す利益の円換算額を増加させる一方で、輸入原材料費の高騰という深刻な痛みを国内事業に突きつけています。2025年度の「円安倒産」は、卸売業(38件)や小売業(13件)を中心に全体の7割を占め、特に繊維・アパレル関連での倒産が目立ちました。この構造変化により、円安が輸出企業の業績を無条件で向上させるという過去のセオリーは崩壊しており、輸入コストの増大をいかに管理するかが企業の存亡を分ける事態となっています。

調達コスト・物流費高騰による利益圧迫

グローバル化に伴う部材調達の多角化や製造工程の海外シフトは、結果としてエネルギー価格や国際物流コストの変動をダイレクトに受ける経営体質を生み出しました。売上原価の予測可能性が著しく低下する中で、為替変動リスクと物流インフラの高騰を統合的に管理できなければ、企業の収益構造は容易に崩壊してしまいます。

企業経営に影響を与える社会情勢(2026年調査)回答割合
1位:物流コストの上昇39.7%
2位:経済の停滞・落ち込み37.7%
3位:為替変動・円安34.0%

製造業の管理職を対象とした2026年の調査では、社会情勢の影響として「物流コストの上昇」(39.7%)がトップに挙げられ、「為替変動・円安」(34.0%)とともに企業の二大懸念事項となっていることが明らかになりました。特にエネルギー価格や運賃の上昇が為替の影響(円安)と重なると、利益の源泉となるはずの粗利が急速に圧縮されるリスクを孕みます。

参考:製造業管理職に聞く 2026年業界展望調査

さらに、この影響は地域経済においても非対称に現れます。例えば、輸出産業やインバウンド需要に強みを持つ地域(愛知や沖縄など)にとって円安は一定の追い風となる一方で、東北地方のように輸入コストだけが上昇する産業構造を持つ地域では、円安を戦略的に「使う側」に回らなければ、企業間・地域間の格差は拡大する一方です。現場のコスト削減努力だけでは到底抗えないこうしたマクロ的な変動要因を、経営全体でどのように吸収し、あるいは製品の最終価格へ転嫁できるかが、企業の存続を分ける分水嶺となります。

海外売上増加だけでは解決できない理由

海外市場における売上の拡大が、現地での実質的なビジネスの成長やシェア拡大によるものなのか、それとも円安による単なる「為替換算のマジック」に過ぎないのかを峻別することは、経営戦略上極めて重要です。為替の影響で表面上膨らんだ売上に安住していては、経営判断を誤るリスクが高まります。

PwCの海外事業戦略に関する調査によれば、中長期的な業績見込みについて「やや増収」(40%)、「増収」(23%)と、全体の6割以上の企業が海外事業の成長を予測し、55%の企業が海外事業への投資姿勢を「強化・拡大する」と回答しています。しかしその一方で、「自社の海外事業のエクスポージャー(リスクに晒されている資産の割合)または課題が正確に把握できない」とする企業が19%、「対応策・打開策の優先度が決められない」とする企業が17%に上りました。

参考:日本企業のグローバル戦略動向調査 2022-2023

本質的な競争力を把握するためには、為替レートの変動に左右される円ベースの連結業績だけではなく、現地通貨ベースでの収益性、販売数量の推移、市場シェアの変化に注目しなければなりません。ビジネスを取り巻く環境変化から生じる経営課題に対し、自社の海外事業の先行きに不確実性を感じる企業は半数近くに達しています。この多角的な分析視点を欠き、表面的な数値のみに依存した経営判断は、企業の成長を阻害するだけでなく、戦略の誤りを招く温床となります。


グローバル企業で起きている経営管理の課題

ビジネスの活動領域が国境を越えて広がる中、グローバル企業は複雑化する経営環境に適応するための組織体制を模索しています。しかし実態としては、システムやプロセスの分断により、効果的なグローバル経営管理が機能不全に陥っているケースが後を絶ちません。

海外拠点ごとに数字管理が分散している

多くのグローバル企業が直面している最大の壁は、経営情報が組織内に散在し、一元化されていないことです。海外各社が現地の商慣習や独自の会計基準、あるいはローカルなレガシーシステムを用いて報告を行うため、本社側ではグループ全体の真の財務状況を正確かつリアルタイムに把握することが極めて困難になっています

日本企業のグローバル経営体制に関する調査では、経営の事案として「海外法人のガバナンス強化の取り組み」を課題とする企業が66%で最大となっており、「環境分析力と対応体制の強化(リスクマネジメント)」(63%)がそれに続いています。また、海外法人のコンプライアンス管理のために82%の企業が担当組織を設置しているものの、実効性のあるガバナンスを構築できている企業は限られています。勘定科目の定義や集計の粒度さえ統一されていない現状では、正確な連結管理を実現することは到底不可能です。

拠点ごとの「言語(データフォーマットや評価基準)」が異なるままでは、グローバル全体での経営資源の最適配置は叶いません。同じデータでも品質や鮮度にバラツキが生まれ、最新の状況把握を妨げる原因となります。まずはグループ標準の管理会計基準を策定し、システムレベルでの情報の不一致を解消することから経営改革を始める必要があります。

月次締め後では経営判断が遅れる

経営の意思決定において、「情報の鮮度」は「判断の質」そのものです。しかし、多くの企業において、依然として翌月中旬から下旬の月次締めを待ってから財務レポートを作成し、取締役会で報告するという体制が標準となっており、これでは迅速な経営判断を期待できません。

為替相場が1日のうちに数円単位の乱高下を記録することも珍しくない現代において、1ヶ月前の過去データに基づく分析は、すでに終わった「結果の追認」に過ぎず、未来の危機回避や機会創出のための舵取りには全く役立ちません。リアルタイムな市場変化に対応するためには、経理財務部門が過去の集計やデータ突合といった作業にリソースを消耗するのではなく、未来予測のためのシナリオ分析に時間を割くべきです。経営のスピードがそのまま競争優位性を決定づける今、月次決算を待つ受動的な経営スタイルからの脱却は急務と言えます。

為替変動による利益変化が見えにくい

グローバル展開を進める企業において、「何が為替の影響による増減であり、何が現場の営業努力やコスト削減の成果なのか」という要因の切り分けが明確に行われていないケースが多く見受けられます。結果として、利益の増減理由が不明確になり、正しい経営課題の特定を妨げています。

原因の所在が曖昧なままでは、適切な現場への指示出し、適正なKPI(重要業績評価指標)の設定、あるいは為替予約等のヘッジ手法の検討が後手に回り、機会損失を重ねるという悪循環に陥ります。この「ブラックボックス化」した利益構造を解消するには、為替の変動影響を論理的に分離・抽出できる精緻な計算モデルとシステムの導入が不可欠です。どの地域の、どの商材が為替変動リスクに最も脆弱なのかをデータとして可視化することで初めて、サプライチェーンの再構築や価格改定といった具体的な「次の一手」が打てるようになります。


円安時代に求められるグローバル経営とは

為替の不確実性がもたらすリスクを最小化し、同時にグローバル市場での成長機会を最大化するためには、従来の延長線上にはない新しい経営管理の枠組みが求められます。それは、直感や経験則に依存した経営から、データドリブンな経営への構造転換です。

海外拠点を含めた経営データの一元管理

国や地域、事業の業態を問わず、グループ共通の指標で経営状況を可視化するためには、組織全体を貫く強固なデータガバナンス体制の構築が不可欠です。まずは、グループ全体で「単一の真実(Single Source of Truth)」となる共通のデータ定義とシステム環境を整えることから、すべては始まります。

共通のデータ言語を持つことで、本社の経営陣は海外拠点の経営層と客観的かつ対等なデータに基づいた議論を重ね、相互理解に基づく迅速な経営判断を下せるようになります。データの一元化は、単なる経理部門の事務効率化ツールではなく、グループ全体のガバナンスを強化し、経営の透明性と信頼性を高めるための戦略的なインフラ投資です。

リアルタイムな経営状況把握

月次締めによる事後的な報告を待つのではなく、週次あるいは日次で事業のKPIを追跡・モニタリングできる体制へと迅速にシフトする必要があります。その日の為替変動や原材料価格の推移が、当月末や期末の営業利益にどのようなインパクトを与えるかを即座にシミュレーションし、的確に手を打てる環境こそが現代のグローバル経営には求められています。

経営陣は、変動する市場環境に対して即座に軌道修正を行うための「精緻な羅針盤」を持つべきです。リアルタイムなデータの把握と高度な予測モデリングは、突発的な地政学的危機や市場ショックを、競合他社に先んじるための機会へと変える次世代経営の必須要件といえます。

グループ全体での利益管理

拠点単体の損益最適化(部分最適)を追求するのではなく、グループ全体を俯瞰したグローバル連結管理(全体最適)へと経営の意識を根本的に転換しなければなりません。構造的な円安環境下において、「どの国の拠点で部材を調達し、どこで製造を行い、どの市場で販売すべきか」というサプライチェーンとバリューチェーンの戦略的意思決定を、客観的なデータに基づき動的に最適化することが必須の条件です。

グローバル規模での全体最適化を図ることで、為替の影響を自然ヘッジで緩和しつつ、関税や物流コストを最小化する柔軟な事業戦略が可能になります。サイロ化された組織の壁を壊し、グループ連結での利益創出メカニズムを構築することこそが、真のグローバル経営の姿です。


経営判断を支えるデータ基盤の重要性

上述した高度なグローバル経営を実現するためには、それを裏で支えるIT・データ基盤の存在が不可欠です。人的リソースと手作業に依存した旧態依然とした管理手法では、現代のビジネススピードに追いつくことはできません。2026年の企業意識調査においても、「人材強化(採用、定着、育成)」が90.2%と突出し、さらに「業務の標準化」(58.3%)が重要課題として挙げられている通り、限られた人的資源を最大限に活用するための仕組みづくりが求められています。

Excel中心管理の限界

多くの企業で今なお経営管理の中核を担っているスプレッドシート(Excelなど)による管理は、事業規模が拡大し複雑化するにつれて深刻な限界を露呈します。各拠点からのデータ収集、集計のための膨大な事務作業、手作業による転記ミスや数式の破損は、作成されたレポートの信頼性を著しく損ないます。

Excel管理では、数値の転記ミス、数式の範囲選択の誤り、会社別の連結残高の確認ができない等の理由により、誤り発生のリスクが飛躍的に高まります。作成された連結決算数値に重大な誤りが見つかった場合、経営判断を誤らせるだけでなく、社内における担当者への信頼低下や、社外の監査法人・金融機関等からの企業評価に悪影響を及ぼす可能性が高いです。柔軟なExcel管理に頼りすぎた体制は、複雑化するグローバル経営において大きな足かせとなりつつあり、スプレッドシートへの依存からの脱却は組織が次のフェーズへと進むために乗り越えるべき最初の関門です。

ERPだけでは解決しない課題

ERP(統合基幹業務システム)は、日常の業務遂行やトランザクションデータを記録する基盤としては極めて有効です。しかし、国や地域で異なる複数のERPシステムが稼働している環境下において、それらのデータをリアルタイムに統合し、経営管理の目的で多次元的な分析を行う用途には必ずしも適していない場合が多いです。

グループ各社から必要なデータを収集し、グループ全体の経営状況を可視化・改善するためには、ERPのトランザクション機能を補完し、計画・予算編成・予測に特化した独立した「データ活用層」を整備することが急務となります。ERPという「業務の箱」に蓄積されたデータを、経営層が「分析と予測の武器」として活用できる形に変換することが大切です。システム間の壁を取り払い、経営情報としてのデータが流れるパイプラインを構築することが求められます。

データ活用基盤の必要性

社内に蓄積された膨大な財務・非財務データを、いつでも、誰でも、適切な権限のもとで正しく参照・分析できる状態にするための基盤構築は、企業の生き残りをかけた喫緊の課題です。強固な経営データ基盤を整備することで、直感や経験則に頼るのではなく、データが経営の意思決定に直結する「データドリブン」な企業文化を醸成する必要があります。

正しいデータを、正しい文脈で、正しいタイミングで意思決定者に届ける仕組みが、組織全体の変革を力強く加速させます。こうしたデータ基盤の構築こそが、不確実性の高い時代を勝ち抜くための「デジタル経営」の確かな第一歩となるはずです。


グローバル経営を支えるShearwater Japanのソリューション

これまでに論じた複雑なグローバル経営課題を克服し、「見える経営」から「判断できる経営」への変革を実現するために、Shearwater Japanは世界最高水準のクラウドソリューションを包括的に提供しています。各分野で市場を牽引するソリューションを戦略的に組み合わせることで、単なるソフトウェアの導入にとどまらない、真の経営基盤のデジタルトランスフォーメーションを支援します。

グローバル経営に向けたシステム変革に少しでもお悩みがあれば、ぜひShearwater Japanにご相談ください。私たちは14年以上にわたり、アジアを代表するDXコンサルタントとして数多くの財務自動化プロジェクトを成功に導いてきました。各国の複雑な法規制や税制にも精通しておりますので、貴社のグローバル展開を全力でサポートいたします。

課題領域Shearwater Japanが提供するソリューション期待される導入効果
基幹業務の統合と財務基盤の強化Oracle NetSuite「現在」の経営状態をリアルタイムに可視化し、複数法人の連結決算を劇的に迅速化。
未来予測と予実管理の高度化Workday Adaptive Planning / Jedox為替シナリオプランニング、ローリングフォーキャストを通じた「未来」の意思決定支援。
システム連携と業務自動化Celigo / Workatoレガシーシステムや複数SaaSをシームレスに「つなぎ」、属人的な手作業とデータ分断を排除。
グローバル資金・流動性管理Kyribaグローバル全体でのキャッシュプーリングと銀行照合の自動化を通じた財務リスク管理の徹底。

グループ経営データの統合管理

私たちは、バラバラに存在する各国の拠点のデータをシームレスに統合し、標準化することで経営管理の高度化をご支援します。その中核となるのが、世界で最も利用されているクラウドERPである Oracle NetSuite です。

特に「NetSuite OneWorld」は、多国籍企業が直面する複雑なニーズに応えるために設計されており、190以上の通貨、27の言語、170カ国以上の税務コンプライアンス要件に標準で対応しています。NetSuiteを導入することで、本社と海外拠点のデータ言語が統一され、為替換算や複数法人の連結決算がリアルタイムに実行されます。散在するトランザクションデータを意味ある経営情報へと昇華させることで、経営管理の透明性を飛躍的に高めます。貴社のビジネスモデルに完全に合わせた管理会計の設計から実装まで、私たちが一貫して伴走し、変革を支えます。

海外拠点を含めた可視化環境構築

直感的で誰が見ても同じ理解を共有できるダッシュボードを構築し、経営判断の質を劇的に向上させるためのソリューションが、Workday Adaptive Planning です。このエンタープライズ・パフォーマンス管理(EPM)ソリューションは、NetSuite等で可視化された最新の実績データをもとに、精度の高い予算管理とローリングフォーキャストを実現します。為替変動が利益に与える影響を様々なシナリオ(What-if分析)でリアルタイムに可視化し、複雑な状況でも自信を持って舵取りできる環境を整えます。

【参考記事】Workday Adaptive Planningが描く、AIネイティブな経営の未来

さらに、高度なサプライチェーンを持つ製造業向けには、2026年より Jedox の提供も開始しています。Jedoxは、工場(生産)、営業(販売)、財務を統合した「デジタルツイン」を構築し、現場が使い慣れたExcelのUIを維持しながら、エンタープライズレベルの強固なデータベースでダイナミックな事業計画を可能にします。視覚的かつ論理的に整理されたダッシュボードは、組織全体に共通の危機意識と目的意識を浸透させる強力なプラットフォームとなります。

経営判断の迅速化を支援

単なるシステム導入にとどまらず、高速なPDCAサイクルが回る組織体制の構築までを包括的にサポートするため、Shearwater Japanはクラウドベースの統合プラットフォーム(iPaaS)である CeligoWorkatoを活用したシステム統合を積極的に推進しています。Celigoは、NetSuiteなどのERPと、CRMやECサイトなど様々なアプリケーションを柔軟に接続し、分断されたデータをリアルタイムで同期します。AIを活用したエラー管理により手作業を大幅に削減できる点が強みです。加えて、お客様の要件に応じて Workato などのプラットフォームも活用し、データ入力やシステム間連携のワークフローを完全に自動化します。これにより、経理財務部門は集計作業から解放され、より戦略的な分析業務に集中できます。

加えて、Kyriba との連携強化により、グローバルでの資金の可視化、銀行勘定の自動照合、確実なキャッシュマネジメントを実現し、為替変動を含む財務リスクから企業価値を保護します。技術と組織変革の両面からアプローチすることで、為替変動を単なるピンチとして嘆くのではなく、戦略を柔軟に切り替える好機へと変えるお手伝いをいたします。私たちと共に、不透明な時代において自社の舵取りを確実に行える強い経営基盤を構築しましょう。


まとめ

円安の定着や予測不可能な為替変動は、今後も企業の経営環境に立ちはだかり続ける、避けては通れない現実です。この状況を単なる不可避なマクロリスクとして放置するのではなく、経営管理の仕組みを根底から変革し、次なる成長への布石を打つ絶好のトリガーと前向きに捉えるべきです。

直感に頼る属人的な経営から、データを駆使したグローバル統合経営へのシフトは、もはや選択肢ではなく必須の生存戦略です。Shearwater Japanのテクノロジーと知見をフルに活用し、データに基づいた強固なグローバル経営基盤を構築することで、不透明な未来を勝ち抜く準備を今すぐ始めましょう。変革の第一歩は、正しいパートナー選びから始まります。


Oracle NetSuiteの導入は、Shearwater Japanにお任せください!

Shearwater Japan株式会社は、アジアNo.1の NetSuiteパートナーです。
2012年の設立以来、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国の各地域のクライアントと、Oracle NetSuite(https://www.netsuite.co.jp)、Workday Adaptive Planning(https://www.workday.com)、Workato(https://workato.jp)などの導入パートナー企業として、共に急成長を遂げてきました。
プロジェクト管理、コンサルティング、開発、他システムとの連携等を全てワンストップサービスで提供でき、自社海外拠点(中国、シンガポール、台湾、マレーシア)があるため海外展開先でも手厚いサポートに実績がございます。

1分30秒でわかる「NetSuite」

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<参考情報FP&A PBR netsuite erp

1. NetsSuite導入インタビュー Tableau IFRS

2. NetSuiteと他社のERPの違いを解説

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  • 「受注はFAX、問い合わせは電話のままで、現場の属人化が解消されない」
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「なぜDXに投資しても現場は変わらないのか?」その答えは、部門間での「データ分断」と「システムへの無理な機能の詰め込み」にあります。
本ウェビナーでは、データ視点での正しいERPのあり方から、自社の商習慣を妥協せずにシステムを統合する「コンポーザブル・アーキテクチャ」の実践手法まで、失敗しない次世代システム設計のグランドデザインを1時間で体系的に解説します。


▶日本オラクル株式会社 Oracle NetSuite
▶ 株式会社イーシーキューブ EC-CUBE


 このような方におすすめ

  • 製造業(産業機械・部品・素材系)をはじめとしたBtoB企業の経営層、IT・情報システム部門、DX推進部門の責任者様
  • システム刷新を検討しているが、独自の複雑な商習慣や取引条件をどう実装すべきか悩んでいる方
  • 受注量の増加に対して人手が追いついておらず、人的ミスや機会損失を減らしたい方
  • パッケージシステムに業務を無理やり合わせようとして、現場に限界を感じている方
  • ベンダーに依存しきった「ベンダーロックイン」の状態から脱却し、自社でシステムをコントロールしたい方

 セミナープログラム(タイムスケジュール)

当日は、BtoB企業におけるDXのステップを、3社リレー形式の解説でお届けします。

① なぜ、投資しても現場は変わらないのか—経産省が示すDXの構造的課題:EC-CUBE
② システム導入をしても経営情報の可視化が進まない本当の理由。データ視点でのシステム設計の勧め:Oracle
③ 自社の強みを活かしきるDXとは?標準化(F2S)の壁を越える「コンポーザブル・アーキテクチャ」の実践手法:Shearwater
④DX成功の鍵はECの柔軟性にあり。成功の仕組み「Hubを作る考え方」を解説。:EC-CUBE
⑤ Q&A & クロージング:3社


開催概要

タイトルDXに投資しても変わらない本当の理由。
基幹とECの分断を断ち切り、BtoBの受発注を”攻守ともに”変える方法
主催株式会社イーシーキューブ、日本オラクル株式会社、Shearwater Japan株式会社
日時2026年7月23日(木) 15:00 〜 16:00
会場Zoom配信
ウェビナー会場へは約10分前に入場可能になります。
※競合会社様のお申し込みはお断りする場合がございます。

【必ずお読みください】
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参加費無料(事前登録制)
内容【登壇者紹介】
■梶原 直樹 株式会社イーシーキューブ
マーケティング部

EC-CUBE事業の初期段階から参画し、国内No.1シェア達成に貢献。株式会社イルグルムの上場前後では、社内初の広報・IR担当として従事。現在は株式会社イーシーキューブのマーケティング担当としてEC-CUBE普及のための発信とリレーションを担う。
著書:EC-CUBE公式ガイドブック2.11対応版、EC-CUBE公式ガイドブック4.3対応版

■林 靖 日本オラクル株式会社
NetSuite事業統括 パートナー営業本部

セールスダイレクター
富士通、マイクロソフト、EDSジャパン等で大手企業向けの担当営業を歴任した後に2006年に日本オラクル株式会社に入社。
Oracle EBS, JD Edwards等のオンプレミスERPの営業として13年に渡り活動。2019年からはNetSuiteの提案を通じてお客様業務のDX化のお手伝いをしています。

■バソ バティスト Shearwater Japan株式会社
CEO / シニア・コンサルタント

伊藤忠商事、Airbus Japan、VeritasPartnersなどで、コンサルティング、ファイナンス、M&A、システム導入といった複合的な業務経験を積む。
2012年よりShearwater Japan(シャーウォータージャパン)株式会社の代表取締役社長に就任。これまでに数十社の提案・導入コンサルタントとして企業の業務改善・改革を主導。特に多拠点・多通貨環境下での複雑な経営課題の解決に強みを持つ。国内外で100を超えるプロジェクト実績と豊富なファイナンス業務経験に基づき、机上の空論ではない、現場に即した「統合型経営基盤」の現実的な知見を提供します。

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Shearwater Japan株式会社は、アジアNo.1の NetSuiteパートナーです。
2012年の設立以来、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国の各地域のクライアントと、Oracle NetSuite(https://www.netsuite.co.jp)、Workday Adaptive Planning(https://www.workday.com)、Workato(https://workato.jp)などの導入パートナー企業として、共に急成長を遂げてきました。
プロジェクト管理、コンサルティング、開発、他システムとの連携等を全てワンストップサービスで提供でき、自社海外拠点(中国、シンガポール、台湾、マレーシア)があるため海外展開先でも手厚いサポートに実績がございます。

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2. NetSuiteと他社のERPの違いを解説

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