サブスクリプションモデルとは?定額制サービスのビジネスモデルについてわかりやすく簡単に解説
「サブスク」という言葉、最近テレビやネットでよく耳にしませんか? 動画配信サービスや音楽アプリなどで、すっかりお馴染みになりましたよね。
しかし、この「サブスクリプションモデル」が、実は多くの企業のビジネスを大きく変え、私たちの働き方にも影響を与えていることはご存知でしょうか。
「なんとなくは知っているけど、詳しくは説明できない…」 「自社のビジネスにどう活かせるんだろう?」
この記事では、そんな疑問をお持ちのビジネスパーソンに向けて、サブスクリプションモデルの基本的な仕組みから、企業側・利用者側のメリット・デメリット、そしてビジネスを加速させるDX(デジタルトランスフォーメーション)との関係性まで、わかりやすく解説していきます。
サブスクリプションモデルとは?
まずは、サブスクリプションモデルの基本的な考え方から見ていきましょう。
定額制で継続的な「利用権」を提供するビジネスモデル
サブスクリプションモデルとは、製品やサービスを「買い切り」で販売するのではなく、月額や年額といった定額料金を支払うことで、一定期間サービスを利用できる「権利」を提供するビジネスモデルのことです。
従来の「商品を所有する」という考え方から、「サービスを利用する」という価値観の変化に合わせて広がってきました。
一度きりの売上で終わる買い切り型とは異なり、顧客との継続的な関係を築き、長期的に安定した収益を目指すのが大きな特徴です。
なぜ今、サブスクリプションモデルが注目されるのか?
このモデルが急速に普及している背景には、いくつかの理由があります。
- 価値観の変化
- モノを「所有」することよりも、必要な時に必要なだけ「利用」したいという消費者が増えています。
- 企業の安定収益化
- 継続的な課金により、将来の売上予測が立てやすくなり、安定した経営基盤を築けます。
- デジタル技術の進化
- クラウドコンピューティングや高速なインターネット通信の普及により、ソフトウェアやコンテンツをオンラインで手軽に提供できるようになりました。
サブスクリプションモデルの主な種類と具体例
サブスクリプションモデルは、様々な業界で活用されています。ここでは代表的な種類とサービス例をご紹介します。
- ソフトウェア・コンテンツ提供型
- Microsoft 365やAdobe Creative Cloudのように、常に最新バージョンのソフトウェアを利用できるサービスや、NetflixやSpotifyのように、豊富な映画や音楽を好きなだけ楽しめるサービスがこれにあたります。
- レンタル・リース型
- トヨタの「KINTO」に代表される自動車のサブスクや、洋服・ファッション小物のレンタルサービスなど、高価な商品を月額料金で気軽に利用できます。
- 定期便・消耗品型
- 化粧品やサプリメント、食品などが定期的に自宅に届くサービスです。買い忘れを防ぎ、継続的な利用を促します。
- 会員制サービス型
- フィットネスジムやオンラインサロンなど、特定のコミュニティや施設を利用する権利を提供するサービスです。
企業(提供側)のメリットとデメリット
ビジネスにサブスクリプションモデルを導入する際には、良い面と注意すべき点の両方を理解しておくことが重要です。
メリット
- 安定した収益
- 毎月決まった収益が見込めるため、事業計画が立てやすく、経営が安定します。
- 顧客データの活用
- 顧客の利用状況をデータとして蓄積・分析し、サービスの改善や新たなマーケティング施策に活かすことができます。
- 顧客との関係構築(LTV向上)
- 顧客と継続的な接点を持つことで、ニーズを深く理解し、長期的な関係性を築くことでLTV(顧客生涯価値)の向上が期待できます。
デメリット
- 継続的な価値提供の必要性
- 顧客に「利用し続けたい」と思ってもらうため、常にサービス内容を改善し、アップデートし続ける必要があります。
- 収益化までの時間
- サービス開始当初は利用者が少なく、初期投資を回収して黒字化するまでに時間がかかる場合があります。
- 解約(チャーン)との戦い
- 顧客がサービスに不満を感じると、簡単に解約できてしまうため、解約率をいかに低く抑えるかが成功の鍵となります。
利用者側のメリットとデメリット
次に、サービスを利用する側の視点からメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
- 初期費用の抑制
- 一括で購入すると高額な商品やソフトウェアも、手頃な月額料金で利用を始められます。
- 手軽に試せる・やめられる
- 「自分に合わないな」と感じたら、いつでも解約できる手軽さが魅力です。無料のお試し期間を設けているサービスも多くあります。
- 常に最新の状態で利用可能
- ソフトウェアなどのサービスは自動でアップデートされるため、自分で管理する手間なく、常に最新かつ最良の機能を利用できます。
デメリット
- 総支払額の増加リスク
- 長期間利用し続けると、結果的に買い切りで購入するよりも総支払額が高くなる可能性があります。
- 利用しなくても費用が発生
- 契約している限り、たとえサービスを全く利用していなくても料金は発生し続けます。
- 所有権がない
- あくまで「利用権」を購入しているため、解約すればサービスは一切利用できなくなり、手元には何も残りません。
サブスクリプションモデルとDX推進の関係性
サブスクリプションモデルは、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上で非常に重要な役割を担います。
特に、SaaS(Software as a Service)と呼ばれる、クラウドを通じて提供されるソフトウェアは、その多くがサブスクリプション形式で提供されています。 経理ソフトや顧客管理ツール(CRM)、コミュニケーションツールなどが代表例です。
これらのサービスを導入することで、企業は以下のような変革を実現できます。
- 業務効率の向上
- 面倒なソフトウェアのインストールやアップデート作業が不要になり、本来のコア業務に集中できます。
- データに基づいた意思決定
- リアルタイムで様々なデータを可視化・分析し、勘や経験に頼らない、的確な経営判断を支援します。
- 柔軟な働き方の実現
- インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも業務を行えるため、テレワークやハイブリッドワークといった多様な働き方を後押しします。
このように、SaaSをはじめとするサブスクリプション型サービスは、DXを推進し、企業の競争力を高めるための強力なエンジンとなるのです。
まとめ
今回は、サブスクリプションモデルについて、その基本からメリット・デメリット、そしてDXとの関連性までを解説しました。
- サブスクリプションモデルは、定額でサービスの「利用権」を提供するビジネスモデル。
- 企業には「収益の安定化」、利用者には「手軽さ」というメリットがある。
- 一方で、企業は「継続的な価値提供」、利用者は「総支払額」に注意が必要。
- SaaSなどのサブスクリプションサービスは、企業のDX推進に不可欠。
サブスクリプションモデルは、単なる新しい料金体系ではありません。顧客との関係性を継続的に深め、長期的な視点でビジネスを成長させていくための重要な考え方です。
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