NetSuite Next 登場:AI統合ERPで業務自動化と意思決定を加速(SuiteWorld2025 より)

“NetSuite Next” とは?次世代 ERP がもたらす革新

2025年10月、NetSuite を提供する Oracle/NetSuite チームは、「NetSuite Next」という次世代バージョンを正式に発表しました。(oracle.com)

これまでNetSuiteはAIに対して、他社の ERP とは全く異なるアプローチを取ってきました。
AI を「外付けツール」として追加するのではなく、基盤自体に組み込むという選択です。
今回発表されたNetSuite Nextは近年の一つの集大成となる革新的な発表であり、
業務の自動化や意思決定支援が ERP の内部で直接行われることを可能にしています。
さらに、既存の NetSuite 利用者は「ワンボタン」で Next モードに切り替えられる設計となっており、
従来のデータやカスタマイズを維持したまま最新機能を利用できます。

現時点では、まず北米市場で今後12か月以内に提供が開始される予定です。
米国外の提供時期については明言されていませんが、北米独自のローカライズが多く組み込まれているわけではなく、
NetSuite チームは早期に米国外でもテストを開始する方針を示しています。

Shearwater Japan は、NetSuite の導入・運用支援において豊富な経験を持つ公式パートナーとして、
本発表を「単なる機能拡張」ではなく、「お客様の現場変革を加速する転換点」と捉えています。
本稿では、NetSuite Next の特徴を整理するとともに、ユーザー視点でのメリットと、
Shearwater Japan がどのようにご支援できるかを分かりやすくご紹介します。

▶NetSuite NextはOracle NetSuiteの年次カンファレンス「SuiteWorld」にて発表された

NetSuite Next の主要機能と AI 活用の特徴

まず、NetSuite Next における注目機能を俯瞰的に把握しておきましょう。

  • Ask Oracle(自然言語アシスタント)でデータ活用が簡単に
    ユーザーは、従来のメニュー操作や検索を介さずに、「今月の売上実績は?」「在庫が不足している商品はどれ?」といった自然な文章や質問を入力するだけで、NetSuite 内のデータにアクセスできます。
    Ask Oracle は質問の意図やコンテキストを理解し、回答を提示するだけでなく、グラフや表での可視化、さらに必要に応じて操作アクション(レポート作成や承認処理など)まで提案できる設計です。
    また、どのテーブル/帳票/分析軸からデータを取得したのか、なぜその値になったのかといった“理由や背景”(how/why)も確認できるため、単なる数値の表示に留まらず、意思決定に直結する情報として活用できます。
  • エージェント型ワークフローによる定型業務の自動化
    定型・反復業務(例:支払提案、与信判断、発注判定、債権チェック、サプライチェーン運用など)を、AI アシスタント(=エージェント)が自動で処理・サポートします。ユーザーは個別の操作や指示を逐一入力する必要がなく、エージェントがあらかじめ設定されたルールや条件に従って業務を進めます。
    もちろん、重要な判断や承認が必要な場面では、エージェントが自動で処理するのではなく、ユーザーに通知して承認を求める仕組みになっており、安全性と統制も担保されています。
  • AI Canvas:AI と一緒に分析・シミュレーション
    AI Canvas は、可視化、分析、シミュレーション、議論を一つの画面で行えるコラボレーション空間です。
    ユーザーはグラフや表を確認しながら、AI に「この売上予測をもっと保守的にシミュレーションして」「在庫リスクの高い商品を教えて」といった指示や質問を直接投げかけることができます。
    AI はリアルタイムで応答や分析結果を返し、必要に応じて画面上で修正やシナリオ比較を行うことも可能です。
    つまり、AI Canvas 上では「AI と対話しながら業務データを分析・検討できる」ため、従来のように別ツールで分析して結果を報告する手間を減らし、意思決定のスピードを格段に向上させることができます。
  • ナラティブ・サマリーで重要ポイントを自動抽出
    帳票・欄外・フォームなどの画面において、傾向や相関性を自動的に文章・可視化で示す機能
    特異点・要注意点を予め抽出することで、手動で分析する手間を軽減します。
  • UI/UX の刷新と操作性向上
    Redwood Design System(Oracle の最新デザイン指針)に基づく UI で、リスト/スクロール/検索の操作性を改良。
    記録フォーム、レポート、画面遷移などの体験がスムーズに。
  • 基盤強化(スケーラビリティ、信頼性、透明性)
    NetSuite Next は Oracle Cloud Infrastructure(OCI)上で動作し、パフォーマンス向上、スケーラビリティ、可用性を確保。
    AI モデルやエージェントの動きを説明可能/監査可能な設計とすることで、信頼性を担保。
    OCI SLA参考https://www.oracle.com/jp/cloud/sla/
  • ワンボタン切替で既存データ・カスタマイズを維持
    大きな特徴として、既存の NetSuite を利用中のお客様は「ボタン一つで」Next に切り替え可能、
    かつデータ移行やカスタマイズの断絶を伴わないよう設計されている、という点が挙げられています。

以上が主なポイントです。これら機能を使いこなすことで、現場の“労力”を減らし、“価値創出”に注力できる方向へ ERP が後押しできる可能性があります。


ユーザー視点でのメリット:業務効率化と意思決定支援

上記機能を踏まえて、現場や経営層、および IT 組織それぞれの視点で「NetSuite Next を採用・移行する意味」を整理します。

  1. 導入・移行コストを抑え、すぐに新機能を試せる
    最も注目すべきは、既存の NetSuite 利用者が「ボタン一つ」で Next へ切り替え可能という仕様。
    通常、大掛かりなバージョンアップやデータ移行プロジェクトが必要なところを、切り替え障壁を抑えられる点は非常に魅力的です。
  2. 業務負荷の軽減と現場の脱定型化
    従来の NetSuite でも、保存検索やカスタムレポート、定型ワークフローを使うことで一定の業務負荷軽減は可能でした。しかし、これらは作成や設定に一定の手間がかかり、ルール変更や条件追加があるたびに手動で更新する必要がありました。
    NetSuite Next では、エージェント型ワークフローや Ask Oracle により、ユーザーが個別にルールや検索条件を作成・更新しなくても、AI が自動で適用・調整してくれます。例えば、「今週の在庫差異をチェックして異常値を通知する」「売上予測に基づき発注提案を自動作成する」といった業務を、従来よりもスムーズかつ柔軟に自動化可能です。
    これにより、現場担当者は「データを追う作業」や「ルール作り」に時間を割く必要が減り、その分「仮説検証」や「新たな施策の立案」といった、より付加価値の高い業務に集中できるようになります。
  3. 意思決定の迅速化と見落とし防止
    Ask Oracle によって、「在庫が足りない可能性は?」「この仕入れ先の与信リスクは?」「売上見込みの変遷は?」といった質問を自然言語で即時問い合わせできるため、意思決定の検討フェーズが大幅に短縮されます。
    さらに、ナラティブ・サマリー(データの傾向や異常点を文章で自動的にまとめた要約)をあらかじめ抽出しておけば、重要なポイントを見落とすことなく、迅速に対応できます。
▶NetSuite Nextでは、画面右下に常に「Ask Oracle」の入力バーが表示。画面を切り替えることなくスムーズにAIと協働できる。
  1. AI を統制下で安全に活用
    AI を導入する際には、「判断の根拠が分からない(ブラックボックス化)」「誤った判断をしてしまうリスク」「セキュリティや承認フローが守られるか」といった懸念があります。
    NetSuite Next では、AI の判断プロセスやデータ取得元をユーザーが確認できる「Explainable(説明可能)/Auditable(追跡可能)」な設計になっており、エージェントが自動で業務を進める際も、従来のロール・権限・承認フローが尊重されます。
    たとえば、支払提案や与信判断では、AI が提案を作成した後、ユーザーは 承認して実行するか、AI に任せて自動で実行させるかを選択 できます。また、AI がどのデータを参照して判断したかや、根拠となる分析結果も確認できるため、監査対応やトラブル時の確認も容易です。
    このように、NetSuite Next では「AI に任せる便利さ」と「統制・安心感」を両立させながら、業務の柔軟な自動化を実現できます。
  2. 将来拡張への柔軟性
    Ask Oracle やエージェント機能は標準に組み込まれており、将来的な機能追加や高度化にも対応しやすい土台となっています。
    パートナー/開発者も AI エージェントや高度ロジックを SuiteCloud 上で拡張できるよう設計されています。
  3. 競争優位性の強化
    AI を「業務の自然な拡張」として取り込み、現場と経営判断の距離を縮めた運用ができること自体が、DXにおける競争力差を生む可能性があります。
    特に市場変動が激しい環境では、データを「見に行く」より先に AI がアラートや示唆を出すような体制が強みになります。
▶NetSuiteの現場業務を加速するSuiteAgentsは、Oracle AI Databaseの強力なデータ基盤と自律運用によって支えられている

具体的ユースケース(業界別シナリオ)

以下は、NetSuite Next の導入で効果が期待できる具体例です。

業界シナリオ想定効果
製造業
部品発注判断
→ Ask Oracle に「来月需要見込みに基づく安全在庫数は?」と問う
→ 最適発注量を AI エージェントが提示
→ 承認後自動発注

発注判断時間の削減、
在庫過多/欠品リスクの低減
小売/流通売れ筋予測・死に筋予測
→ ナラティブ・サマリーで季節傾向や異常値を通知
→ 在庫補充・値下げ判断支援
機会ロス防止、在庫コスト最適化
サービス業
請求/債権消込/延滞判定
→ AI エージェントによる債権管理作業補助
→ 延滞リスクを早期警告

回収率改善、事務負荷削減
グローバル企業
国別連結決算/多通貨管理
→ Ask Oracle で「国 X の為替差異は?」と問う
→ 自然言語で会計分析

CFO/経理部門の高速意思決定支援

(もちろん、実際には業務内容・データ構造・要件次第で設計が変動します)


まとめ:導入コストなしで最新機能を活用、APAC への期待

NetSuite Next は、AI を基盤に直接組み込むことで、業務の自動化や意思決定支援を ERP 内で完結させられる革新的なバージョンです。
既存の NetSuite 利用者は「ワンボタン」で切り替え可能なため、追加コストや大規模な移行作業の心配もなく、新しい機能をすぐに試せる点も大きな魅力です。

現場の業務負荷軽減、意思決定の迅速化、AI の統制下での柔軟活用など、NetSuite Next が提供する価値は多岐にわたります。
特に DX やグローバル運営を推進する企業にとって、現場と経営判断の距離を縮める強力なツールとなるでしょう。

現時点では北米での提供が中心ですが、APAC 地域への対応も待ち望まれます。
Shearwater Japan では、今後の提供状況や最新情報についても随時お届けしてまいりますので、ぜひご注目ください。


Oracle NetSuiteの導入は、Shearwater Japanにお任せください!

Shearwater Japan株式会社は、アジアNo.1の NetSuiteパートナーです。
2012年の設立以来、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国の各地域のクライアントと、Oracle NetSuite(https://www.netsuite.co.jp)、Workday Adaptive Planning(https://www.workday.com)、Workato(https://workato.jp)などの導入パートナー企業として、共に急成長を遂げてきました。
プロジェクト管理、コンサルティング、開発、他システムとの連携等を全てワンストップサービスで提供でき、自社海外拠点(中国、シンガポール、台湾、マレーシア)があるため海外展開先でも手厚いサポートに実績がございます。

1分30秒でわかる「NetSuite」

クラウドソリューションの導入にお悩みであれば、是非ともこの機会にご相談、お問い合わせください。

また 当社では 現在、一緒に働くスタッフを募集していますので、 Shearwater Japan で働きたいとお考えの方は是非とも採用・キャリアのページからご応募ください!

<参考情報FP&A PBR netsuite erp

1. NetsSuite導入インタビュー Tableau IFRS

2. NetSuiteと他社のERPの違いを解説

https://netsuite1.sw-lp.com/

DXを実現するクラウドソリューションについてはこちら

市場注目!Oracle決算で明らかになったNetSuiteの優位性

AI時代に突入、Oracleのクラウド戦略が市場を席巻

Oracleは2025年9月9日、2026年度第1四半期の決算を発表しました。
総売上高は前年同期比12%増の149億ドル、特に、NetSuiteを含むクラウド売上高は28%増の72億ドルに達しました。
残存履行義務(RPO)は前年同期比359%増の4550億ドルに達し、今後数ヶ月でさらに数十億ドル規模の契約を締結する見込みです。

また、AI推論モデル「ChatGPT」や「Gemini」、「Grok」などを独自に利用できる新サービス「Oracle AI Database」の導入を発表し、
AI活用の新たなステージに突入しています。
この決算発表により、株価は米株式市場前日比35.9%高と急騰し、市場の注目を一身に浴びました。

出典:Oracle Announces Fiscal Year 2026 First Quarter Financial Results


市場動向の解説:クラウドとAIが牽引するERP市場の進化

今回の決算発表の数字は、AI需要の高まりと企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)加速を背景に、
クラウドインフラ市場が急速に拡大していることを示しています。

オラクルはOpenAIとの間で、米国での4.5ギガワット規模のデータセンター契約を結びました。
この契約は、米国で数百万世帯の消費電力に相当する規模であり、今後5年間で総額3000億ドルに上ると報じられています。
また、TikTokを運営するByteDanceや半導体メーカーのNVIDIAなど、AI関連企業との取引も拡大しており、
クラウドインフラ事業の成長が加速しています。

▲画像引用元 https://openai.com/index/five-new-stargate-sites/

これらの動向は、クラウドERP市場にも大きな影響を及ぼしています。
企業は従来のオンプレミス型ERPから、柔軟性とスケーラビリティを備えたクラウドERPへと移行を加速させています。
とりわけAIや自動化機能の活用により、業務効率の向上や意思決定の迅速化が進み、競争力強化への期待が高まっています。

NetSuiteもこうした変化を見据え、AI機能や自動化ツールの強化を進めてきました。
複雑な業務フローを一元管理しながら、リアルタイムでデータを分析し、迅速に意思決定を下せる環境を整えています。
さらに、他のクラウドサービスと柔軟に連携できるため、既存ITインフラとの統合や将来的な拡張にも対応可能です。

今後はクラウドとAIの融合が一層進み、NetSuiteが企業のデジタルトランスフォーメーションを後押しする存在として重要性を増していくでしょう。
NetSuiteを活用することで、企業は変化の激しい市場環境に柔軟かつ俊敏に対応し、持続的な成長を実現できるはずです。


Oracle NetSuiteの優位性・差別化ポイント

  1. Oracle DBMSとの強固な連携
    • Oracleは50年近く蓄積したDBMS(データベース管理システム)を核として、金融・通信・製造など世界中の主要企業を支援。
    • NetSuiteはOracleのDBMS基盤と密接に連携可能で、AI分析や業務データの処理速度・安全性が高い。
    • データを外部に移動させず内部で分析できるため、セキュリティと効率性の両立が可能。
  2. AIと自動化による業務効率化
    • 最新AIクラウド(GPT-5など)を活用可能になる見通し。
    • 日常業務の自動化や経営判断の迅速化を実現。
    • これにより、ERPの運用負荷を軽減し、意思決定のスピードを向上。
  3. マルチクラウド戦略への対応
    • Oracleは自社DBを核心に据え、残りのサービスは他社クラウドでも運用可能。
    • NetSuiteはマルチクラウド環境でも統合運用でき、既存ITインフラとの連携・拡張性を確保。
▲2025年9月現在、すでにClaude AIとの連携が可能。今後より広がっていく見込み。
  1. 競合との差別化
    • OracleのDB・AI基盤とNetSuite ERPの連携により、他社クラウドERPでは得られない「統合されたAI活用」と「高いデータセキュリティ」を提供。
    • 大企業でも中堅企業でも、短期間で導入・拡張が可能。

NetSuiteは、Oracleの長年のDB資産と最新AIクラウド基盤を活かしたクラウドERPです。
高度なセキュリティと大規模データ処理、業務自動化、意思決定の迅速化を一気通貫で実現。
さらにマルチクラウド対応により既存インフラとの統合もスムーズです。
変化の激しい市場でも、効率的で安全な業務管理と高度なデータ活用を可能にする点こそ、NetSuiteの最大の強みです。


企業成長の答えは、Oracle NetSuiteにあり

クラウドとAIが企業の競争環境を大きく変える今、ERPの選択は単なる業務効率化の手段ではなく、企業成長の戦略的基盤です。
Oracleの強力なDB資産と最新AIクラウドを活かすNetSuiteなら、企業は大量データの処理・分析を高速かつ安全に行え、
業務自動化による負担軽減や迅速な意思決定が可能になります。

市場が激しく変動する中でも、Oracle NetSuiteを取り入れた企業は、業務の透明性と柔軟性を手に入れ、
変化に強い組織として未来を切り拓くことができるでしょう。
Oracle NetSuiteの導入は、もはや企業の「未来への投資」と言えます。


Oracle NetSuiteの導入は、Shearwater Japanにお任せください!

Shearwater Japan株式会社は、アジアNo.1の NetSuiteパートナーです。
2012年の設立以来、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国の各地域のクライアントと、Oracle NetSuite(https://www.netsuite.co.jp)、Workday Adaptive Planning(https://www.workday.com)、Workato(https://workato.jp)などの導入パートナー企業として、共に急成長を遂げてきました。
プロジェクト管理、コンサルティング、開発、他システムとの連携等を全てワンストップサービスで提供でき、自社海外拠点(中国、シンガポール、台湾、マレーシア)があるため海外展開先でも手厚いサポートに実績がございます。

1分30秒でわかる「NetSuite」

クラウドソリューションの導入にお悩みであれば、是非ともこの機会にご相談、お問い合わせください。

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NetSuiteで入金消込を自動化!経理業務を効率化するShearwater独自のソリューション

入金消込が経理業務のボトルネックに

経理業務の中でも「売掛金の入金消込」は、多くの担当者が頭を悩ませる作業のひとつです。
取引先ごとに請求書と入金データを突合せ、照合し、残高を整理する
──単純なようで実は手間がかかり、経理部門の大きな負担となっています。

特に、取引件数や入金件数が多い企業では次のような課題が顕在化します。

  • 手作業による入金照合に時間がかかる
  • 複数システムやExcelをまたいだデータ突合せが煩雑
  • 入金未消込の残高が見えづらく、債権管理が難しい
  • 属人化や入力ミスのリスクが高まる

これらの問題は、「決算の早期化」や「経理業務の効率化」「入金消込の自動化」といった経理部門の目標を阻む要因となり、
結果として経営判断のスピードにも影響を与えてしまいます。

そこで本記事では、NetSuite標準機能における入金消込の仕組みとその限界、
そしてこれらの課題を解決するShearwater独自の入金消込ソリューションについてご紹介します。


NetSuite標準機能での入金消込

NetSuiteには入金消込を行うための標準機能が備わっています。
経理担当者は、入金票のトランザクションをもとに、入金金額に合う請求書へチェックを入れることで消込を実施します。

主な方法

1件ずつ処理する場合
入金画面から支払金額に合う請求書を選択し、手動で消込を行います。
少量の入金処理であれば対応可能です。

大量の入金を処理する場合
保存検索を活用して対象データを抽出し、Excelにダウンロード。
入金結果をExcel上で整理した後、CSVとしてNetSuiteに再インポートします。

標準機能の強み

  • ERP上で一連の入金処理を管理できる
  • 請求書ベースでの照合が可能
  • 保存検索やCSVインポートを活用することで、ある程度の大量処理にも対応できる

このように、NetSuiteの標準機能だけでも入金消込を行うことは可能です。
しかし、件数が増えるとExcelとの往復や手作業のステップが増え、処理に時間がかかってしまうのも実情です。


Shearwater独自の入金消込機能

標準機能では「Excelとの往復」や「手作業でのチェック」が必要でしたが、
Shearwater独自の入金消込機能では NetSuite上だけで入金消込が完結 します。
銀行から出力した入金情報CSVを取り込むだけで、請求書と自動マッチングが行われ、
経理担当者の作業を大幅に効率化します。

さらに、本機能は 安全性とシステム連携の信頼性 にも配慮しています。

入金や請求書、クレジットメモなどのデータは、NetSuiteアカウントから外部APIを介してShearwaterサーバーに送信され、
サーバー側でマッチング計算が実行されます。
Shearwater側でデータを保存することはなく、計算結果のみをAPI経由でNetSuiteアカウントに返す仕組みです。
これにより、情報が外部に蓄積されることなく、セキュリティリスクを最小限に抑えています。

主な手順

  • 銀行口座の入金情報をアップロード
     銀行から出力した入金情報(CSVファイル)をNetSuiteに読み込みます
  • 自動マッチング処理
     アップロードしたCSVデータと、NetSuite上の顧客情報・請求書データを照合します。
    • インボイス番号での一致:送金内容欄にインボイス番号が記載されていれば、自動的にマッチング
    • 金額ベースでの照合:記載がない場合や誤字がある場合でも、未入金の請求金額と突合せ、自動で候補を特定。
  • マッチング結果の確認と登録
    自動判定された入金データを確認後、「Create」ボタンを押すとNetSuiteの入金画面に遷移。
    顧客名・請求書番号・入金金額などが自動入力された状態で表示され、目視で確認しながら登録できます。
    ※企業の運用に応じて、完全自動登録にすることも可能です
  • 銀行手数料の自動計上
    入金金額と請求金額を比較し、差額を自動的に銀行手数料として仕訳。
    担当者が手作業で調整する必要はありません。
  • 柔軟な消込ロジック
    NetSuite標準では「古い日付の請求書から順に消込」が基本ですが、当機能では任意のロジックに対応可能。
    運用実態に合わせて柔軟に設定できます。

メリット

  • 入金照合作業を 数時間 → 数十分 に短縮
  • ミスの削減と属人化からの脱却
  • 銀行手数料も含めた仕訳を自動化
  • 決算業務のスピードアップと精度向上

事例紹介:グローバル商社での活用

ある船舶部品を扱うグローバル商社(世界60ヶ国・270拠点以上を展開する大手グループの一員)では、次のような課題を抱えていました。

  • 大量の売掛金・入金消込・前受金処理を対応する必要がある
  • 前受金残高を把握しづらく、決算のスピードに影響

そこでShearwaterの入金消込機能を導入した結果、一顧客あたり最大200件に上る入金消込業務を大幅に効率化。
銀行からの入金データはNetSuite上で自動的に請求書と照合され、前受金残高もリアルタイムで可視化されるようになりました。
その結果、月次決算のスピードが向上するとともに、処理の精度も格段に高まり、経理業務の属人化も解消されました。

導入効果

  • 1件の入金に対して、最大100件の債権を自動でマッチング
  • 前受金残高をリアルタイムで可視化
  • 月次決算のスピードと精度を向上
  • 経理業務の属人化を解消

この事例から、Shearwaterの入金消込機能は、単なる作業効率化だけでなく、
経理部門全体の業務品質向上や経営判断の迅速化にも貢献できることがわかります。


まとめ

入金消込は、経理業務の中でも特に時間と手間がかかりやすい領域であり、担当者にとって大きな負担となりがちです。
取引件数が多い企業や、複数拠点での入金管理が必要な企業にとっては、
従来の手作業中心の消込方法ではミスや属人化のリスクも避けられません。

しかし、NetSuite標準機能とShearwater独自の入金消込機能を組み合わせることで、銀行口座の入金情報の自動取り込みから
請求書との自動照合、銀行手数料の仕訳まで、一連の処理をNetSuite上で完結させることが可能になります。
この結果、経理担当者の負担は大幅に軽減され、作業時間の短縮だけでなく、
入金未消込残高のリアルタイム把握や決算スピードの向上、経理業務の属人化解消といった効果も得られます。

Shearwaterの入金消込ソリューションは、単なる効率化ツールではなく、
経理部門全体の業務品質向上や経営判断の迅速化にもつながる価値あるソリューションです。
経理業務をもっとスマートに、そして正確に進めたい企業にとって、導入を検討する価値のある機能と言えるでしょう。
ぜひ、貴社の経理業務改善の一歩としてご活用ください。


Oracle NetSuiteの導入は、Shearwater Japanにお任せください!

Shearwater Japan株式会社は、アジアNo.1の NetSuiteパートナーです。
2012年の設立以来、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国の各地域のクライアントと、Oracle NetSuite(https://www.netsuite.co.jp)、Workday Adaptive Planning(https://www.workday.com)、Workato(https://workato.jp)などの導入パートナー企業として、共に急成長を遂げてきました。
プロジェクト管理、コンサルティング、開発、他システムとの連携等を全てワンストップサービスで提供でき、自社海外拠点(中国、シンガポール、台湾、マレーシア)があるため海外展開先でも手厚いサポートに実績がございます。

1分30秒でわかる「NetSuite」

クラウドソリューションの導入にお悩みであれば、是非ともこの機会にご相談、お問い合わせください。

また 当社では 現在、一緒に働くスタッフを募集していますので、 Shearwater Japan で働きたいとお考えの方は是非とも採用・キャリアのページからご応募ください!

<参考情報FP&A PBR netsuite erp

1. NetsSuite導入インタビュー Tableau IFRS

2. NetSuiteと他社のERPの違いを解説

https://netsuite1.sw-lp.com/

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NetSuiteとAIを連携する方法:AI Connector Serviceの概要と設定手順を解説(2025年8月発表)

自社のAIを安全にERPに統合、
次世代の“AIネイティブERP”へ

Oracle NetSuite は 2025年8月12日、新サービス「NetSuite AI Connector Service」を発表しました。
このサービスは「Model Context Protocol(MCP)」という新しい標準に対応し、
企業が自社で選んだAIをNetSuiteと安全かつ柔軟に連携できるようにします。
※NetSuite AI コネクタ サービスは現在、Claude (Anthropic社)のみをサポートしています。

【アップデート情報|2025年10月】
本記事公開当初は NetSuite AI Connector Service の対応モデルは Claude (Anthropic社) のみでしたが、
現在は ChatGPT (OpenAI) にも接続可能になっています。
詳細は Oracle公式ドキュメントをご覧ください。


新サービスの狙い

これまで多くのERPでは、AI機能はあらかじめ組み込まれた“固定型”でした。
しかしNetSuiteは、ユーザーが自由にAIを選んで持ち込み、NetSuiteとつなげられる“オープン型”のアプローチを採用しました。
これにより、技術が進化しても柔軟に切り替えができ、企業ごとに最適なAI活用が可能になります。

▶NetSuiteに組み込まれているAI機能との併用で、より便利に


主な特徴

  • セキュリティと権限管理
    AIがアクセスできるデータや機能を細かく設定でき、情報管理も安心。
  • 複数AIに対応
    会話型AIや業務特化型AIなど、さまざまなAIを「持ち込みAI」として統合可能。
  • 開発者やパートナー向けの拡張性
    AI連携を「SuiteApp」としてパッケージ化し、再利用や販売が可能に。
  • 長期的な柔軟性
    技術進化に合わせてAIを選び直せるため、継続的なイノベーションを実現。

ユースケース:AIとNetSuiteの新しい活用例

  • 顧客の新規登録
    営業担当がAIに「新しい顧客を登録して」と依頼すれば、そのままNetSuiteに反映可能。
    入力の手間を減らし、業務スピードを向上できます。
  • 条件付きデータの抽出
    「特定の条件に合致する顧客だけ教えて」「異常値がある取引データを探して」といったリクエストにも対応。
    欲しい情報を瞬時に取得できます。
  • シナリオシミュレーション
    「もし来年の売上が10%減少したら、どの部門に影響が出る?アクションプランを考えて」と問いかけることで、
    AIがシナリオ分析と具体的な提案を行います。

こうしたユースケースはほんの一例です。
AI Connector Serviceによって、業務に即したカスタマイズや新しい働き方の可能性が広がります。

Shearwater Japan、NetSuiteの日本最優秀パートナーに選出


日本でも利用可能、その設定方法とは

NetSuite AI Connector Serviceは日本のアカウントでも利用できます。ただし利用を始める前に、いくつか重要な注意点があります。

事前に確認すべきこと

AIエージェントや大規模言語モデル(LLM)と連携する際には、リスク・管理方法・セキュリティ対策を十分理解しておくことが重要です。特に外部サービスと接続する場合は情報の取り扱いに注意してください。

▶関連するリスクについて、詳細はこちら

また、Claudeと接続するためには Claude Proプラン以上 の契約が必要です。


設定手順

参考:https://docs.oracle.com/en/cloud/saas/netsuite/ns-online-help/article_7200233106.html

1. 必要な機能と権限を有効化

NetSuiteの管理画面で Server SuiteScriptOAuth 2.0 を有効にし、
利用するユーザーに MCP Server ConnectionOAuth 2.0 アクセストークンによるログイン の権限を付与する必要があります。

⚠️ 注意:
セキュリティ保護のため、管理者ロールや全機能にフルアクセスできるロールではMCP接続は利用できません。

2. SuiteAppのインストール

NetSuiteが提供する 「MCP Sample Tools」SuiteApp を導入します。
これはAI Connector Serviceの基本機能を確認できるツール群です。
SuiteApps Marketplaceから入手可能です。

3. Claudeとの接続

現在、接続可能なAIエージェントは Claude(Anthropic社) です。
Claude Proアカウントから「カスタムコネクタ」を追加し、NetSuiteのサーバーURLを入力して接続します。
初回接続時はアクセス許可を求められます。リスクやセキュリティ対策を確認した上で承認してください。
承認後は、Claudeのチャット画面でNetSuiteデータにアクセスできるようになります。

4. 自動で作成される統合レコード

Claudeと接続すると、NetSuite内に統合レコードが自動的に作成され、公開クライアントとして設定されます。追加の設定は不要です。

5. サーバーURLとSuiteApp Namespacing

接続に必要なサーバーURLは、NetSuiteのアカウントごとに異なります。
利用目的に応じて 管理者から正しいURLを取得 し、Connector設定時に入力してください。


今後の展望

NetSuiteは、AI Connector Serviceを通じてERPの新しい形を提示しています。
それは単なる業務自動化にとどまらず、AIとERPが協働して「考え、判断し、行動する」次世代の仕組みです。
まさに“AIネイティブERP”への第一歩といえるでしょう。

このサービスの詳細は、2025年10月6日〜9日にラスベガスで開催される「SuiteWorld」で公開される予定です。
Shearwater Japanからも社内メンバーが参加しますので、ぜひ続報をお待ちください!


Oracle NetSuiteの導入は、Shearwater Japanにお任せください!

Shearwater Japan株式会社は、アジアNo.1の NetSuiteパートナーです。
2012年の設立以来、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国の各地域のクライアントと、Oracle NetSuite(https://www.netsuite.co.jp)、Workday Adaptive Planning(https://www.workday.com)、Workato(https://workato.jp)などの導入パートナー企業として、共に急成長を遂げてきました。
プロジェクト管理、コンサルティング、開発、他システムとの連携等を全てワンストップサービスで提供でき、自社海外拠点(中国、シンガポール、台湾、マレーシア)があるため海外展開先でも手厚いサポートに実績がございます。

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また 当社では 現在、一緒に働くスタッフを募集していますので、 Shearwater Japan で働きたいとお考えの方は是非とも採用・キャリアのページからご応募ください!

<参考情報FP&A PBR netsuite erp

1. NetsSuite導入インタビュー Tableau IFRS

2. NetSuiteと他社のERPの違いを解説

https://netsuite1.sw-lp.com/

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