NetSuiteの手順書作成を効率化!Tangoを使ったマニュアル作成・運用定着のコツ
「NetSuiteが社内に定着しない」-そんなお悩みへの解決策とは
高度な業務一元化を実現するERP「Oracle NetSuite(オラクル ネットスイート)」。
しかし、運用の現場においては、以下のような課題に直面されるケースが少なくありません。
- 「ユーザーのリテラシーによっては、直感的な操作が難しい」
- 「操作方法に関する問い合わせが頻発し、特定の担当者に負担が集中している」
- 「マニュアルを整備したいが、日々の業務に追われ作成リソースが確保できない」
どれほど優れたシステムであっても、現場への定着が進まなければ、本来の導入効果(投資対効果)を最大化することは困難です。また、これからNetSuiteの導入を検討されている企業様にとっても、「導入後に社内でシステムを使いこなせるだろうか」「運用定着まで伴走してくれるベンダーはどこか」という点は、選定における重要な判断基準になるかと存じます。
そこで本記事では、NetSuiteの操作手順書作成を劇的に効率化し、現場の自走を強力にサポートするGoogle拡張機能「Tango(タンゴ)」の活用法をご紹介します。
弊社Shearwater が提案する活用スタイルや、実際の操作画面のスクリーンショットを交えながら、手順書作成の自動化がもたらすメリットをダイジェストで解説いたします。
目次
NetSuite定着を阻む「現場のリアルな3つの課題」
NetSuiteを導入した企業の多くが、初期の運用フェーズにおいて同様の壁に突き当たります。業務を効率化するためにシステムを導入したにもかかわらず、なぜ現場への定着が進まないのでしょうか。
ここでは、現場の皆様が直面している「リアルな3つの課題」を整理します。
① マニュアル作成が追いつかない
新システムの導入時には手順書の整備が不可欠ですが、その作成には多大な労力がかかります。
一般的な手順書作成では、画面のスクリーンショットを撮影し、枠線や矢印などの加工を施した上で、PowerPointやWordに貼り付け、説明文を添えるという作業を繰り返します。
わずか10ステップ程度の手順書を作るだけでも「気がつけば数時間費やしていた」というケースは少なくありません。
この作成コストの高さが、マニュアル整備を後回しにさせる大きな要因となっています。
② 現場の自走を促すナレッジ共有の難しさ
本来であれば、操作のノウハウを適切に共有し、「同じ質問に対して何度も説明を繰り返す手間」をなくしたいものです。
誰もがマニュアルを見て自己解決(自走)できる環境が理想ですが、実際にはシステムのアップデートや運用の変更に対して情報の更新が追いつかないという問題があります。
結果として古いマニュアルが放置され、業務品質のバラつきや属人化を招く原因となっています。
③ 操作ミスに起因する業務の停滞
「どのボタンを押すべきか」「どの項目を入力すべきか」という現場の不安は、実務における入力ミスや承認漏れに直結します。
これらが発生すると、データの修正対応や原因究明のために本来の業務を止めざるを得なくなります。
操作ミスによる業務の停滞と手戻りの発生は、組織全体の生産性を大きく低下させる要因です。
では、こうした「作成の手間」「更新の遅れ」「操作ミス」という3つの課題を、どのようにクリアにしていけばよいのでしょうか。
次のセクションでは、マニュアル作成の常識を覆す新しいアプローチについて解説します。
マニュアル作成の常識を覆す「Tango」とは?
前述した課題を解決するために、私たちが提案しているのがGoogle拡張機能の「Tango(タンゴ)」です。

Tangoの最大の特徴は、マニュアルを「書く」のではなく、「いつもの操作を記録する」という新しいアプローチにあります。
これまでのマニュアル作成の常識を覆す、主なポイントは以下の3点です。
① 操作と同時にガイドが自動生成される
ブラウザ上で、いつも通りにNetSuiteの操作を行うだけで、バックグラウンドでTangoがその動きを感知します。
AIがクリックした場所や入力した項目を正確に判別し、最適なスクリーンショットと説明文を自動で生成します。
「スクショを撮って、トリミングして、文章を考える」という一連の手作業がすべて自動化されるため、作成時間を劇的に短縮できます。
② 直感的な編集と管理
自動生成されたガイドは、特別なスキルがなくても直感的に編集可能です。
生成直後のテキスト(初期状態は英語)を現場に合わせて日本語に書き換えたり、画像の拡大・縮小、ツールの枠線追加などもブラウザ上で完結します。
誰でも見やすく、分かりやすい手順書へと簡単に仕上げることができます。
③ 圧倒的な「更新のしやすさ」
システムの仕様変更やボタンの位置変更があっても、マニュアルを一から作り直す必要はありません。
変更があった「そのステップだけ」を撮り直して差し替えることが可能です。
この手軽さがあるからこそ、マニュアルを常に最新の、現場で使える状態に保ち続ける(メンテナンスする)ことができます。
作成・更新の手間をグッと減らすことで、これまで手順書作りに費やしていた膨大な時間を、よりコアな業務へと充てることが可能になります。
しかし、ブラウザ上の操作を自動記録するとなると、企業として気になるのが「セキュリティや機密情報の保護」ではないでしょうか。次のセクションでは、Tangoの安全性について解説します。
▶NetSuiteで入金消込を自動化!経理業務を効率化するShearwater独自のソリューション
基幹システムと連携しても大丈夫?Tangoのデータ保護とマスキング機能
ブラウザ上の操作を自動で記録・生成するツールを社内導入するにあたり、企業として最も慎重に評価すべきは「セキュリティとデータガバナンス」の観点です。
特にNetSuiteのような基幹システムを扱う場合、顧客情報や財務データといった機密情報への配慮は、手順書作成の効率化よりも優先されるべき企業の責任と言えます。
Google拡張機能「Tango」は、こうしたエンタープライズ企業の要求に応える設計と、高い安全性を備えています。ここでは、企業が安心して導入できる3つの理由を解説します。
① 機密情報・個人情報を守る高度なマスキング機能
Tangoには、画面上の機密情報を保護するための「Live Blur(ライブ・ブラー)」および「Secure Blur(セキュア・ブラー)」機能が備わっています。 手順書の作成段階(キャプチャー時)で、個人情報や金額などのセンシティブなデータを自動で検出してモザイク(マスキング)をかけられるほか、作成後であっても編集画面からドラッグ操作だけで特定の領域を恒久的に黒塗り・ブラインド処理することが可能です。これにより、手順書の配布後に意図しない情報漏洩が発生するリスクを未然に防ぎます。
② 国際的なセキュリティ基準「SOC 2 Type II」の認証取得
Tangoは、米国公認会計士協会(AICPA)が定めた、受託組織のセキュリティや信頼性に関する国際的な監査基準である「SOC 2 Type II」認証を取得しています。 インフラ面では堅牢なAmazon Web Services(AWS)を採用しており、すべてのデータは通信時(in transit)および保管時(at rest)の両方において業界標準のプロトコルで暗号化されています。年次の第三者監査やペネトレーションテスト(脆弱性診断)もクリアしており、企業のIT部門が求める厳しいセキュリティ要件を満たす水準を維持しています。
③ AI利用における徹底したデータプライバシー
Tangoの自動生成機能には高度なAIモデル(Microsoft、OpenAI、Googleなど)が活用されていますが、入力・キャプチャーされたデータがAIの追加学習やファインチューニングに利用されることはありません。 企業固有の業務プロセスや操作ログが外部へ流出・学習素材化されるリスクが徹底して排除されているため、コンプライアンスを重視する企業組織でも標準ツールとして安心して利活用いただけます。
参考URL:
Tango公式 セキュリティセンター(総合案内・AWS・暗号化・AIデータ利用方針など)https://www.tango.ai/security
Tango公式 ブログ(SOC 2 Type II 認証取得に関する詳細発表) https://www.tango.ai/blog/soc-2-compliant
Tango公式 プライバシーポリシー https://www.tango.ai/privacy
Tangoで実現する、NetSuiteを「迷わず使いこなす」3つの実践アプローチ
どれほど簡単・安全に手順書が作成できたとしても、それが現場で実際に活用されなければ意味がありません。私たちはNetSuiteの導入・運用を支援する立場から、Tangoが持つ強力な機能をNetSuiteの運用定着にどう活かすべきか、3つの実践的なアプローチを推奨しています。
単にPDFの手順書を配るだけでなく、現場がシステムを「迷わず使いこなせる環境」を作るための具体的なアプローチをご紹介します。
① 基準ガイド:作成負担を最小化し、現場のノウハウをリアルタイム共有
まずは、前述したTangoの自動記録機能を活かした「基準ガイド」の作成です。 実際の操作をそのまま記録して手順書化するため、作成側の負担を最小限に抑えられます。作成ハードルが下がることで、「これまで共有されていなかった現場独自の細かなTips」や「生きたノウハウ」がいつでも、誰でも、スムーズに共有・アップデートされる環境が整います。
② 操作ナビゲーション(Guide Me機能):マニュアルを探す時間を「ゼロ」に
Tangoの機能の中で、NetSuiteの運用定着に最も大きなインパクトをもたらすのが「操作ナビゲーション(Guide Me機能)」の活用です。 別画面や紙でマニュアルを開きながらNetSuiteを操作するのではなく、NetSuiteの実際の操作画面上に「次に押すべきボタン」や「入力すべきフィールド」が直接オレンジ色の枠でガイド表示されます。 「マニュアルを探す・見比べる」という時間をゼロにすることで、迷いのないストレスフリーな実務環境を実現します。

③ ピン留めヒント:うっかりミスを未然に防ぐ仕組み化
間違いやすい入力項目や、特定の条件でのみ必要な注意書きを、NetSuiteの画面上に直接固定表示させる「ピン留めヒント(Callout機能)」の設置です。 例えば、「※海外取引の場合はここをチェック」といった、マニュアルを読み返さなければ忘れがちなルールを該当項目の横に常に表示させておけます。これにより、人間の「うっかりミス」やそれに伴う手戻り・承認漏れを事前に防ぎ、誰が作業しても常に高い業務精度を維持できるようになります。
💡 実際の操作感は「実演動画」でも公開中!
本記事でご紹介しているTangoの操作やNetSuite画面上でのナビゲーションの様子は、実際の画面の動きがひと目でわかる「実演動画」としてもご用意しています。
記事の最後にあるフォームより、動画全編(約13分)をすぐにご視聴いただけます。「まずは要点だけをテキストで確認したい」という方は、このまま以下のダイジェスト解説をご覧ください。
【実演ダイジェスト】Tango×NetSuiteで手順書を作ってみた
ここからは、実際にNetSuiteの画面を使い、Tangoでどのように手順書が作成され、どのように画面上でナビゲーションが実行されるのか、一連の流れをダイジェストでご紹介します。
今回は、現場でよく発生する「従業員登録(新規作成)」の業務を例に解説します。
① 従業員登録の操作を自動で「記録(キャプチャー)」
まず、Tangoの拡張機能を開き、「Start Capture(記録開始)」をクリックします。
あとは、いつものようにNetSuiteのメニューから「リスト」>「従業員」>「新規」の順にクリックし、必要なフィールド(氏名や所属など)に情報を入力していくだけです。
ユーザーがクリックや入力をするたびに、画面の右側で手順書のステップがリアルタイムに、自動で組み上がっていきます。

操作がすべて終わったら、画面右下の緑色の完了ボタンをクリックします。これだけで、今行った一連の手順が、自動的に12ステップのフロー図(マニュアル)として完成します。
② 直感的な「日本語化・編集・マスキング」
自動生成された直後のタイトルや各ステップの説明文は、基本的には英語で生成されますが、これらはブラウザ上で簡単に日本語へ書き換えることができます。

また、画像の編集画面(鉛筆マーク)を開けば、以下のような加工が直感的に行えます。
- 画像の拡大・縮小: プラス・マイナスボタンで、見せたい部分を強調
- 注記の追加: ツールバーを使って、別の場所を枠線で囲む、矢印を引く、テキストを入力する
- マスキング(重要): 従業員の個人情報など、画面上に隠したい部分がある場合は、該当箇所をドラッグするだけで、その場で簡単にモザイク処理を施せます。

特別な編集スキルがなくても、現場のメンバーがその場ですぐに分かりやすいビジュアルへと整えられます。
③ 完成したマニュアルの「書き出し」と「画面ナビゲーション」
完成したマニュアルは、右上の「Share(共有)」ボタンから、ワンクリックでPDFなどにエクスポートが可能です。オフラインでの配布や、社内ドキュメントとしての保管もスムーズに行えます。

さらに、前述の「Guide Me」機能を活用することで、ユーザーはマニュアルを別画面で探したり見比べたりすることなく、迷わずに正確な業務を完了できます。
手順書の自動作成から、実際のシステム画面上でのナビゲーション、そしてミスを防ぐヒントの設置まで。TangoとNetSuiteを組み合わせることで、ここまで運用の自動化・効率化が可能になります。
最後に、私たちがこのアプローチを通じて、お客様にどのような価値をお届けしたいのかをお伝えします。
まとめ:私たちが目指す「自走できる環境」という価値
Google拡張機能「Tango」を活用した、NetSuiteのマニュアル作成と運用の自動化アプローチはいかがでしたでしょうか。
私たちがNetSuiteの導入・運用をご支援する上で、最も重視しているのは「システムの導入そのもの」ではなく、その先にある運用の世界です。
どれほど優れたERPを導入しても、現場の皆様が操作に迷い、ベンダーへ頼り切りになってしまっては、本当の意味での業務効率化やビジネスのスピードアップは達成できません。現場の皆様が自らマニュアルを更新し、自立してシステムを使いこなせる「自走できる環境」を共に作り上げること。それこそが、私たちShearwaterが提供する真の価値であると考えています。
Oracle NetSuiteの社内定着にお悩みの皆様、そして「導入後のサポート体制や定着化へのアプローチ」を基準にベンダー選びに悩まれている皆様、ぜひ一度私たちにご相談ください。システムの構築から運用の自走化まで、伴走型の手厚いサポートでお応えいたします。
▶Shearwater JapanのNetSuite定着支援サービス(トレーニング)
【動画全編公開】Tango×NetSuite実演解説動画の視聴・資料ダウンロード
本記事でご紹介したTangoの具体的な操作方法や、NetSuite画面上でのナビゲーションが滑らかに動く様子を、約13分の動画全編でわかりやすく解説しています。
「実際の操作画面の動きを詳しく見てみたい」「社内展開やベンダー選定の参考にしたい」という方は、以下のフォームよりお気軽に動画視聴・資料ダウンロードをお申し込みください。
折り返し弊社担当者より、動画視聴リンクをお送りいたします。
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Shearwater Japan株式会社は、アジアNo.1の NetSuiteパートナーです。
2012年の設立以来、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国の各地域のクライアントと、Oracle NetSuite(https://www.netsuite.co.jp)、Workday Adaptive Planning(https://www.workday.com)、Workato(https://workato.jp)などの導入パートナー企業として、共に急成長を遂げてきました。
プロジェクト管理、コンサルティング、開発、他システムとの連携等を全てワンストップサービスで提供でき、自社海外拠点(中国、シンガポール、台湾、マレーシア)があるため海外展開先でも手厚いサポートに実績がございます。
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<参考情報>
1. NetsSuite導入インタビュー 
2. NetSuiteと他社のERPの違いを解説
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